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我慢強さすなわち「心の体力」が強い子は、成長して成績優秀となり、友人や教師達から好かれ、大人になってからはより給料の高い職業につき、中年になっても太らず健康的なことが社会学の実験の結果わかりました。
「心の体力」は人生においてもっとも大切な力なのです。
では、この大切な力は伸ばせるのでしょうか?
それを確認するために、これまで様々な実験が行われました。
例えば以下のような実験です。
——–
大学生を実験室に集め、「心の体力」の基準値を測るテストを行いました。
被験者にハンドグリップを握らせて、握っていられる時間を計測する体力テストです。
疲れて手を離したくなっても握れという信号を筋肉に送り続けるには、我慢強さ=「心の体力」が必要とされます。
そして基準値を測定した後に、心の体力を消耗する作業をさせ、再度ハンドグリップのテストを行います。
そうして心の体力がどれくらい減少したかを調べます。
その後、被験者達は、家に帰ってそれぞれ2週間何らかのエクササイズを行います。
第1のグループは、姿勢に気をつけるように指示されました。背中が丸くなっていたりしたら、それを正すようにします。
第2のグループは、食べたものを全て記録するように指示されました。
第3のグループは、前向きな気分やプラスな感情を保つように指示されました。
2週間経ってから、また同じハンドグリップによるテストを行いました。
その結果、第1・第2グループは、成績が有意に向上しました。
エクササイズにより、心の体力が鍛えられ、消耗しづらくなったのです。
特に、最も向上したのは姿勢を正すことに取り組んだグループでした。
こうして、「心の体力」を伸ばすエクササイズが発見されました。
そしてその後のさらなる実験により、背筋を伸ばす以外にも、習慣的に行われる無意識の行動を意識的に変えるようにすると同じように心の体力が鍛えられることがわかりました。
例えば、利き手でない方の手を使って生活をしたり、話すときに適切な言葉づかいをするように意識することです。
なお、両手を使うことが脳に特別な刺激を与えたりするわけではありません。
なぜなら、左利きの人が右手を使う場合には、右利きの人が左手を使う場合に比べて向上が小さかったからです。
世の中の多くのものは右利き用に作られているので、左利きの人は元から右手を使うことに慣れています。
このことから、慣れない行動を意識的に行うことに、心の体力を鍛える力があるとわかります。
以上をまとめると
1.無意識の行動を意識的に変えること
2.自分の行動を記録し客観視すること
これらにより心の体力が鍛えられるとわかりました。
ですから、伸学会では授業を受けるときの姿勢には特に注意を促しています。
また、下のような学習の記録を日々書かせ、自分の行動の振り返ることもさせています。
正しい姿勢でいること、記録を書くこと自体もそれぞれもちろん重要ですが、もっと大切なのはそれを通じて心が鍛えられることなのです。
そうやって、長い時間の勉強に取り組める「心の体力」を育てているのです。
「心の体力」を鍛えるエクササイズは、基本的に全て子供達にとっては「めんどう」なことばかりです。
だからこそ取り組めば我慢強さが身につくのです。
そして、そういうめんどうなことに自発的に取り組むようにさせるには、その意義を説明し、子供達自身に「やった方が得だ」と思わせることが重要なのです。
そして、これらの事実をふまえて私達からお父さんお母さんにおすすめしたいこと。
それが「しつけ」を大切にしましょうということです。
「えんぴつを正しく持つ」「お箸を正しく持つ」「正しい言葉づかいをする」「片づけをする」「好き嫌いをしない」などなど、正しく「しつけ」を受けた「人としてしっかりしている」子は、遅かれ早かれ必ず成績が大きく伸びています。
なぜなら、そういった「しつけ」を幼少期からきちんとしておけば、子供は我慢強く勉強に取り組める子に育っていくからです。
「私が算数はわからないから子供に教えられなくて・・・」なんておっしゃるお母さんは多いのですが、何も問題はありません。
それよりも、「しつけ」を通じて「心の体力」を育てることの方がずっと価値のあることです。
ぜひ今まで以上に「しつけ」に取り組んでみて下さいね。
それでは、今回はここまでです。
来週は最終回、「1つうまくいけば全てがうまくいく」です。
これまで書いてきたことのまとめであり、私達が教育を通じて目指しているものについてお話します。
楽しみにしていて下さいね。
文責:伸学会代表 菊池洋匡
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