偏差値で大学を選ぶのは正しい!~出典:大阪経大論集第64巻第1号(通巻第334号)2013年5月~

偏差値による大学選びの合理性に関する論文要旨

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進学する大学を選ぶ際に、偏差値で決めることには一定の合理性があるという研究論文が大阪経済大学の清水一先生によって書かれました。(タイトルは少し大げさにしました。申し訳ありません。)
(出典:大阪経大論集第64巻第1号(通巻第334号)2013年5月)

東洋経済・週刊ダイヤモンド、その他多くの雑誌で、大学ごとの卒業生の平均年収や上場企業取締役の人数、就職状況、資格取得状況などのデータが公表されています。

それらの情報を元に、偏差値によらない大学選びが様々な雑誌で標榜されています。

しかし、それらの情報内容は多くの部分が偏差値によって説明されることが統計的に分かったそうです。

決定率=就職率+進学率 「実質」とは卒業者ではなく入学者に対しての割合という意味
決定率=就職率+進学率
「実質」とは卒業者ではなく入学者に対しての割合という意味

以下引用です
受験生にとって入学後の将来を見通す重要な指標は, 退学率と実質就職率・実質決定率であると考えられる。これらの指標は偏差値との相関が非常に高く, 偏差値のみによって50%から60%も説明される。このように,偏差値は複数の変数の情報を集約し,なおかつ比較的精度が高いため,偏差値情報が重視されるのは当然といえる。
また,偏差値以外の情報は,一般に入手が困難であることも偏差値の有用性を高めている。特に教育内容や大学の雰囲気,サービス水準などは, 広告媒体でしかない大学パンフレットや大学HP, オープンキャンパスなどでは判断することが極めて難しく,実際には入学しないとわからない。その意味でも,偏差値情報は入手の容易さ,退学率や就職率との相関の高さから言って,最も重視すべき指標であると考えられる。
読売新聞の「大学の実力調査」では偏差値によらない大学選びを訴えているが,残念ながら,現在のところ偏差値以上の情報は見当たらないと考える。
しかし,2 章2 節で述べたように偏差値40台以下では偏差値水準と実績カが逆転している可能性はある
引用終了

手間ヒマをかけて情報収集をしても、結局はほぼ偏差値通りの結果だというのであれば、初めから偏差値だけで選ぶというのもわかりやすくて良いかもしれないですね。

とても興味深い論文ですので、ぜひ一読してみることをおすすめします。

中学受験ではどうなのかも気になりますね。このような論文がでてくることを期待しています。

いろいろな学校を訪問して見てきたもの、進路指導をしてきた経験、そして教え子たちのその後を見ると、中学受験においては「偏差値によらない学校選び」の合理性が大学受験に比してはるかに高いように感じているのですが、果たして実際のところはいかに??

 

文責:伸学会代表 菊池洋匡

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