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「マシュマロをすぐ1個もらう? それともがまんして、あとで2個もらう?」
これは、行動科学で最も有名なテストのひとつ、マシュマロ・テストです。
もし我慢できるようであれば、あなたの子どもは将来有望です。
このテストの考案者はスタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェル。
彼は、将来のより大きな成果のために目先の欲求を我慢する方法を、子どもたちがどのようにして覚えるかを調べようとして、1970年にこの実験を行いました。
実験の方法はこうです。
——
子どもたちを、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通し、椅子に座らせます。
机の上には皿があり、マシュマロが一つだけ載っています。
「私はちょっと用事がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまでの15分間食べるのを我慢していたら、マシュマロをもうひとつあげよう。食べてしまったら、ふたつ目はなしだよ」
実験者はそう言って部屋を出ていきます。
——
子どもたちの行動は、隠しカメラで記録されました。
実験に参加した186人の子供のうち、最後まで我慢できたのはおよそ3分の1でした。
映像を分析した結果、マシュマロを見つめたり、触ったりする子どもは結局食べてしまう率が高いことがわかりました。
一方、我慢できた子どもは、目をそらしたり後ろを向いたりして、マシュマロから注意を逸らそうとする傾向があることが観察されました。
この実験が行われた当時としては、これだけでも十分興味深い発見でした。
その後、幸運な巡り会わせで、ウォルターはさらに興味深いことも発見しました。
この実験は職員の子どもたちが通う学内の付属幼稚園で行われたのですが、彼の娘もそこへ通っていました。
そして、娘を通じて実験に参加したかつてのクラスメートの話を聞かされたのです。
それによると、マシュマロの実験で我慢ができずにご褒美をもらえなかった子どもたちは、学校の内外で他の子たちより問題を起こしているとのことでした。
そこで、なんらかの関係があるかを調べるために、ウォルターらは実験に参加した数百人の子どもたちを追跡調査しました。
その結果、4歳の時点における自制心の有無は、十数年を経た後も持続していることがわかりました。
マシュマロを食べなかった子どもたちは、食べてしまった子どもたちと比べて、大学進学適性試験(SAT)の点数が平均210点高かったのです。(※点数の幅は1800点)
さらに、その後の半世紀にわたる追跡調査で、成長しても仲間や教師達から好かれ、大人になってからはより給料の高い職業につき、BMI(肥満指数)がより低く、中年になっても太りにくいことがわかりました。
子どものときの自制心は、将来の社会的な成功や健康に大きな関係があったのです。
あなたの子どもは我慢強い子どもでしょうか?
もしそうであれば、将来が楽しみですね。
では、もしそうでなかったら?
成績が悪く、仲間や教師達から嫌われ、大人になってからは給料が安い仕事にしか就けず、太った不健康な体になると決まってしまっているのでしょうか?
安心してください。
この「自制心」は、髪の毛や目の色のように、生まれつき決まっていて変わらないものではありません。
筋肉のように、鍛えて育てることができるのです。
だから私達はこの自制心のことを「心の体力」と呼んでいます。
体の「体力」と同じように、使えば減って疲れます。
体の「体力」と同じように、エネルギーを補給して回復させることができます。
体の「体力」と同じように、トレーニングによって鍛えて強くすることができます。
この「心の体力」のメカニズム、これからしばらくの間、毎週コラムで連載していきます。
・子どもを成績優秀な子に育てたい
・子どもを将来社会的に成功する子に育てたい
・子どもを将来健康的な子に育てたい
・子どもが我慢ができない子に育っていて将来が心配だ
どれかにあてはまる方はお役に立てる内容となりますのでご期待下さい。
また
・お酒やタバコをやめられるようになりたい
・ダイエットをしたい
・そのために自分自身が自制心を身につけたい
という方のお役にも立てる内容です。
身長とは違って、大人になったら伸びないというものではありませんから。
まずは来週、「『心の体力』は何をすると消耗するか1」です。
「心の体力」の無駄遣いを抑え、必要なところで適切に使えるようになるために、何をすると消耗するのかをお教えします。
楽しみにしていてくださいね。
文責:伸学会代表 菊池洋匡
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・人生を成功に導く「心の体力」
1.人生の成功を導く子どもの資質
2.自制心は何をすると消耗するか1
3.自制心は何をすると消耗するか2
4.心の疲れはこうやって回復させる
5.我慢強い子はこうして育てる
6.1つうまくいけば全てがうまくいく
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