能動的に人生を創る~品川女子学院2017~

品川女子

品川女子学院の塾対象説明会に行ってきました。
1学年200名ちょっとの中規模な学校です。
場所は、京浜急行の北品川駅からすぐです。品川駅から歩いても10分くらいで行けます。
目黒校からも近いので、保護者の方からよく名前の挙がる学校のひとつです。

まずは、漆紫穂子理事長のご挨拶から始まりました。
前回の記事でも書きましたが、こちらの理事長は大変お話が面白く、今回もいろいろと興味深い内容でした。
最近は女子校よりも共学校の方が人気が高いですが、品川女子学院は女子教育にこだわり続けるそうです。
日本は2020年に大手企業の役員の30%が女性という社会を目指しています。
品川女学院は、その社会が実現したときに社会に役立つ人材を育てようとしています。そこで必要なのが、コミュニケーション能力やネットワークを広げる力や語学力であると考えているそうです。
そのために品川女子学院ではICTを利用して教え合ったり、人工知能にはできない否認知能力(※1)を育てる教育や講座を開催したりしています。

 

 

 

これにより、自分の頭の中を整理して人に分かりやすく伝える力や、仕事において評価される人間性(※2)が磨かれるでしょう。
中3の中には、文化祭に向けて小池百合子都知事や蓮舫議員に直接アポイントを取って取材してきた生徒がいるそうです。行動力のある生徒が育っていますね。
品川女子学院に入学した子は、これからの時代で社会に求められる人材に育つだろうと思わされるお話でした。

(※1:IQや学力試験などで測られる認知能力で無いもの。近年重視されているのは「自制心」と「やりぬく力」。参照:人生の成功を左右する「非認知能力」とは リクルート)
(※2:上記の4つのしつけを受けた人間と1つでも欠けた人間との間には、平均年収で約64万円の差があったことが調査でわかった。参照:基本的モラルと社会的成功 RIETI Discussion Paper Series 14-J-011)

 

そのあとに登場されたのが、今年から品川女子学院高等部校長になられた仙田直人校長です。
仙田校長は今年の3月まで都立三鷹中等教育学校の校長をされていました。
そこで振るわれた進路指導の腕が品川女子には必要だと、漆理事長が2年越しで口説かれたそうです。
仙田校長が計画する学力向上プランのひとつが「品女メソッド」の導入です。
これは学力達成度の明確化を目的としたものです。

1、模試の偏差値をスコア化し、それに基づいて会議を充実させ、高3担当者以外の教員も成績分析を行う。
担当以外の教員が数値化された模試のスコアを客観的に分析することで、担当だけでは見つからなかった問題点が浮き彫りになります。
また、担当以外の教員が当事者意識を持つことで生徒を支えるチームの指導力が上がります。

2、外部機関を使い、生徒による授業評価と校内研修をし、教員の指導力向上を図る。
どんな組織も内部だけでの評価では、次第に組織は硬直化します。
特に教員の世界では、教室では授業中1人ですので、どうしても主観に寄ってしまいます。
そこで外部機関という客観的な視点で公正に評価することで教員の指導力を上げようという意図です。

どちらも生徒の学力向上に対して実効性の高い取り組みです。
仙田校長はこういった手法で前任の都立三鷹の進学実績を躍進させた方で、品女でも同様の成果が大いに期待できそうです。

今までは28projectのように「卒業10年後の自分」が中心でした。
それはそれですばらしい取り組みでしたが、進学実績という点では個人的には物足りなさがありました(すいません…)。
ですが、これからは「大学進学=卒業の段階での自分」という面でも期待できそうです。
まさに漆・仙田のタッグは「鬼に金棒」ですね!(漆理事長ご自身が自分を鬼とおっしゃってました笑)

 

また、新たな試みとして2018年の入試から、2月1日午後に算数1教科受験を導入します。
受験生にとっての算数1教科受験はいろいろ利点があります。
・体力を消耗せずに2日に備えられる。
・採点が早く終わるので合格発表が当日になり、2日以降の試験スケジュールの直前変更がしやすい。
・1日の午後受験に合格すれば、精神的に落ち着きをもって2日の試験に臨める。
などです。
まだ、出題内容やレベルに関しては準備段階のようですが、理系志望の生徒には良いニュースではないでしょうか。

ただし、算数1教科の一発勝負なので、当日のできによって合否が大きく左右されるでしょう。確実な合格を掴むための受験にするには相当の力が必要になりそうですね。
ホームページにはサンプル問題が載っていました。
試験時間は60分、問題数は小問が25問です。
興味があったら見てみてください。

いろいろと変革が期待される品女。
オープンキャンパスや説明会も予定されています。
ぜひ、一度足を運んでみてください!

品川女学院公式WEBサイト:http://www.shinagawajoshigakuin.jp/index.html

 

目黒校校舎長 尾本昌典

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