あなたの中にある無意識にわが子を傷つける原因

こんばんは。伸学会の菊池です。

もうすぐ夏休みが終わりますね。

伸学会では昨日で夏期講習が終了しました。

私の教え子たちは、とても成長をしている子が多く、嬉しい夏期講習となりました。

特に、久しぶりに見る子たちは違いがよくわかって良いですね。

間が空くと違いが分かるという点では合宿もそうだったかもしれません。

昨年の合宿で合ったときにはまだ5年生らしい幼さが目立った子たちが、6年生になってずいぶん集中力の深さも持続力も伸びました。

すぐに集中力が切れてグズグズになっていた子が、1日10時間違い勉強を耐えきるようになっていて、大きな成長でした。

あなたのお子さんのこの夏の頑張りはいかがでしたか?


さて、今回のメルマガのテーマは「あなたの中にある無意識にわが子を傷つける原因」です。

おそらく令和の現代にあって、子どもを他の子と比較して評価してはいけないということを知らない方は少ないと思います。

「お兄ちゃんはちゃんと勉強頑張ってるのに、どうしてあなたはちゃんとやらないの」
「友達の○○さんはいつも成績優秀なのに、どうしてあなたはいつまで経っても成績が上がらないの」

こうしたセリフは典型的な毒親のものとして、様々な本や動画で指摘されています。

子どもの自己肯定感を破壊し、勉強嫌いにし、将来にわたって悪影響を残すこうした言葉を決して言うまいと気をつけている方がほとんどでしょう。

しかし、現実にはこうしたことを子どもに言ってしまう親がたくさんいます。

直接的に他者比較をするような表現ではなかったとしても、裏では無意識に他の子と比べてわが子を評価し、その評価に基づいて何かを言うので、結局は同じことだったりするのです。


なぜ多くの親御さんが、わが子を他の子と比べて、傷つけてしまうのでしょうか?

それは、私たち人間は、「物事を相対的にしかとらえられない」からです。

私たちはそのものだけを見て評価することができません。

そういう能力を持っていないのです。

例えば、こんな研究があります。

実験参加者たちのグループに、以下のようなことを考えてもらいました。

「あなたの友人が電化製品を買いにお店に行ったとします。

そのお店では目当ての商品は5万円でした。

その金額は妥当ですが、あなたは行くのに45分かかる別の店では4万5000円でその商品が売られていることを知っています。

あなたは友人にそちらの店に行くことを勧めますか?」

ほぼ同じ質問を、別のグループでも行いました。

「ただし、そちらのグループでは、商品の値段は10万円で、45分かかる別の店に行くと9万5000円で買える」という設定です。

どちらも同じく45分の時間をかけることで5000円の節約ができるというものです。

時間とお金のトレードオフの条件は全く同じです。

では、勧める人の割合は同じだったでしょうか?

いいえ、大きく異なりました。

商品の値段が5万円のときほかの店に行くように勧めた人は39%だったのに対して、10万円のときにはたったの17%でした。

ちなみに、商品の元の値段を1万円にすると、ほかの店に行くように勧めた人は54%になったそうです。

50%オフはお得!というわけです。

でもこれは冷静に考えればおかしな判断です。

考えるべきことは、その5000円には45分をかける価値があるか、あるいはその5000円があればほかに何に使うことができるか、なはずですよね。

しかし、私たちはそうした判断が苦手で、目につきやすい元の値段との比較で5000円に価値があるかどうかを考えてしまうのです。

こうしたことはあらゆる場面で起こることです。

「思考」だけでなく「知覚」も間違った判断をします。

例えばこちらの図を見てみてください。

これはマサチューセッツ工科大学のテッド・アデルソンが作ったものです。

AとBを見てみてください。

これらはどちらの方が濃い色に見えますか?

ほとんどの人はAの方だと答えるでしょう。

あなたにもAは濃いグレーで、Bの方は薄いグレーに見えていると思います。

しかしこの2つは全く同じ色です。

あらためてよく見てみてください。

そう言われても、それでも同じ色には見えませんよね。

ではこうすればどうでしょうか?

AとBが同じ色だとわかりますよね。

私たちの目も頭も、無意識・無自覚にものごとを周囲と比べています。

Aだけを見ているつもりでも、実際には「Aの周囲のタイルと比べて」濃い色として認知しています。

Bも同様です。

これってとても怖いことだと思いませんか。

あなたはお子さんを公平公正に絶対的な基準で見ているつもりかもしれません。

しかし、あなたの目と脳は、無意識・無自覚に、周囲と比較してお子さんの姿を捉えようとします。

周りにいる子がよく勉強していると、我が子の勉強量は少ないように見えてしまいます。

実際に周りの子がよく勉強しているなら比較対象としてまだマシかもしれません。

お悩み相談でお母さま方がおっしゃる「受験生として少なくともこれくらい勉強しないと」の期待度は、「そんなに勉強できる子は5人に1人くらいですけど…」といった数字であることが多いです。

つまり、「受験生はみんなこれくらい勉強してるはず」という【普通】のイメージが間違ってるのですね。

その間違った【普通】を基準に、それと比較してしまったら、正しい評価などできるはずはありません。


あなたは、「我が子はこの夏よく頑張った」と思っていますか?

それとも、「我が子はこの夏、努力が足りなかった」と思っていますか?

それは何と比較していますか?

過去の自分だったり、周囲の子どもだったりしないでしょうか。


繰り返しになりますが、私たちは比較することでしかものごとをとらえられません。

だから、比較することが避けられないとしたら、その比較対象をよく考えて選ぶべきです。

5000円に価値があるかを判断するなら、「元の値段」と比較するのではなく、「45分」と比較するか、またはその5000円で手に入る他の何かと比較した方が正しい判断ができます。

比較対象は無意識に手近なものから選んでしまいがちですが、自分の意思で選ぶこともできます。

子どもを見るときには、周囲の子と比較するのが手近で簡単です。

ですが、私はそれよりもその子の以前の姿と比較するのが良いと思っています。

春休みの頃と比べてどうですか?

去年の夏休みと比べてどうですか?

そこに成長が感じられたなら、きっと良い夏だったのだと思います。

夏の締めくくりに、親子でこの夏の頑張りを振り返って、評価してみてくださいね。

それでは。



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