受験で親子関係に亀裂が入ったご家庭の末路とは

「親が喜ぶから勉強したくない」

このセリフは、昔ある生徒が私に言ったものです。

あなたは、我が子がこんなことを言ったらどう感じますか?


勉強に対して全くやる気を見せず、いつも親子ゲンカが絶えなかったというその子は、私のメルマガを読んで「ここならば」と思ったお母さんに連れられて伸学会にやってきました。

そして、勉強大っ嫌い状態からのスタートだったので、その子が勉強しようという気になるように導くのに、とても苦労しました。


私も他人の考えを無理やり書き換える洗脳ができるわけではありません。

生徒と対話を重ねながら、価値観を聞き出し、それと勉強するという行動が結びつくようにしているだけです。


例えば、志望校に合格したいと思っているけれど行動できない子は、目の前の行動と合格が結びついていません。

そうしたときには、一緒に入試問題を見てみて、「これが1年後に解けるようになっているためにはどんな練習をしたらいいだろう?」と考えるのを手伝ったりします。

単純な勉強時間ももちろんですが、「式を書くのを嫌がる」ケースなども、入試の解答用紙が式を書く形式なのを見せたりすると行動が変わることが多いです。


例えば、競争が好きというタイプの子は、どれだけ問題を解いたかを可視化して競争を煽ってあげると一生懸命やるようになったりします。

負けが続くと投げ出すこともあるのでさじ加減が難しいですが、拮抗した勝負を演出してあげると燃えてくれるんですよね。


例えば、みんなと一緒にやるのが好きという子は、自習室で一緒に勉強する仲間がいる環境を与えてあげたりします。

ご存知のように、この「誰かと一緒にやる」とか、「誰かのためにやる」というのは人間にとってとても強力なモチベーションになります。

実際、私も3年前から伸学会スタッフを筋トレ部に巻き込んで毎週2回筋トレをしているのですが、季節講習や説明会のようなイベントで一時的に行けない時期を除けば、1週間で1回も筋トレをしなかった週はありません。

自分1人だったら絶対にもっとサボってしまっていたと思いますが、行く約束をしているとサボれないんですよね。

子どもたちにも同じ心理が働いているんだろうと思うと、一緒に勉強する仲間を作らせる作戦は効果的だなぁと思います。


と、まぁそんな感じでいろいろな方法があるのですが、いずれにせよその子の「価値観」と「行動」が結びつくと、その行動に対して当事者意識がわき、意欲につながります。

簡単に言えば、やる気が出るわけですね。


だから冒頭の子のときにも、この子にはどんな価値観があるんだろうと聞いてみることにしました。

その結果出てきたのが、「親が喜ぶから勉強したくない」というセリフだったわけです。

「誰かと一緒に」とか「誰かのために」の真逆の答えが出てきました。

親の存在が、この子の勉強するという行動に対して、強力なブレーキをかけていたのです。

つまり、この子にとって親は仲間ではなく【敵】なんですね。

そして、「自分が勉強すること」は「敵を喜ばせること」で、それはつまりこの子にとって【敵に対しての敗北】だったわけです。

かなりまずい状況だというのはお分かりいただけるでしょうか。


そうなるまでにはきっと、様々な積み重ねがあったのだろうとは思います。

初めから親を敵視する子どもなどいません。

親御さんの「この子のために良かれと思って」してきたことが、子どもからしてみたら「自分は攻撃をされている。自分を攻撃してくるということはこいつは敵だ」と思わせることだったのです。

親子ともにつらい状況ですね。


親御さんにも状況をお伝えし、ご自身の行動を変えていってもらうようにサポートをしました。

こうしたケースで、子どもが先に変わることはまずありません。

親が先に変わることで、そして時間をかけて待つことで、子どもも少しずつ変わります。

実際にそのご家庭でも、親御さんが変わろうと決意し、お子さんへの接し方を変えた結果、徐々に変化が現れ、子どもも前向きに勉強に取り組めるようになっていきました。


もしここで、親がそれまでの関わり方を反省し、変えることができなかったら、その先には何が待っていたでしょうか。

仮に無理やり勉強させて受験に合格したとしても、後には壊れた親子関係が残ります。

そして、それは子どもの心に傷を残し、自己肯定感の低下へと繋がります。

自己肯定感は、ご存知のように、人生の幸せに直結するものです。

事実、様々な研究において、親子関係が良好であることは、その後の人生の幸福感においてとても重要であり、また大人になってからの社会的な成功や収入とも関係していることがわかっています。

一時的な学力アップや目先の受験の合格のために親子関係を犠牲にすることは、本末転倒なことなのですね。


だからといって、子どもの未熟な行動・悪い行動を放置すれば良いというわけではありません。

子どもにはそれらを改善するための教育を与える必要があります。

だから伸学会では、子どもの自主性を尊重しながら、子ども自身の気付きを促すことで問題行動を改善させるアプローチをしていっています。

時間がかかりますが、講師と生徒、親と子の関係性を良好に保ちながら子どもの成長を促すためには、これが最善だと考えているからです。


これから中学受験を始める方はもちろん、すでに始めていて新学年を迎えた方も、学年が上がるにつれて勉強は大変になり、競争が激しくなり、それに伴って親が心乱される場面が増えてくるでしょう。

感情的になってしまうことも出てくると思います。

以前私のオンラインサロンの相談会のときにメンバーさんが「若かりし日の恋でも、こんなに心が乱されたりはしなかった」とおっしゃってました(笑)

覚悟を決めて、そんな自分を上手にコントロールできる方法を身につけていってくださいね。

「変わるのはまずは自分から」というのも、よく覚えておきましょう。

そして、親子笑顔で受験を終えられるようにしてください。

それでは。



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