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こんばんは。伸学会の菊池です。
多くの親御さんは、子どもには自分で計画的に勉強できるようになってほしいと考えていますよね。
中学受験は長丁場で、送迎・学習のチェック・声かけ・生活管理・教材管理など、親の負担が大きいものです。
そして、学習内容も徐々に難しくなっていき、5・6年生にもなれば教えるのに限界を感じ始める方も増えてきます。
そうやって大変な思いをしながら頑張ってサポートしていても、子どもも反抗期を迎えますから、徐々に摩擦・衝突も増えてきます。
頼むから自分でやってくれ!!!!
そういう切実な親御さんたちの願いをたくさんうかがってきました。
果たしてどうすれば子どもは自走してくれるようになるのでしょうか?
最近あったある出来事が、そのヒントになるのではないかと思ったので、今回記事にしてあなたにお届けしようと思います。
子どもがなかなか勉強に着手しないとか、準備が遅くていつも学校や塾に遅刻ギリギリとか、寝る準備が遅くていつも寝るのが遅くなっているとかで毎日イライラしていて、ついつい言いたくもないのに「早く○○しなさい!」が口ぐせになってしまっている場合には、特に役に立つ内容なのではないかと思います。
あてはまるようでしたらぜひ最後までご覧になってくださいね。
さて、そのある出来事というのは、伸学会で開催した「都内史跡めぐり」というイベントです。
この「史跡めぐり」は塾生限定で開催したイベントで、申し込み開始からたった2分で満席になってしまった大人気企画です。
東京はビルばかりなイメージがありますが、実は身近なところに史跡がたくさんあり、少し興味関心を持つだけでも楽しみが広がります。
そのこということを子どもたちに実感してほしいという思いからこの企画は始まりました。
そして、子どもたちが最大限楽しめるように、チーム対抗戦という形でゲーム性も取り入れることにしました。
チェックポイントとなる都内の史跡をいくつか指定し、その中のいくつを回れるかチーム同士で競争するのです。
史跡を回るルートを考えるところから始め地理的感覚を鍛え、実際に現地に自分たちの力で足を運び歴史を直接感じることもできます。
教科書だけでは学べない力を鍛えるとともに、教科書で学んでいることに親近感を抱き、学びをさらに楽しめるようになってもらうことが目的でした。
ただ、この企画を実行するためにはいくつかの困難がありました。
まず、当日使う予定の「東京フリーきっぷ」で行ける範囲の中からチェックポイントにする史跡を選ぶことから始まりました。
その際に、駅から史跡までが危険な場所ではないかの確認や、子どもたちが配布するテキストの地図や駅の案内地図を見て現地に無理なく到着できるかを検討するために、企画担当者が実際に全ての史跡に複数回行き、検討を重ねました。
例えば、浅草には浅草寺など良い感じな史跡はあるのですが、観光客が多く、はぐれる子が出る可能性があって危険なので、泣く泣く断念したり。
こうした選別でもかなりの労力でした。
そしてチェックポイントとする史跡を15か所に決定してから、次に現地で子どもたちが解くクイズを作っていきました。
ただ史跡に行くだけだと面白くない!ということで、現地に到着したら引率の先生からその場に行かないと解けないようなクイズを出し、みんなでそれを解いていくというミッションを与えることにしたのです。
このクイズを作るためにも、担当者は全15か所に何度も足を運んだそうです。
現地クイズは、例えばこんな問題です。
チェックポイント⑤:楠木正成像
1 後醍醐天皇に仕えた楠木正成が倒した幕府は何幕府? 鎌倉幕府
2 像のまわりにある鎖を支えている棒は全部で何本? 22本
3 楠木正成が乗っている馬の浮いている足はどの足? 右の前足
チェックポイント⑥:湯島聖堂
1 湯島聖堂を創建したのは誰? 徳川綱吉
2 明治時代になると日本初の何が置かれた? 図書館(書籍館)
3 江戸時代に建てられそのまま残っている門の額には何と書かれている? 入徳門
クイズを解いていくうちに、自然とその史跡の歴史的背景が理解できるように——そんな仕掛けを意識して、これらのクイズは作られています。
クイズの答えを探すには、史跡内の「ちょうどよい導線」を歩く必要があるように工夫されています。
とはいえ、子どもたちが盛り上がるレベル感のクイズを作るのは想像以上に難しく、なかなか苦戦もありました。
そのため、史跡めぐりの1か月ほど前からは、週末ごとに担当者たちは都内をあちこち散策しながら、問題作りに没頭する日々……。
気づけば、すっかり“東京クイズ散歩”のような生活になっていたそうです。
ここまで準備に手間ひまをかけ作り上げた社会科見学イベントなので、やはり参加してくださった方からはアンケートで高評価が続出でした。
いくつかご紹介すると、
「普段、建物や観光に全く興味を示さない息子ですが、今回の史跡巡りはすごく楽しかったようで、またやりたい!と言っていました。初めて聞くような建物や、普段乗らない路線、駅名がポンポンと出てきてました。次は建物の中にも入ってみたいと言っていたので、機会があれば史跡の見学に一緒に行ってみたいと思います。(K.U.君)」
「毎回楽しく、ためになる企画を考えていただきありがとうございます。今回は特に絶対行きたい!!と申込み前から意気込んでおり、キャンセル待ちになってしまったときには泣いて怒られるほどでした。
おかげさまで参加させていただき、心から楽しんで帰ってきました。
特に東京駅に行ったことは真っ先に話してくれ、お友達と電車に乗って行動したことも楽しい思い出となり、より深く記憶に残ったようでした。
楽しいだけでなく、勉強になり、マナーも身を持って守ることができたりと、とても素晴らしい体験をありがとうございました。(S.K.君)」
といった感想でした。
同じポーズをしてみるのはお約束ですよね♪
この体験がきっかけになり、日頃から身の回りの歴史や地理に関心を持つようになってくれれば、日々生活をしているだけでどんどん賢くなっていきます。
あまり勉強時間が長くないのに成績が良い子がいますが、そういう子は日々の生活から自然と学んでいるんですよね。
そういう子に変わるきっかけになってくれればと思っています。
課題を挙げるとするならば、満席になってしまって参加できない子がたくさん発生してしまったことです。
なるべく多くの子たちに参加してほしかったのですが、生徒の安全を確保し、かつ周囲に迷惑をかけないように監視するために、1チーム生徒6人に対してスタッフを2人(やんちゃな子が多い班は3人)つける厳戒態勢だったため、定員がどうしても限定的になってしまいました。
来年以降の課題ですね。
さて、話が少し長くなってしまったのですが、このことからあなたにお伝えしたいことがあります。
それは、「自走する子に育てるためにはビジョンの共有が大事」ということです。
今回の企画は、読んでいただいて「伸学会らしい企画だな」と思っていただけたのではないかと思います。
でも、実は私はこの企画に一切かかわっていないんです。
スタッフたちが発案し、準備を進め、開催にこぎつけてくれました。
まさに彼ら・彼女らが「自走してくれた」というわけです。
それができたのは、「子どもたちの学びを楽しいものにしよう」という伸学会のビジョンが私たち伸学会の中で共有されているからです。
共有とは名ばかりの「押しつけ」ではなく、共感し、自分事として受け入れている、本当の意味での「共有」された状態。
だから、私からあーしろこーしろといちいち指示が無くてもみんなが自発的に動きます。
また、より良いクオリティを求めて、改善にも取り組みます。
仕事の量も質も、「言われたことしかやらない」人とは段違いになりますよね。
もちろん普段の授業での生徒指導も言わずもがなです。
こうしたことは、子どもの勉強でも同じです。
「受験に合格したい」
「テストで良い点数を取りたい」
「問題が解けるのは楽しい」
そうしたビジョンが、押し付けられて言わされている状態ではなく、自分事になっていると、子どもは自発的に勉強するようになりますし、より良いやり方をしようと工夫するようになります。
これまでの生徒の中でも、自発的に勉強してぐんぐん成績を伸ばしていった子のご家庭は、勉強が自分事になる状態を上手に作り上げていました。
日常生活でも同じです。
早寝早起きをすること、忘れ物が無いように持ち物を準備すること、人に優しくすること。
それぞれこういう自分でありたいとか、こういう状態を手に入れたいとか、理想のビジョンがあると、そのための行動をとれるようになります。
例えば、これは昔の生徒が書いた学習記録の中の1日の振り返りです。
この子は自分で記録を振り返って、「良く寝た日は勉強時間が増える」という関係性に気付きました。
そして、自発的に「塾が終わったら早く帰って早く寝る」という目標を立てて、行動の改善に取り組みました。
「成績を上げたい」「合格したい」というビジョンがあり、そのために「勉強時間を伸ばしたい」という大きな目標があり、そのために「早く帰って早く寝る」という目先の小さな目標がある。
理想的な状態です。
「塾が終わったら友達とおしゃべりしてないで早く帰りなさい!」とか、「家に帰ったらだらだらしてないですぐにお風呂に入って歯を磨いて寝なさい!」とか、いちいち指示を出し、?りつけるのってしんどいですよね。
自走するようにするためには、やはりビジョンを共有し、それに対して本人の納得感があることが大事です。
確かに、勉強のやり方、早く寝るためのてきぱきした行動、持ち物管理のやり方、他者への優しいふるまい、どういう行動をすると良いかを教えてあげることも必要です。
でも、本人に意欲が無い状態でやり方を教えても、「おせっかい」にしか感じず、反発するだけだと思いませんか?
順序としては、ビジョンを共有し、本人の中に意欲を作ることが先です。
これが自走できる人に育てるための、普遍的な法則だと私は思っています。
あなたのお子さんも、お子さん自身の中に理想のビジョンができ上がるにしたがって、徐々に自走できる状態に変わっていきますよ。
まずは親子でどうなりたいか、何を手に入れたいか、理想の状態について話し合うことからしてみてくださいね。
それでは。
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