- 塾長が徹夜でゲームにハマった話(2026年06月17日)
- AIに負けない力は、どこで育つのか(2026年05月31日)
- 同じ勉強量なのに差がつく理由を、脳科学の研究室で考えてきました(2026年04月20日)
- 中学受験で第一志望に落ちて公立中に進学した子が、高校受験では偏差値73になって第一志望の難関公立高校に合格した話(2026年04月13日)
- 「やりたい」のに「動けない」。そんな矛盾を解く心理学(実は私もそうでした)(2026年04月04日)
- 確定申告で失敗して税金を2重に献上しました(2026年03月17日)
- 受験結果のその先へ(2026年02月13日)
- 子どもの自己肯定感を育てるには?(2025年12月14日)
- 成績アップはまずは健康から(2025年11月30日)
- 頑張らなくても勉強を習慣化できる簡単なコツ(2025年11月09日)
こんにちは。
伸学会代表の菊池です。
もう1年近く前のことになるのですが、デュオリンゴという語学学習アプリをインストールしました。
自分でも学習アプリを作ってみたいなと思って、市場調査・競合分析のために、世界で一番メジャーな学習アプリを使ってみることにしたというわけです。
やってみたところ、さすがは世界一。
ちゃんと使い続けることができました。

現在連続300日を突破。
毎日チマチマと勉強を進めています。
もちろん忙しい時には連続記録を守るためだけに5分10分だけササっとやって記録を維持するという日もあります。
ですが、それ自体がやっぱり「習慣化の科学」に則った行動なわけです。
私も「小学生の勉強は習慣が9割」https://amzn.to/3RXkugG という本を書くくらい、学習習慣をつけさせることにかけては専門家なのですが、まさに生徒たちにも「忙しくても0にはしないようにしよう」と指導しています。
それを自然とやりたくなってしまうメカニズムになっている。
とても良いアプリですね。
話がそこで終われば良かったのですが、このメカニズムは、一歩間違えるととても危険性があるというのが今日の本題です。
少し前にこのデュオリンゴに「チェス」を学べる機能が追加されました。
私は将棋はやったことがありますが、チェスは駒の動かし方がわかる程度。
定跡などはさっぱりわかりません。
せっかくだからチェスのやり方を勉強してみよう、と軽い気持ちで手を出したんです。
これが、大失敗でした。
見事にハマってしまいまして。
負けると悔しくて「もう一回」。
勝ったら勝ったで「もう一回」。
気づけば何時間もぶっ続けで、顔を上げたら朝でした。
睡眠は削られ、仕事は停滞し、これは洒落にならないと、慌ててチェスのモードを削除しました。
「英語の勉強」を続けさせる力は、「ゲーム」に対象が変わると、とんでもないことになりますね。
もう二度とチェスモードはインストールしないことに決めました。
さて、このことからあなたにお伝えしたいことがあります。
私はいちおう、学習や習慣について人並み以上に学んできた人間です。
「これは時間を溶かす設計だぞ」と頭ではわかっていたのですが、それでも一晩で見事に捕まった。
これは、私の意志が弱かったから、でしょうか?
違うんですね。
お子さんがゲームやスマホをなかなかやめられないとき、多くの親御さんは「うちの子は意志が弱い」「だらしない」と感じてしまいます。
あるいは「約束させたのに守れない、私の育て方が悪いのか」と、ご自分を責めてしまう。
そのお気持ち、とてもよくわかります。
でも、今回の私のザマを見てください。
メタ認知も自制心もあるはずの大人が、こんなに簡単に捕まるんです。
アプリやゲームは、「人をやめられなくさせること」そのものを目的に、莫大なお金と人材をかけて設計されています。
負けると悔しくなる、あと一手で勝てそうに感じる、勝つと次が欲しくなる。
人間の心理のクセを、これでもかと突いてきます。
そんなプロが本気で作った“抜け出せない仕組み”を相手に、一個人の意志力だけで勝てというのは、そもそも無理な相談なんです。
まだ脳が発達の途中にいる子どもなら、なおさらです。
つまりお子さんがゲームにはまったとしても、それはお子さんの人格の問題でも、親御さんの愛情不足や教育不足といった問題でもありません。
「構造」の問題です。
そう捉え直すと、打ち手の方向も変わります。
「やってはいけないことは我慢しなさい」と意志力に訴えても、効果は期待できません。
効くのは、私がやったのと同じ、“そもそも触れない仕組み”を先に作っておくことです。
そこで、おすすめなご家庭でできることを、3つお伝えしようと思います。
1.「いつでも触れる」をなくす
使う場所と時間をあらかじめ決め、勉強部屋には持ち込まない。意志ではなく、置き場所で守ります。
2.取り上げるのではなく、一緒に決める
親が一方的に没収すると反発を生みます。「どうしたら止められそう?」と本人を仕組みづくりの仲間にする。
3.「あなたが弱いんじゃない」と言葉で伝える
これは大人でも勝てない設計なんだよ、と。自分を責めがちな子の心が、ずいぶん軽くなります。
この「意志ではなく仕組みで守る」という発想は、実は伸学会の指導でも軸にしています。
塾生の中には、当然ですが、ゲームがなかなかやめられない子がたくさんいます。
そうした子たちも、理性では、やめた方がいいとわかってはいるんですよね。
でも、やりたいという欲求がコントロールできません。
そんな自分と向き合い対話することを、ホームルームの授業の中で繰り返し行っていきます。
だんだん自分でコントロールできるようになる子が多いですし、どうしても我慢できない子は「受験が終わるまで預かってください」と言って私たちに預けることもあります。
自分からお父さんお母さんに協力を頼む子も多いですね。
以前親御さんから聞いた話で、クスっと来ると同時にほほえましかったのが、「時間になったら僕からゲームを取り上げてほしい。きっといざその場面になったら、僕は『やだ!もっとやりたい!』と泣き叫ぶかもしれない。でも取り上げてくれ」と自分からお母さんに頼んだという話です。
自分の未来の行動まで予測して、それも含めて親に頼むなんて、大したものだなと思いました。
こうした「周囲の力を借りる」のも、広い意味でちゃんとした「自己コントロール」だなと私は思います。
頼るべきなのは、意志の強さではなく、環境の力なんですね。
そして、これは大事なことなのですが、決めたルールが守れない日も、必ず来ます。
そこで「やっぱりダメだ」とお子さんを責めないでください。
仕組みは一度で完成しなくて当たり前で、破れたら、また一緒に作り直せばいい。
うまくいかない日があることまで込みで、設計なんです。
先ほどのお子さんの例でも分かるように、泣き叫んだり、失敗したりすることまで計算にいれて、準備をしておけば良いんです。
やめられないのは、意志の問題ではなく、設計の問題。
そう捉え直すだけで、親子で攻撃し合う構図から、一緒に仕組みを工夫するチームに変われます。
あなたのご家庭でもぜひ、お子さんと一緒に、ゲームなどの様々な誘惑に打ち勝つ設計づくりをしていってくださいね。
それにしても、昔から「キングダム」にハマって一気読みしたりとか、誘惑に弱い自分には手を焼きます。
次はどんなものにハマって時間を奪われて、後悔して削除するのやら…
自分の特性を把握して、なんとか上手に付き合っていこうと思います。
あなたにも同じような失敗はありますか?
あったらぜひお子さんに教えてあげてください。
きっとお子さんとの距離がぐっと縮まって、一緒にそうした失敗を乗り越えていく関係性が作れますよ。
それでは。
—
■勉強が楽しくなる秘訣をメルマガで無料で配信しています!

LINE公式アカウントでも記事を配信中!

