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こんにちは。伸学会の菊池です。
新年度が始まってから、もうすぐ3週間が経ちます。
新しい学年の授業にも少しずつ慣れてきたのではないでしょうか。
新6年生のご家庭では、そろそろ志望校について本格的に考え始めた頃だと思います。
そこで、今回は中学受験で成功する志望校選びのコツをお伝えします。
参考になさって、中学受験のハッピーエンドを迎えてくださいね。
お子さんが5年生以下でしたら、時間的に余裕がありますので、これからお伝えすることを参考にして、良い学校探しをしてください。
まず前提として、どこの中学校に行ってもあなたのお子さんの人生の幸福度はあまり変わりません。
むしろ第一志望校にギリギリ合格して進学する場合と第二志望の学校に余裕を持って合格して進学する場合を比べると、第二志望に進学した方が将来的には成功しやすい傾向があるというのが教育経済学の研究結果です。
参考までに、大ベストセラー「学力の経済学」で有名な教育経済学者中室牧子教授がそのことについて言及している動画がこちら↓
https://youtu.be/727aBepsPzI?t=335
私も教え子たちにより良い人生・幸福な人生を与えたいと思って様々な研究を読んできました。
それらを踏まえて、やはり私は、中学受験の価値はどこの学校に進学するかという結果ではなく、目標に向けて努力するという「過程」にこそあると考えています。
中学受験をする子どもたちは全員ものすごく頑張っています。
4年生の子が週に2回も3回も塾に通って、何時間も授業を受けて帰ります。
6年生になるとそれが週5~7回になるわけです。
しかもそれは学校に通いながらの『ダブルワーク』です。
夏期講習・冬期講習となったら、朝から晩までさらに長時間塾にプチ監禁で授業です。
「みんなやってる」ということでマヒしていると思いますが、これって異常なことだと思います。
塾に通っているだけですごいことです。
中学受験をする子で頑張ってない子なんて1人もいないんです。
その上、先生から宿題を出されて『在宅ワーク』までしています。
ダブルワークをしたうえで、在宅ワークまでこなせるってすごいことですよね。
当たり前なんて思ってはいけません。
在宅ワークができなくても、そっちの方が普通だよねくらいの気持ちで見てあげましょう。
なぜここまで頑張れるかと言ったら、それはやはり受験をするから、目標があるからなんですね。
どこに受かるかでは子どもの人生は変わりませんが、何年もこれだけの努力をするかしないかでは確実に人生が変わります。
だから、私は中学受験の価値は「結果」よりも「過程」にあると自信を持って断言しています。
そして、人間の行動は良い目標があるかどうかで変わります。
良い目標があればより一層頑張れるようになります。
ですから、良い志望校とはすなわち、「子どもがやる気になる志望校」なのです。
まずは、偏差値表を見ないで色々な学校を見てみて、魅力的な学校を探してみてください。
私は最近食べログとかグーグルマップとかの口コミを見ないでレストランに入ってみるということを結構やっているんですが、評価が低い店でも良いなと思うお店はいくつも見つかりました。
他人の評価と自分の評価は違うんだなということがよくわかります。
偏差値というのは学校の価値ではなく人気の度合いです。
行列ができるレストランは良いお店である確率は高いかもしれません、必ず良いお店であるとは限りませんし、あなたのお口に合うとも限りません。
それと同じことが学校にも言えます。
良さを知られていないだけの学校はたくさんありますので、あなたのお子さんにとっての良い学校を探してみてくださいね。
そして行きたいと思う学校はたくさんある方が良いです。
「浮気はしちゃダメ」というルールはありません。
6年生の後半になってからころころ変わると過去問対策ができないので困りますが、
「この学校も良いけどあっちの学校も良いな。両方受かったらどっちにしようか迷っちゃう」
みたいに行きたい学校がたくさんあるのはとても良いことです。
難易度的には、どのレベルを目標にすればやる気になるかは子どもによってバラバラです。
自分の成績よりもだいぶ上な高望みの目標の方がやる気になる子もいれば、一方で手が届きそうな現実的な目標の方がやる気になる子もいます。
これはあなたのお子さんをよく観察して見極めてください。
「口では○○に行きたいと言っているくせに」と思うようであれば、その志望校は適切ではないかもしれません。
逆に親の方が「不合格だったときにショックを受けそうで、可哀想だから現実的な受験校にさせたい」と思っていても、本人がその目標に向かって全力で頑張っているのでしたら勇気をもって応援する方が良いと思います。
お子さんの成績を基準に、チャレンジングな偏差値の学校、実力相応な偏差値の学校、安全な偏差値の学校と3つくらいあると、自然と「お子さんにとって一番やる気になる難易度」が含まれることになるので良いですね。
もちろん「偏差値を抜きにしてどれも行きたい学校」であることが前提です。
また、特に6年生の子でまだ実力相応校・安全校で行きたい学校が無い場合は、なるべく早いうちから探すようにしましょう。
チャレンジ校しかない「背水の陣」で受験に臨むと、だいたいの場合は大けがをします。
背水の陣は本来兵法的には愚策であることは絶対に忘れないようにしましょう。
受験1,2か月前の段階で、実力相応校・安全校で行かせたい学校が無いのはとても危険な状態です。
これは受験で不合格になる可能性が高いとかいうレベルの話ではありません。
子どもに一生消えない傷を残し、子どもの人生を不幸にする、そんなレベルの話です。
決して大げさではありません。
先ほど紹介した動画で中室牧子教授もおっしゃっていたことですが、人生で成功するために重要なのは学力よりも「自己肯定感」です。
自分の努力の結果が、親を落胆させるものだったら、子どもの自己肯定感は傷つきます。
実力相応校・安全校で行かせたい学校が無い。
だから、チャレンジ校に不合格になったら潔く公立に行くという方針のご家庭もあると思います。
公立中学校に行くという選択自体は、決して悪いものではありません。
しかしそのときには、親が子どもの努力を認めて称えることが、子どもの自己肯定感を守るために必要です。
それをしっかりと実行するのはなかなか難しいことです。
過程が大事だと思っていても、結局のところ人間は結果に目が行ってしまいやすいです。
親子ともに、不合格となると自分の存在を否定されたような気持ちになってしまう人が多いです。
「偏差値○○以下には行かせたくない」とか言っていると、子どもには「○○以下の学校にしか合格できなかったらお前には価値が無い」と言われているように聞こえているかもしれません。
だから、実力相応校・安全校で行かせたい学校が無いのは、子どもの自己肯定感を傷つける終わり方になってしまう危険と隣り合わせです。
公立中学校も含めてどこの学校に進学しても、あなたのお子さんの将来の幸福度にはそれほど差はできないでしょう。
しかし、お子さんの自己肯定感を傷つけてしまうことは、お子さんの将来の幸福度を下げることに直結しますので気を付けてください。
逆に、この学校に行かせたいと心から思える実力相応校・安全校を見つけておけば、その学校への合格・進学を親子で一緒に喜ぶことができます。
そうすれば、あなたのお子さんの自己肯定感が育ち、幸福な人生へと繋がっていくでしょう。
以上、最後にまとめると
・どこの学校に進学しても人生の幸福度はたいして変わらない
・自己肯定感は人生の幸福度を大きく左右する
だから
・結果よりも努力の過程を大事にすること
・志望校選びは努力を最大化させることを目的にすると良い
・過程が大事とはいえ、人間は結果に目が行きやすいので、実力相応・安全なお気に入りの学校を見つけておくのがおすすめ
ということです。
あなたは優秀な子どもが欲しくて、優秀じゃない子ならいらないのですか?
それとも、お子さんに幸せになって欲しくて、幸せになるために優秀になってほしかったのですか?
何のための中学受験だったのかを思い出して、志望校選択をしてくださいね。
それでは。
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