物語文に強くなる方法ってこれじゃね?っていうサウスフロリダ大学の研究 

こんばんは。菊池です。

あなたのお子さんは国語の物語文は得意ですか?

物語文では心情の読み取りが問われるのですが、
これが苦手な子は多くて、
手を焼いている親御さんは多いです。

私たち指導者も、どうすれば子どもたちの読解力を鍛えてあげられるんだろうと日ごろから頭を悩ませ、指導法を模索しているのですが、今回参考になりそうな面白い研究がありました。

今回の記事ではサウスフロリダ大学などの研究チームが行ったその研究の内容をシェアし、それを読んで感じた私の考察をお伝えしようと思います。


そもそもの前提として、物語文を読んでそこから心情を読み取るためには、様々な心情を味わい、分類することができなければいけません。

これは心理学で「感情の粒度」と呼ばれます。

あいまいな感情をくわしい言葉で表現する能力とも言えます。

感情の粒度が低い子は、なにか嫌なことがあったときにすべてを「むかつく」や「ウザい」など1~2つの言葉だけで表現します。
逆に、良いことがあったときも、「パネェ」とか「エモい」といった数少ない言葉だけでなんでも片づけます。
要するにボキャブラリーが貧困です。

それに対して、感情の粒度が高い子はどうかというと、気分が悪いことに対して、「癇にさわる」「癪に障る」「憤る」「ムッとする」といった複数の表現を思いつき、その中から一番しっくりくる言葉を選ぶことができます。

ささいな違いのように思えるかもしれませんが、ここ数年の研究で「感情の粒度」がメンタルの安定に大きく関わることもわかってきました。
「感情の粒度」が高い人たちはセルフコントロールがうまく、幸福度も高いそうです。


国語の成績だけでなく、その後の人生においても重要度が高い「感情の粒度」ですが、では「感情の粒度」を高めて、いろいろな感情を味わい識別することができるようになるにはどうしたら良いのでしょうか?

ここで、サウルフロリダ大学の研究者たちが調べた「様々な感情を味わえるようになるにはどうすればいいのか?」という研究が参考になりそうでした。

この研究では、合計2,791人の対象者から、
「8日間のあいだにどんな活動をしたか?」
「8日間でどのような感情を体験したか?」
という質問の答えを集めました。

そのうえで、いろんな感情を体験してる人の特徴を割り出しました。

その結果、
① いろいろな感情を体験している人は、活動のバリエーションが豊富だった。
② 活動のバリエーションが多ければ多いほど、感情の多様性は高くなり、幸福度も高くなる。
という傾向がわかったそうです。

余暇や仕事で様々な新しい活動をしている人ほど、「喜び」「活発」「幸せ」「穏やかで平和」「満足」「充実感」「情熱」「思いやり」「誇り」「活気」「親密さ」「所属感」「無価値」「神経質」「落ち着かない」「そわそわ感」「絶望」「怖れ」「怯え」「イライラ」「恥ずかしい」「動揺」「孤独」「怒り」「不満」などなど、様々な感情を報告していたそうです。

そして、複数の活動をする人ほど、ポジティブかネガティブかを問わず、多様な感情を経験し、それが最終的な幸福感や人生の満足感につながっていたということでした。


結局のところ、様々な活動を通じて、自分自身で様々な感情を体験することが、「感情の粒度」を高めることにつながっているんですね。

これって、味覚と似ているなと思いました。

私は味覚は比較的鋭い方なのですが、ビールは全く飲まないので、ビールの飲み比べをしても違いがさっぱり分かりません。
しかし、吉田先生は、プレミアムモルツとえびすとスーパードライと一番搾りの飲み比べをすると全銘柄を当てます。
日ごろ飲み慣れているから、味覚の粒度が高いんでしょうねえ。


今回ご紹介した研究は、対象が成人でしたが、子どもでも同じことは言えると思います。

様々な体験で感情の粒度を高めることは、国語の読解力にもつながり、自己コントロール力の向上にもつながり、人生の幸福度を高めることにつながるのではないでしょうか。

毎日家にこもってゲーム漬けというのはもちろん、
勉強漬けというのもあまり良くはなさそうですね。

勉強以外にもスポーツや音楽の習い事をしたり、
書道や絵画や造形教室のような美術系にチャレンジしたり、
あるいはキャンプや海水浴や山登りなど自然の中でのアクティビティをしてみたりすると良いのではないでしょうか。

そういえば、私も保育園~小学校低学年の頃は、
毎年奥多摩の方へキャンプに行っていました。

あれは楽しかったな―。

伸学会でもキャンプイベントやりたいなー。

コロナも落ち着いてきたし、
あらためて企画しようかな。

あなただったら、お子さんに何をさせてあげたいですか?

いろいろな体験がさせられないか、考えてみてくださいね。

それでは。

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