「自分がされて嫌なことは人にしてはいけない」の間違い

こんにちは。伸学会代表の菊池です。

今年度から、伸学会に新しい専任講師が4名加わりました。
(そのうち自己紹介の記事を配信すると思います)

1名は昔の教え子で、
アルバイト学生講師を経ての入社ですが、
残りの3名は他塾や学校で働いていました。

それぞれ違う文化の中で働いていたので、
今それをすり合わせていっているところです。

メルマガやYoutubeを通じて
伸学会の理念に共感してきてくださった方たちですが、
理念を実現するための具体的なやり方は日々試行錯誤です。

もちろん私も含めて元々いたスタッフたちも試行錯誤の日々ですが。

新しく来たメンバーはより一層ですね。

例えば、
「これまでだったら雷を落とすところですが、
 それは伸学会のやり方ではないので…」
といったことを名越先生・町野先生はよく言っています。

そこで、社内SNSが大活躍をしています。

スタッフがそれぞれが議題を立てて、
それに対してみんなでそれぞれの思いを伝えたり、
アイデアを出したりしています。




こんな感じです。

人数が増えて話が活発になってきて、
私も楽しく・興味深く読ませてもらっています。

新たな文化が持ち込まれることで、
伸学会の文化がより洗練されていくと良いなと思っています(^^)


さて、前置きが長くなってしまいましたが、
今回の本題です。

「自分がされて嫌なことは人にしてはいけない」
という教育は、
果たして正しいのか?という問題についてです。

ちょうどこの話が
「授業中のルール」
についてのスレッドで上がっていました。

「『あなたがそれをされたらどんな気持ちになるの?』という問いに、
別にかまわないという生徒がいて、
二階の脳が発達していない段階で、
他者の気持ちを思いやるができない生徒に理由を納得させるのは難しいな、
と思ったのも、『ダメなものはダメ』の必要性を感じたところです。」

と町野先生が言っていました。

「あなたがそれをされたらどんな気持ちになるの?」

これって子どもの脳では想像するのが難しいですし、
だから納得させるのも難しいんですよね。

「なぜ人を殺してはいけないのか?」
という命題に対して、
「自分は殺される覚悟がある」
という人を説得する難しさにも通じると思います。

「自分がされて嫌なことは人にしてはいけない」という教育は、
「自分がされて大丈夫なことは人にしても良い」という
誤った理解を子どもに与えるので、
私はしてはいけない教育だと思っています。

その前提にある「自分と他者の価値観(されて嫌なこと)は同じ」というのも、
そもそも大きな誤りです。

では、どう伝えたら良いのでしょうか?

「あなたがそれをされたらどんな気持ちになるの?」
よりも、子どもにも理解しやすい方法をお教えしようと思います。


私はこういうときに子どもに伝わりやすいのは、
「あなたの大切な人がそれをされてつらい思いをしていたら?」
を考えさせることだと思っています。

「人を殺してはいけない理由」
を考えるときも、
「自分が殺されないため」
よりも、
「自分の家族が殺されないため」
の方がわかりやすいですよね。

自分の死をいとわない屈強な戦士でも、
自分の親や子供が殺されることには大きな心の痛みを感じることだろうと思います。
(残念ながら感じない人もいるでしょうが)

それと同じように、
「自分がされて嫌かどうか」
を考えさせるよりも、
「自分の大切な人がされて嫌がっていたらどう思うか?」
を考えさせる方が子どもにはわかりやすいんですね。

おそらく、
「自分の大切な人を守らなければという意識」は、
「他人の気持ちを想像する」よりも、
2階の脳の働きの中で初歩的なものなんだろうと思います。


実際に私の生徒でも、
そういう「他人の気持ちを想像する力」が弱い男の子がいます。

その子に「男女平等な社会」の話をしたときに、
「もし○○の妹が『女子だから』という理由で出世ができなかったり給料が増えなかったりしたらどう思う?」
と聞いてみたら「それはおかしい!」と怒っていました。

日ごろ「女子はムカつく」とか言ってる子なので、
そのまま「男女平等」について
「自分が性別が理由で差別されたらどう思う?」
と話しても通じなかっただろうと思います。


「人をたたくのは良くない」とか、
「人のものを勝手に使ったり借りたりするのは良くない」とか、
そういったルールを子どもに教えるのって苦労しますよね。

そんなときには、
「あなたが叩かれたらどう思う?」
ではなく、
「お母さん(またはお父さんでも兄弟でも)が誰かに叩かれたらどう思う?」
と考えさせてみてくださいね。

きっと小さい子でもわかってくれると思いますよ。


それでは。

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