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こんばんは。勉強のパフォーマンスアップ専門家の菊池です。
先日グループコンサル用のFacebookグループで、
「塾で習い事のテニスを辞めるように促されたけど、どうしたら良いか?」
というご相談をいただきました。
現在小5なんで、
確かに塾以外の習い事は少しずつ整理していかなければいけないタイミングです。
同じようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
その方への回答は多くの方の参考になると思いますので、
今回ブログでもシェアしようと思います。
私の回答はシンプルに
「運動系の習い事は続けるのがオススメ」
です。
その理由は、
「運動すると頭が良くなり、勉強のパフォーマンスがアップするから」
です。
運動をすることで頭が良くなることは多くの研究で示されていまして、
例えば1日20分間のガッツリハードなインターバルトレーニングをすると、
「記憶の干渉」が大幅に改善していたそうです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28699808/
「記憶の干渉」というのは
拙著「記憶を科学」の2章14節「記憶の上書き消去を防ぐ」
のところで書いた話で、
要するに「新しく何かを覚えると、そのせいで勉強したことが消えるよ」という話です。
この「何かを覚える」とは勉強に限らず、
遊んだりテレビを見たりしてもそのことは覚えることになりますので、
勉強した後に何かをすると勉強した内容は少しずつ削られるということですね。
だから「勉強を終わらせてから遊びなさい」は非効率的だとお伝えしています。
しかし、小6の今の時期みたいに朝から晩まで勉強しまくるタイミングでは
上書き保存だなんだなんてことは言ってられません。
みんな勉強した後に勉強して、さらに勉強しています。
どうしたってある程度の上書き消去は避けられないんですね。
ところが、運動をすることで脳の海馬が鍛えられ、
「BDNF」と「IGF-1」という頭が良くなる物質が分泌されまくり、
記憶力が大変よくなって「記憶の干渉」が改善していたとのこと。
インターバルトレーニングってのはこんな感じのやつでございます。
旧自由が丘校第一教場(オレンジハウス)のそばには公園があったので、
ときどきリフレッシュのためにこんな感じで運動させておりました。
こうやって運動をさせることで、
ストレス解消になって勉強に集中できるようになるだけでなく、
勉強した内容が記憶に定着することも促進できるわけです。
適度に運動することは、
勉強のパフォーマンスアップにとてもおすすめです。
上記の研究は週5日×6週間ガッツリ運動させた場合の効果で、
実行するのにはなかなかハードルが高めです。
しかし、ここまで継続的にやらなくても、
運動するとすぐに脳に対して良い効果があることを示す研究もたくさんあります。
例えばマギル大学が行った研究では、
15分間エアロバイクを思いっきりこいで運動してもらったグループは、
座ったまま休憩していたグループに比べて、
運動直後から脳が効率的に動くようになりゲームのスコアが向上したそうです。
https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2018.03.029
頭の働きが良くなることで、
同様に算数や国語の問題がより解けるようになることも期待できます。
1回運動したらすぐに効果があると思うと、
あまり運動の習慣がない子でも、
じゃあやってみようかという気にさせられそうですよね。
5年生6年生と学年が上がるにつれて、
勉強の量が増えていきます。
そうなると、
他の習い事を減らしていかなければいけない時はくるでしょう。
ただ、そのタイミングは、
子ども自身が
「もっと勉強する時間が欲しい」
「○○へ行く時間も勉強に充てたい」
と思ったときです。
本人の意識がそうなる前に、
「6年生になるから」
といった理由で習い事をやめても、
結局大して勉強時間は増えないことがほとんどです。
ですから、解決策としては、
習い事をやめさせるよりも
忙しい中で時間をやりくりする練習をさせる方がお勧めです。
そして、いよいよとなったときにも、
なるべく運動系の習い事は最後まで残すようにすると良いのではないでしょうか。
なお、こうした運動によるパフォーマンスアップ効果は、
1日10~20分を毎日というようなやり方が効果高めです。
野球とかサッカーにありがちな
土日に朝から夕方までまるまる運動みたいなのは、
時間対効果は低くなります。
ご相談をいただいたテニスのような平日1~2時間の運動だったらやめてその時間を勉強に充てるとかよりも続けた方が成績アップにつながりそうな気がしますが、
休日が半日~1日つぶれるような運動だったらやめてその時間を勉強に充てた方が成績はアップするんじゃないかなぁと思います。
だから野球やサッカーは早々にやめろというわけではありませんが、
その意思決定の際の参考にしていただければと思います。
ということで、
成績アップのためには勉強だけしておけば良いわけではありません。
勉強量・勉強のやり方も大事ですが、
それと並んで食事・運動・睡眠を通じて脳と体を育てることが大事です。
「勉強!勉強!!」と視野が狭くなってしまわないようにお気を付けくださいませ。
それでは!
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