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こんばんは。
おとといの出版記念セミナーの会場に
またしてもノートPCを忘れてきてしまった菊池です。
おかげでさっきまでやっていたオンラインHRで
慣れないPCを使うことになり、地味に困りました。
もうこれ系のネタ自分でも飽きたんですけど…
疲れがたまってるのかなー
世のお母さん方がスペアの水筒やお弁当箱用意してあるみたいに、
私もノートPCのスペアを用意しておこうか検討中です。
さて、今日は
「本気で頑張ることができない心のブレーキ」
についてのお話をしようかと思います。
やればできるはずなのに、
なんでちゃんとやらないの!?
子どもを見ていてもどかしく思ったことがある方って多いんじゃないでしょうか。
私も同じように、
生徒を見ていてもどかしくなることがあります。
その理由はいろいろあります。
例えば、我々が「やればできる」と思っているだけで、
本人は「どうせできない」と思っている。
だからやる気にならない。
そういう場合もあります。
拙著「やる気を科学(https://amzn.to/376QbdP)」に書いたARCSの
Confidence:自信を欠いている状態ですね。
そうであれば成功体験を積ませることで
自信を育ててあげれば良いということになります。
しかし、自信はある、
本人もやればできると思っている、
それなのにやる気になれない不思議な心のメカニズムが働く場合があります。
それが今回お話しする心のブレーキ
「セルフハンディキャッピング」
です。
小さいころから利発な子で
親からもおじいちゃんおばあちゃんからも
「あなたはやればできる」
と言われて育ってきた。
そして中学受験をさせることにして塾に通わせることになったけれど、
「勉強なんて何の役に立つの?」
と言いながら、テレビやマンガやゲームに時間を費やしてばかり。
当然のように成績は伸び悩み、
本人も受験向けて少し不安や焦りはあるけれども、
どうにもやる気が出てこない。
「我が家のこと!?」
と思う方も多いはずです。
あなたのお子さんはどうですか?
もしあなたのお子さんがこういった状態だったら、
あるいはこの先中高生になった時にこういった状態になってしまったら、
あなただったらどのように対処するでしょうか?
こうしたときに、
本人の言うことを正面から受け止めて、
勉強することの意義を伝えるとか、
将来の夢や目先の目標を考えさえるというのが正攻法な対応です。
ARCSのRelevance:勉強に対してのやりがい・やるべき理由を
見つけようということですね。
でもここでちょっと考えてみてください。
やる気が出ないのは、
本当に「何の役に立つか分からない」からなのでしょうか?
もし役に立たないからやる気がしないなら、
テレビやマンガやゲームに対してもやる気は起きないはずです。
見て良かった・やって良かったという終わった後の満足感(S)が無いから?
私の経験上、子どもたちは問題が解けたときは実に嬉しそうな表情をするものです。
もともと勉強が苦手な子であればそういう楽しさが無いのはわかります。
「やればできる」レベルの課題を与えてあげるなどの対応が必要でしょう。
しかし、今回想定しているのは「やればできるのにやらない子」ですから、
ちょっと話が違いますよね。
こういったときに疑ってみる必要があるのが、
やる気の出し惜しみである
「セルフハンディキャッピング」
です。
仮に成績が悪くても、
「自分は本当は頭がいいのだけれど、勉強しなかっただけだ」
といった言い訳の余地を残しておくことで、
プライドを守ろうとしているのではないか?
ということです。
人間には、
多かれ少なかれ、
自分の能力を高く見せたいという欲求があります。
それが脅かされる可能性があるときには、
わざわざ自分にハンディを課して、
そのせいにするという予防線を張っておくということがあるのです。
あなたの周りにも、
学生時代定期テストの前などに
「オレ全然勉強してないよー」
なんて言ってる人はいませんでしたか?
恥ずかしながら私はこういうことを言っているタイプでした。
実際に勉強していない人もいれば、
そう言いつつ裏ではちゃんとやっている人もいますが、
私は本当にやっていないタイプでした。
黒歴史…
で、こうなったときにやっかいなのは、
本人もこの「セルフハンディキャッピング」を自覚していない場合が多いということです。
私も自分のプライドを守るためにそんなことをしてたなんて
意識していませんでした。
こんなことをしていれば、
成績がどんどん下がりますから、
ちょっとやそっと勉強しても挽回できなくなります。
「本当にやらなきゃ!やろう!」と思っても、
どうにもならなくなってしまいます。
中3~高2くらいまでの間の私ですね。
そんな自分を守るために、
ますますやる気を無意識に封印することになります。
「やらなかったからできなかっただけだ」
「やればできたはずだ」
そう思い込んでいる状態は、
努力しなくても自尊心を保てるので、
ある意味心地良いのです。
ですが、
この「俺はまだ本気出してないだけ」をいつまでも続ければ、
いずれ自尊心が保てなくなるときがやってきます。
そうなる前に、
マインドを変えていく必要があります。
私の場合には大学受験が目前に迫り、
高校が受験ムードになっていく中で、
クラスメイトの仲間たちが
「菊池一緒にやろうぜ」
と声をかけてくれたことがきっかけとなりました。
先日の親ゼミでもお話しした
「関係志向」
が突破口になったわけです。
そういったきっかけを、
子どもたちに用意してあげたいですね。
また、私たち指導者や親といった子どもを導く立場にある者が、
意識しなければいけないことがもう1つあります。
子どもたちのマインドセットによって、
「セルフハンディキャッピング」
に陥りやすいタイプと陥りにくいタイプがいると私は考えています。
陥りにくい、
成績が上がっていきやすいマインドセットを子どもに持たせるために、
私たちはどんな声かけを子どもにしていけば良いのでしょうか?
長くなってきてしまったので、
続きはまた今度!
それでは!
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