ミスへの執着心を持たせる方法

こんばんは。伸学会の菊池です。

前回の記事【要注意!何度練習しても上達しない人の特徴】を公式LINEで配信したところ、「どうすればできるようになりたいと思わせられますか?」という感想をたくさんいただきました。

皆さん共通して悩むポイントなのでしょうね。

具体的にはこんな感じです。

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私自身ピアノを習っているので、確かにその通りだなと思いました。
小2の娘は言われたことは素直にやるのですが、やはり漫然とやっていて、勉強も習い事も、もっとできるようになりたいという気持ちがないように見えます。何度やっても同じミスを繰り返したりと、親の方がいつもがっくりしてしまいます。
気持ちや考え方を変えることは難しく、そのような子には具体的にどのような指導をしているのか教えてほしいです。
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間違えたところへの執着心ですね。ハッとしました。自分の子供のころのピアノ練習に足りなかったものでもあり、息子の受験勉強に足りないものでもあります。
間違い直し、の大事さをどうやって分かってもらうかに今困っています。
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目からウロコでした。
そうだったのか…と納得です。
できる人から学ぼう、と言われてもどこをどうやって、、と思っていましたが、
ミスの修正に対して執着心が強い事が秘訣なわけだったんですね。
それがなかなかできないんだけど、頑張りどころがわかって良かったです。
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ほか、同じような感想多数。

ということで、今回はこのご質問に簡潔に回答しようと思います。
   

解き直しを徹底するとか、間違えたところはゆっくり丁寧にやるとか、そういった良い学習法・練習法を実践するかどうかは、動機付けで決まってきます。

東京大学の市川伸一教授が学生たちの勉強に対してのモチベーションと勉強法の関係性を調べたところ、動機付けと勉強法の関係性がわかりました。

市川教授によれば、「勉強自体が楽しい」と思っている学生たちと、「成長することが楽しい」と思っている学生たちは、良い学習法に取り組む傾向が見られたそうです。

それに対して、「みんなとやるのが楽しい」「みんなに勝つのが楽しい」「怒られたくないからやる」「報酬がもらえるからやる」といった動機付けで勉強をしている学生たちは、良い学習法で勉強してはいなかったそうです。(悪い学習法をする傾向があったわけではなく、人によってバラバラだった)

ですから、もしあなたがお子さんを見ていて、勉強に対して「漫然とやる」「やっつけ仕事」「形だけ」「必要最低限」といった印象を受けるようであれば、
【私は果たして「勉強が楽しい」「成長することが楽しい」という気持ちを育てていくことをどれだけしてきただろうか?】
と振り返ってみましょう。

「ちゃんと勉強しなさい!」と指示・命令を出したり、やっていなかったときに叱ったりするやり方では、子どもは良いやり方で勉強したり練習をしたりするように変わってはくれないのです。

「そんなやり方じゃダメだ!」とやり方を叱ったり事細かに指示をしたりしたところで、「怒られないように」という動機で勉強している限り、いつまで経っても本質的な解決にはなりません。

もちろん最初はごほうび目当てで勉強したり、みんながやるから自分もやってみようかという気持ちで勉強したりするところから始めるのも良いでしょう。

叱られないようにやるのも必要な通過点かもしれません。

でも、いずれは「勉強自体の楽しさ」や「成長する楽しさ」に気付けるように導いてあげてください。

特におすすめなのは「成長」の方です。

その勉強が楽しいかどうかは好みの問題なのでコントロールが難しいですが、成長はコントロールが可能です。

私も伸学会で「成長にフォーカスをあてよう」「生徒の成長したところを見つけてあげよう」とスタッフたちに伝えています。

そして、スタッフから生徒達にも伝えさせています。

良いやり方を身に付けさせるには、まずは動機づけが大事。

動機づけの中にもいろいろ種類があり、どの動機づけで勉強するかで行動が変わる。

このことを今回のポイントとして覚えておいてくださいね。

それでは。