要注意!何度練習しても上達しない人の特徴

こんばんは。伸学会の菊池です。

1/31(水)発売の新刊の見本が一足早く私のところに届きました♪

今回の本は6冊目にして初めて子ども向けに書いた本となっています。

読みやすいように短くまとめたので、忙しいお父さんお母さんにも良いかもしれません。

これまでの著書には書いていない内容もいろいろありますので、知識のアップデートにもご活用ください^^

出版を記念して、1/31(水)22時からYouTubeライブ配信を行い、内容のご紹介をします。

また、それに合わせて、Amazon・楽天ブックス購入キャンペーンを行います。

購入していただける方は、ライブ配信のときに購入して盛り上げてください^^
  

さて、今回の記事では、勉強時間が短いのに成績が良い要領のいい子に育てる秘訣を1つシェアしたいと思います。

多くのご家庭ではお子さんにピアノやダンスやサッカーなどの習い事をさせていると思いますが、そうした習い事を通じて身に付けさせておきたい練習のやり方についての話です。
  

成長する練習法は、勉強でも運動でも楽器の演奏でも共通する部分が多いものです。

今回ご紹介するのは、音楽学者のロバート・デュークが行った、
「効果的な練習法とはどんな方法か?」
という研究です。

デュークはピアノを専攻する学生たちに、ある曲を自分で「弾けるようになった」と思うまで練習してきてもらいました。

そして、翌日にどれくらい弾けるかをテストしました。

学生たちが練習してきた時間には10分未満から1時間近くまでばらつきがあったそうです。

そして、翌日のテストの成績と、どんな練習をしてきたかの比較を行いました。

その結果分かったのは、
「練習時間が長くても順位が上がるわけではなかった」
「繰り返しの回数も順位には関係がなかった」
という事実でした。

ちょっと意外だと思いませんか?

そして、
「練習のときに間違った演奏をした回数が多いほど、順位は下がる傾向があった」
「練習のときに正確に演奏をした回数が多いほど、順位は上がる傾向があった」
ということも分かりました。

ここだけをパッと見ると、
「練習量じゃなくて才能があるかどうかで順位が決まるのか?」
と思ってしまいますよね。

最初から正確に演奏できる人が、順位が上なのか、と。
  

しかし、そうではありません。

デュークは
「練習中に採用された【戦略】が、ピアニストが練習した量や時間よりも、パフォーマンスの質を決定するものであることを示されました。」
とまとめています。

要するに、「練習の【やり方】の差が、うまい人とへたな人の差なんだよ」ということですね。

では、上位のピアニストたちはどんな練習の仕方をしていたのでしょうか?

それは、

・ミスをする度に失敗した部分の正確な位置と原因を特定し、改善するように注意していた
・曲を弾くスピードを様々に変化させ、難しいパートを正確に演奏するためにテンポを落としたり、うまく弾けるようになっているか確認するためにスピードを上げたりしていた
・ミスが直せたことを確認するために、演奏が安定するまで間違った部分の練習を繰り返していた

といったやり方だったそうです。

うまいピアニストはミスの修正に対して執着心が強く、
失敗した場合にはその場ですぐに正しい弾き方ができるように練習していたようですね。

それに対して、へたなピアニストは、ミスをしてもとりあえず最後まで弾いたり、課題意識を持たずに漫然と反復練習を繰り返していたようです。

つまり、同じミスをしないように失敗から学ぼう・改善しようとする意識の有無の差が、うまい人とへたな人の差になっているということですね。
(参考:https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0022429408328851)
  

これって勉強でも同じことが言えると思いませんか?

問題演習をしていれば、解けない問題は必ずあります。

その間違えた問題にどう対処するかが、成績が伸びること伸びない子の差になります。

できないことをできるようにする。

このことに、あなたのお子さんはどこまで執着心を持てていますか?

テストのときにも、時間が足りなくて解ききれなかった問題は答えを見る前に続きを解いてみることをしていますか?

先ほどのピアニストたちも、
「まずはゆっくり弾いてみる」練習をした人ほど上達していましたが、勉強でも「まずはゆっくりでもいいから解いてみる」は大切な取り組みです。

また、知らない解法・知らない知識があったら、しっかりその場で覚えていますか?

関連事項まで合わせてまとめて覚えられるとなお良いですね。

「宿題だから仕方なくやる」という程度の意識で、
漫然と問題を解いているだけの子は残念ながらとても多いです。

マルつけを忘れるような子はその時点で成績アップの見込みはありません。

私たちもしつこいくらい指導していますが、それでもなかなか変わらない子が多いのですよね。

これはその子の「考え方」から出ている行動なので、「考え方」が変わらない限り同じ行動を繰り返します。

失敗から学ぶことは、勉強・音楽・スポーツを通じた上達の秘訣です。

子どもには早い段階でミスしたときの対処法を身につけさせたいものですね。

こうした習慣や考え方は、勉強だけでなく習い事を通じても身につけさせることができるものです。

習い事で身につけさせておいていただけると、受験勉強をするときにも有利に働くでしょう。

逆に、勉強で身につけさせることができれば、それをスポーツや音楽で生かすこともできます。

様々な経験から、お子さんを「上達が速い子」に育てていきましょう。

それでは!

p.s.
私の新刊には、上達が速い子になるための秘訣をぎゅっと詰め込んであります。

ライブ配信での内容紹介をお楽しみに!