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こんばんは。伸学会の菊池です。
年が明けたと思ったら、あっという間に2週間も経ってしまいました。
時間が経つのは早いですね。
あなたは2024年を迎えるにあたりどんな目標を立てましたか?
早くも挫折してしまった目標もあるのではないでしょうか。
もし挫折をしていたとしても気に病む必要はありません。
新年の目標は8割以上挫折をするものだと相場が決まっています。
達成できる人なんで、5人に1人もいないんですね。
何故多くの人は挫折していまうのでしょうか?
それは目標を達成するための行動を継続できないからです。
目標に向けて努力を始めても、三日坊主に終わっては達成までたどり着けません。
努力を習慣として続けられるようにできて、はじめて目標は達成されます。
ですから、習慣の作り方を知っておく必要があるのですね。
習慣を作るために効果的なコツはたくさんあるのですが、その中で今日お伝えしたいのは、目標設定を「意志力が発揮されやすいような形」にするというものです。
意志力と言えば、年収や人生の満足度とも強い関りがある能力なのは有名な話。
ぜひとも子どもの意志力は鍛えてあげたいものです。
しかし、誰もが経験しているように、意志力は鍛えたところで脆いものです。
意志力の鉄人と言えど、誘惑に負けるときは負けます。
ムキムキに鍛えて人類最強になったところで、ライオンやワニといった大型肉食獣と真正面から戦っても勝てないのと同様。
「勉強するぞ!」と誓ってもテレビを見ちゃうし、「痩せるぞ!」と目標を立ててもお正月は特別といってお餅をたくさん食べてしまいます。
欲望の数々は、獰猛な肉食獣みたいなもので、戦っても勝てないものなのですね。
なぜこんなにも人間は意志が弱いのか?
きっとあなたも不思議に思うんじゃないでしょうか。
しかし、人類の数百万年にわたる進化の歴史を考えると、実は意志が弱いのは自然なことだとわかります。
私たち現代人が抗おうとしている欲望は、私たち人類の脳の仕組みがだいたい出来上がったと言われる20万年前には、「抗うべきもの」ではありませんでした。
たくさん食べたいとか、怠惰に寝て過ごしたいとか、これらは食料が少なかった時代を生き抜くための最適な戦略です。
成績を上げたい、いい仕事につきたい、貯金をしたい、などの目標も狩猟採集時代には存在しなかったものですから、それに向けて意志力が働くようには私たちの脳は進化していないんですね。
そこでオススメしたい伸学会的な戦略が、「私たちの脳のデザインに沿った目標設定法」です。
具体的には、「他者のためになる」「他者に感謝できる」という、共同体に貢献する意識を刺激するような目標設定です。
なぜこれが効果的かというと、私たち人類の祖先は仲間と助け合うことで過酷な自然の中を生き抜いてきたので、種の存続につながるような状況で意志力が発揮されるようにできているからです。
家族や友人や、その他の共同体の仲間の役に立つ場面こそが、私たち人類が最も意志力を働かせられる状況というわけなんですね。
こうした「他者のために」みたいな話ってただの理想論だと思われがちですが、実際に近年の心理学においては「感謝」や「思いやり」といった感情の力のすごさが研究によって解明されてきています。
私の著書の「習慣が9割(https://amzn.to/3Gr6lNZ )」でも5章と6章で「感謝」の力を活用して意志力を引き出した研究例を紹介しました。
まだご覧になっていなければぜひ読んでみてください。
他にも例えば「他者への思いやり」によってドーパミンが増えてやる気が高まり、さらには幸福感が高まったことを示す研究もあります。
カリフォルニア大学特別教授のリュボミアスキー博士らが、473人の実験参加者たちを4つのグループに分けて、それぞれに
① 社会的に役立つ行為をする(ゴミ拾いなど)
② 特定の他者へ親切にする(友人の手伝いをするなど)
③ 自分に親切にする(欲しいものを買うなど)
④ いつもどおりに行動する
といった行動をしてもらいました。
その結果、6週間後には①②のグループの人々の幸福感が大きく上昇しました。
また、気分も大きく改善して、メンタルの不調が治った参加者も多かったそうです。
他者に親切な行動をすることで、脳が「仲間のためになった!」と快感を感じ、ドーパミンが放出されてモチベーションが高まり、メンタルも改善されるという結果になるんだそうですね。
一方で、自分に親切にしたグループには大きな変化は無く、いつも通りに行動したグループと同じだったそうです。
ですから、子どもには「自分のためにちゃんと勉強しなさい」と言うよりも、「勉強することがどう他者に貢献するのか考える」ことをさせたいですね。
ということで、伸学会式の目標達成法として、共同体に貢献する意識を刺激するような目標設定をすることをオススメしたいと思います。
もちろんこれは自己犠牲を強いるとか、我欲を捨てさせるとか、そういった話ではなく「自分の目標達成について他者目線でとらえ直してみる」ということです。
例えば「タバコを止めて健康になろう」と考えるよりも、「子どもに副流煙を吸わせないようにしよう」と思った方が意志力を発揮しやすいということです。
「痩せて健康になろう」という目標も、「自分のために」だけでなく、「子どもの成長を見届けるためにも」と考えると良いということですね。
伸学会でも、生徒指導をする上で、「成績が上がったり、受験に合格したりしたら、お父さんお母さんはどんな反応をするか想像してみよう」と伝えています。
他者が喜ぶところを想像することが、意志力を引き出すことにつながるのですね。
こうしたことを知らないと、子どもに「自分のためなんだから」「あなたの将来のためなんだから」ちゃんと勉強しなさい!と言ってしまいますよね。
それは子どもの意志力を弱めてしまう声かけです。
知らないことってもったいないことだし、怖いことですね。
ぜひ、お子さんの意志力を引き出す声かけの方法を実践していってくださいね。
それでは!