失敗しない志望校選びの見落としがちなポイント

こんばんは。伸学会の菊池です。

今回の記事では、そろそろ入試本番が近くなってきて受験校を確定させなきゃいけない時期ということで、志望校の選び方についてのお話をしようと思います。

共学が良いのか男女別学が良いのか、校則が厳しいところと緩いところどっちの方が良いのか、面倒見が良い学校が良いのか自由度が高い学校が良いのか、人によって好みがわかれると思います。

これって良し悪しの問題ではなく、まさに好みの問題です。

面倒見が良いというのは裏を返せば管理が厳しく不自由さを感じることもあるでしょうし、自由度が高いというのは落ちこぼれる自由もあるということです。

メリットととらえるのかデメリットととらえるのかはそれぞれの判断ということになると思います。

そのことをふまえた上で、今回は「こういう学校が良いですよ」というお話ではなく、多くの保護者さんが誤解しがちなポイントについてお話しします。

正しい理解の元に学校選択ができるようになっていただければと思います。

その誤解しがちなポイントというのが、「合格実績」についてです。

今どきの親御さんであれば、私立大学の合格は1人で何校も取ることができるから、合格実績の数字は鵜呑みにできないということはご存知だと思います。

今回お伝えするのはそこではなく、週刊ダイヤモンドだのなんだのによく載っている、「コスパの良い学校」の不都合な真実です。

『中学受験でこんなに偏差値が低いのに、大学進学実績がすごい!この学校はコスパが良い!』

そんなことが書かれていると、魅力を感じてしまいますよね。

確かにその気持ちはわかります。

子どもの学力を伸ばしてくれるのは良いことです。

でも、どうやって伸ばしているのかを正確に把握しておかないと、入ってから後悔することになります。

学力は勝手に伸びることはありません。

この学校や塾に入れれば、親も子も努力しなくても学校や塾が子どもを賢くしてくれる。

そんな都合の良い魔法の杖やカボチャの馬車のようなものは存在しないことは、冷静に考えればわかりますよね?

子どもの学力が伸び、合格実績が出ているというのは、子どもがしっかり勉強しているということです。

問題は、子どもが勉強したいという意欲を持つような働きかけ・環境づくりを上手にしている学校なのか、それとも管理が厳しく無理やりやらされている学校なのかということです。

管理が厳しく無理やり勉強させらされている学校だと、勉強最優先で部活動や学校行事などの課外活動が楽しめず、学校生活がつまらないなんてことがありがちです。

ご存知のように、課外活動はただの遊びではなく、生徒の非認知的能力を育てる重要な機会です。

近年学力・学歴以上に重要視されている非認知的能力が育つ機会が少ないのは、もったいないことだと感じる方も多いのではないでしょうか。

さらには、勉強の管理に嫌気がさして、余計に勉強が嫌いになってしまって、全然勉強しなくなってしまう子も出てきます。

落ちこぼれされないための管理が、子どもの性格によっては裏目に出てしまうんですね。

そうしたことにならないようにするためには、やはりどんな学校かをよく理解したうえで進学することが大事になってきます。

厳しい管理も、それを本人が望むのであればまったく問題ありません。

行きたい大学があったり、なりたい職業があったりして、そういう理想の未来を掴むためにしっかり学力を伸ばしたい。

でも自分で勉強しようと思っても甘えが出てしまいそうだから、管理をしてほしい。

そう本人が考えるんだったらぴったりですよね。

甲子園に行きたいから練習が超厳しい甲子園常連校の野球部に行きます!
っていうのと同じです。

何となく入った野球部でそんな風にしごかれたら、「ブラック部活だ!」って反発することもあるでしょう。

入る側がそれを求めているかどうかは大事ですよね。


「強制」や「管理」は、何を強制し、何を管理するのかで、良し悪しが真逆になります。

「目的」の強制や管理は、苦しいものになります。

「お前は将来医者になって後を継げ」
「結婚したら専業主婦になって家事に専念しろ」
「中学受験をして有名難関校に進学しろ」
「お前は太っているから痩せろ」

こうした目的の押しつけは不快ですよね。

しかし「目的」に合意があった上で、そのための「手段」を強制・管理されるのは嬉しい場合も多いです。

先程の「野球部で甲子園を目指して厳しい練習」もそうですし、「ライザップでスリムな体を目指して厳しい運動と食事制限」もそうです。

管理が厳しいところに行くのであれば、その管理の目的が本人にとっても手に入れたい未来なのかは、よく考えておいてください。

親が「この子はサボる子だから管理の厳しいところに行かせよう」と本人の同意なく進学させると、進学後に成績不振や不登校などの問題につながりやすいので気を付けてくださいね。

勉強や大学受験に対して、意欲はあるけど自己管理が苦手な子は、管理が厳しい学校が合う可能性が高いです。

意欲はあっても、自己管理をしたいタイプの子は、管理が緩やかで自由度が高い学校の方が合うと思います。

そもそも意欲があまり無く、中学受験でも親が言わないと勉強をなかなかしないような子だったら、子どもが雰囲気にのせられて自然と勉強したくなる環境作りができている学校(例えばラーニングコモンズが整っている学校)が良いのではないでしょうか。


基本的に、合格実績というのは、入ってきた子たちの元々の学力が高ければ良くなります。
御三家と言われるような難関校の合格実績が良くても、そりゃそうだと思いますよね?
塾や予備校でも入会試験が難しくて賢い子しか入れないところの合格実績が良くても、それほど不思議なことではないと思います。
そうした中で、入学時の偏差値が低いのに合格実績が良いとなると、とても魅力的に見えると思います。
ただ、その数字だけを見て、お子さんと相性が悪い学校に進学させてしまわないように気を付けてくださいね。

充実した6年間が過ごせるよう、相性の良い学校を見つけられることを祈っています。
それでは!