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こんばんは。伸学会の菊池です。
先日YouTubeの方で、「賢い子の親が忙しくても絶対にしないこと」というテーマで動画を配信したのですが、もうそちらはご覧いただけましたか?
今回の記事はその続編で、時間の作り方についてのお話をします。
ただでさえ子育てって忙しいですよね。
そのうえ、近年は共働きのご家庭が増えていますから、家事・育児に使える時間がますます減って、忙しさに拍車がかかっていることでしょう。
こうした時間に追われている時というのは、人間は判断力が低下します。
時間だけでなく、お金や人間関係など、人は何かに「欠乏」しているときには、脳の機能が低下してしまうことが研究の結果明らかになっています。
例えば、インドで行われた農家の方たちを対象にした研究では、収穫前のお金が欠乏している時期はIQが大幅に低下し、収穫を迎えてお金に余裕ができるとIQが回復するという事がわかっています。
そして、子育て中の親御さんにとって、こうした「欠乏」は子育てにも悪影響を与えます。
アメリカの生活保護世帯を対象にした研究によると、フードスタンプ支給日前の時期は、子どもの非行が増えるそうです。
「欠乏」状態に追い込まれた親の「不適切な子育て」により、子どもの非行が誘発されるということです。
時間に追われていたり、お金のことで悩んでいたり、ワンオペ育児で孤独感を感じていたりすると、脳の働きが鈍ってしまって、「良い親ではいられなくなる」ということなのですね。
私たち大人が良き親・良き指導者でいるためには、自分自身のゆとりが大事なのです。
ということで、上記の動画の中では、子育てに忙しい親をより忙しくする、やってはいけないNG行動についてお話ししました。
例えばお金が無くて困っているときに、消費者金融から高い利息でお金を借りたらどうなりますか?
確かにその場はしのげるかもしれません。
しかし、借金に利息がついて、よりお金に困ることになるのはわかりますよね?
それと同じように、時間が無くて困っているからといって、これをやってしまうと、それは高い利息の付く借金となって、あとあと自分の首を絞めることになることがいくつかあります。
子どもがあなたの言う事を聞かなくなって、日常生活に様々な問題が発生して、余計な手間と時間とストレスが発生したり。
あるいは子どもが勉強苦手・勉強嫌いとなって、勉強をさせるのにこれまた余計な手間と時間とストレスがかかったり。
場合によっては塾代・家庭教師代がバカみたいにかかって、お金が飛んでいくこともあります。
逆に、頑張って時間を作ってその時間を投資することで、後になってたくさんの利益が生まれる子どもへの関わり方もあります。
子育ては忙しくて大変だからこそ、絶対にやってはいけない事、やった方がいいことについてお話ししましたので、ぜひ動画を見てみてください。
そして、今回の記事はこの動画の続編ということで、よりいっそう能動的に時間を作る方法についてお話をします。
あなたももし日々時間に追われているようでしたら、これを活用して時間の余裕を作ってくださいね。
まずそもそも時間が無くなる原因はどこにあるのでしょうか?
それは、「時間の使い方が下手」ということに尽きます。
これは「あなたは時間の使い方が下手」という意味ではなく、「人類はみんな時間の使い方が下手」なのです。
実際、アメリカの研究で、人々はどんな時間の使い方をしているのか調査したものがあるのですが、それによると、多くの人が主観的に仕事をしていると思っている時間と、客観的な仕事をしていた時間には大きな差がありました。
特に、自分は忙しいと思っている人ほど主観と現実の差は大きく、平均で週に20時間以上もの乖離があったそうです。
https://www.bls.gov/tus/
現代人は「やることが多すぎる」という感覚を持っている人が多いですが、実際に調査をしてみるとどこにも「やることが多すぎる」という事実はないんだそうなんですね。
生産性が低く必要以上に時間がかかってしまったり、何もしていない無駄な時間があったり。
そのせいで、「時間が無い」と感じてしまっているのです。
この研究を行っているロビンソン博士によると、人々は本当は30~40時間の自由時間を余分に持っているとのこと。
この主観と現実のギャップは人間の習性によって起こっていることなので、きっと日本においても同じことが起こっていると考えられます。
では、どうすればこの30~40時間の自由時間を使いこなせるようになるのでしょうか?
解決策の1つ目は、「ながら作業」「マルチタスク」をやめることです。
人間はながら作業・マルチタスクが苦手です。
音楽を聴きながら勉強をしたり、勉強中に届いたSNSのメッセージを読んだりしていたら、勉強をしても成果が上がらないのはあなたもご存じだと思います。
お子さんがそういうことをしていたらきっと注意をしますよね?
でも、自分の仕事について振り返ってみると、ついそうした「ながら作業」をしてしまっていたという人は多いものです。
SNSを見るような私的なことを仕事中にしないけじめある人でも、メールの着信通知が表示されるとそちらを見てしまったりすることもあります。
ある仕事をしているときに、他の仕事が気になって、同時にこなそうとしてしまうこともあります。
そうしたマルチタスクは仕事に対しての生産を激しく低下させます。
こうした非効率的な作業のやり方をやめるだけで、意外なほど時間の余裕が生まれるかもしれません。
私は最近はスマホの通知が一切表示されないように設定して、メルマガの記事を書いたりYouTubeの台本を書いたりする作業に集中できるようにしています。
なお、洗い物や料理をしながら会話をしたり、ジムでウォーキングマシンで歩きながら本を読んだりといった、一方では手足を動かしながら一方では頭を動かすようなマルチタスクは効率が悪くなったりはしないのでご安心ください。
2つ目のポイントは、「やらないこと」を決めることです。
これも子どもの勉強の効率アップの話に通じるのですが、ついつい人は「やること」ばかりに意識が向いてしまいがちです。
ちょうど今ぐらいの時期の6年生のご家庭はイメージしやすいと思うのですが、
「合格するためには、コアプラスもやった方が良いんじゃないか、メモリーチェックもやった方が良いんじゃないか、過去問も30年分はやりたい…」
みたいに「やりたいこと」「やった方が良いこと」をリストアップしていくと、とてもやりきれないToDoリストができ上がりますよね。
そうして「やりきれない!時間が足りない!」と「欠乏」を感じてしまうと、残念ながら脳のパフォーマンスが激しく下がります。
意気込んでやることリストを作りすぎると、かえってそれが仇になってしまうのです。
これは大人の仕事や子育てでも全く同じです。
やった方が良いことはたくさんあることでしょう。
それこそ、子どもにしてあげたいことなどは、考えればどんどん出てくると思います。
読み聞かせもしてあげたいでしょうし、キャンプなどの自然体験にも連れて行ってあげたいでしょうし、美術館や科学館などの文化体験にも連れて行ってあげたいんじゃないでしょうか。
勉強だって、もっと寄り添って見守ってあげたいですよね?
そうした「いつかやりたいこと」が積み上がるほど、脳のパフォーマンスが下がり、1つ1つのクオリティが落ちたり、必要以上に時間がかかったりしてしまいます。
ことによっては、自己コントロール力が低下して怒りっぽくなり、子どもへの対応がイラつきがちになり、ついついきつい言葉を浴びせてしまって、子どもが勉強嫌いになってしまったりもします。
せっかく時間を作って科学館に連れて行ったのに、親がちょっとしたことでイライラしてしまって、親子で全然楽しめない、なんてことになったら、何のために行ったのやら…
そうならないようにするためには逆の発想が必要で、「やらないこと」を決めていった方が良いのです。
今自分がやっていることの中で、うまくいっていないこと、効果がないと感じること、道具を使ったり他の人を頼ったりすることで解決できることを探してみてください。
例えば、「子どもの宿題チェック」などは、やろうと思っても時間が無くてできないとか、しようとするとケンカになりうまくいかないとかいったことがありがちです。
やろうと思ってもどちらにしろできないのであれば、やらないと決めてしまった方が良い親でいるための心のゆとりができて良いでしょう。
ケンカになってうまくいかないのであれば、せっかく時間を割いてやっていることが子どもに対してマイナスの影響を与えていてもったいない状況です。
うまくいくやり方を勉強して身につけていくことができればそれがベストですが、勉強する時間が作れないなら、いっそ宿題チェックは自分でやらずに学校や塾や家庭教師の先生に任せて自分は手放した方が、自分にもゆとりができて良いですね。
塾については、任せられるところと任せられない(見てくれない)ところがありますので、任せたいのであれば任せられるところを選ぶようにしましょう。
子どもに「わからないところを教える」というのも同様に、やりたいけどやる時間が無いなら開き直ってやらないと決めた方が良いです。
やろうとするとケンカになるなら、学校や塾や家庭教師の先生に任せた方が良いです。
家事や仕事においてもやらないことを決めてしまいましょう。
例えば、些細なことかもしれませんが、私はご飯を作るときに「忙しいときは手の込んだ料理は作らない!T-fal電気圧力鍋とホットクックをフル活用して手抜き料理をする!」と決めています(笑)
T-falさんもホットクックさんもどれだけ私の家事の時間を減らしてくれたかわかりません。
我が家にいるのはこの子たちです。
T-fal:https://amzn.to/3Yl2k9n
ホットクック:https://amzn.to/480faNs
本気でおすすめです。
どちらか1つに絞るなら、私はT-falの方がイチオシです。
内窯を買い替えるくらい使い倒しています。
調理器具以外にも、食洗器やお掃除ロボットなど時短につながる便利家電はいろいろありますので、活用していくと良いのではないでしょうか。
他にも、消耗品の買い物も、「そろそろなくなるから買わなきゃ」「あ、忘れてた」というのが続き、頭のすみっこに買わなきゃいけないものが残り続けていたりしたので、定期配送で自動的に届くようにして頭から追い出しました。
また、仕事においても、自分でやりたいと思っても、抱え込み過ぎずに人に任せていくことを意識しています。
教材の選定やカリキュラムの策定、ハロウィンパーティ・クリスマスパーティなどのイベントの運営、そのほかにもいろいろと、やりたいことはたくさんあるんですけどね。
任せることが大事ですね。
この「やらないことを決める」というのは、実際には難しいものですよね。
「やらないと決めた方が良い」と私に言われても、なかなか開き直れないんじゃないかと思います。
そこで、開き直るために効果的なのが、「セルフ・ディスタンシング」というテクニックです。
これは要するに、「自分の悩み事を遠くから他人事のように見る」ということです。
自分にとって仲の良い友人が同じ状況に置かれて悩んでいることを想像して、その人にするアドバイスを考えてみてください。
こうした「客観視」をすると、私たちの理性的な「2階の脳」がより働きだして、適切な判断がくだせるようになります。
3つ目のポイントは、「やらざるを得ない状況を作る」ことです。
いつかやろうと思っていていつまでもやらず、その事が頭の中でぐるぐるしているのが大きな問題を引き起こします。
やらないと決める方が大事なことも多いですが、先延ばしにしないでとっとと終わらせてスッキリさせるのも効果的な方法です。
例えば、子どもを自然体験や文化体験に連れて行こうと思っていてもなかなか行けないといった悩みであればスケジュールを決めて予約をしてしまうというのも1つの手です。
私はそれ系の悩みの解決で言うと、妻や伸学会スタッフとジムに行く曜日・時間を約束しておいて、その時間に行かざるを得ないようにしています。
いつ行こうか考えて頭をぐるぐるさせる必要がないようにしているということです。
他にも、毎月固定でセミナーに通って勉強しています。
動画受講とかだといつでも見られるから結局長い間見ないままなんてことがけっこうあったので、今はもう必ずその日に行かなきゃいけないようにしています。
動画だと「見る時間が無いなー」なんて思うわけですけど、完全に勘違いですよね。
実際に通うことができているわけですから。
最初の方でお話しした、「多くの人が時間が無いと主観的には思っているけれど、実際にはそんなことが無い」という良い例です。
本当は時間の作り方が下手だっただけなんですね。
固定で通うことによって、時間を作らざるを得ないようにして解決しました。
あなたも、忙しくて大変でも、それでもよく考えたうえでどうしてもやりたい事であれば、子どもや他の誰かとの約束にしたり、固定でやらなければいけないスケジュールにしたり、一部を自動化したりすることによって、やらなきゃいけない状況にしてしまうのは良いと思います。
試してみてください。
以上、忙しい親御さんにやってほしい時間の作り方3選でした。
「実際に時間が無いこと」ではなく、「時間が無いと感じること」で脳のパフォーマンスは下がり、ますます時間不足が加速していってしまいます。
今回お伝えした3つのテクニックを上手に使って、脳の働きを取り戻し、良い子育てができるコンディションを維持してくださいね。
それでは!
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