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こんばんは。伸学会の菊池です。
以前軽く話題にした伸学会で働く教育虐待サバイバーの話を聞いて、動画をYouTubeにアップしました。
まずはこちら↓をご覧になっていただきたいのですが…
ざっくりハイライトをお伝えすると、
・親に対して殺意を持っていた
・世界で一番嫌いなのが父親だったので、父親より上の大学に合格できなかったら自殺しようと決めていた
・第一志望の大学に合格した時より、併願校の1つに最初に合格した時が一番うれしかった。これで死なないで済むと思ったから
という話でした。
幸い大学受験で熱血講師と出会い、恩師のおかげで気持ちを切り替えて頑張ることができたそうですが、もしその先生との出会いが無ければ本当に自殺していたかもしれません。
実際、高校生の自殺の原因の中で、勉強や進路に関する悩みはいじめよりも圧倒的に多いです。
厚生労働省のデータによると、例えば高校生男子においては、いじめが原因の自殺は0.4%です。
それに対して、入試に関する悩は5.2%、その他進路に関する悩み11.9%、学業不振が13.0%と、勉強関係で追い込まれて自死する子の方が圧倒的に多数です。
また、家庭問題に目を向けると、親子関係の不和による自殺が6.1%、家族からのしつけ・叱責による自殺が3.6%もあります。
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/r4h-2-3.pdf
ちなみに、小学生男子の自殺の理由になると、「家族からのしつけ・叱責」が圧倒的1位で25%もあります。
小学生女子の自殺の理由も「家族からのしつけ・叱責」が1位で20.0%、「親子関係の不和」が2位で18.3%です。
子どもがいじめにあって自殺をしたというニュースを見て、心を痛める親御さんは多いと思います。
でもその心配をするのであれば、子どもを叱責すること、親子関係が悪化すること、そして勉強に関して子どもを追い込むことは、いじめよりもずっとたくさんの子どもの自殺の原因になっていることを、知っておく必要があるのではないでしょうか。
あなたはお子さんに対して、「受験に合格できなかったら潔く死んでしまいなさい」と思っていますか?
もし思っていないのであれば、子どもにそんな決意をさせてしまう子育ての在り方は、絶対に避けなければいけないことです。
そうした状況に子どもを追い込んだ教育虐待とはどんなものだったのか、ご覧になった上で、あなたのご家庭の教育について大丈夫かどうか振り返ってみてください。
私も編集のためにこの動画を何度も見直し、あらためていろいろなことを考えさせられました。
その私の考えをお伝えしておきたいと思います。
T先生は動画の中で「親の気持ちも分かる」と言って許していますが、私が日ごろからお伝えしているように「気持ちを許す」のと「行動を許す」のは別の問題です。
気持ちはどんなことを感じても許されますが、行動にはしてはいけない行動があります。
T先生の親御さんがしたことは、「自分の気持ちの押しつけ」であり、それによって招いた結果は「子どもに自殺を決意するほど精神的に追い込むこと」でした。
これは「してはいけない行動」だと私は考えています。
確かにT先生のお父さんは子どものために自分の時間を犠牲にして頑張っていました。
でも、それはT先生が求めたものではありませんでした。
あなたも想像してみてください。
自分が欲しいといったわけではないのにプレゼントを押しつけられて、「高かったんだからちゃんと使え」「役に立つものだから使え」と言われたらどう思いますか?
例えば、姑や実の親からベビー服やベビーカー、その他子どもの物を押しつけられたら。
リクエストしたものをプレゼントしてもらえたら嬉しいものですが、親が選んで買ってきたものを押しつけられたら、迷惑だ、と感じる人が多いのではないでしょうか。
義理の親・実の親が自分のためを思ってしたことだとしても、不快だしストレスがたまるというのが普通のことだと思います。
まして、そのプレゼントを使わなかったら「死ね」「クズ」と言われたら。
あなただったどう感じますか?
T先生の親御さんがしていたことは、そういうことではないでしょうか。
親であれば子ども意思を尊重しない押しつけをして良いというわけではないし、それは子どもが成人しているか未成年かも関係ありません。
相手のためを思えばこそ、相手の意思を尊重する関わり方をする必要があります。
もう1つ、T先生のお父さんがしていた、「子どもに期待を押しつけて、期待に応えないと興味を無くす」というのは、子ども自己肯定感を大きく傷つけるやってはいけない子育ての典型です。
こちら↓の動画で詳しく説明しています。
・お子さんは大丈夫?愛情不足の子ども5つの特徴【教育虐待/アダルトチルドレン】
https://youtu.be/3LrTXCjyIIQ
この点にも、分かりやすく問題がある子どもへの関わり方だったなと感じました。
こんなにしてあげてるのに…
そう思ってしまう気持ちはわかります。
繰り返しになりますが、そう感じてしまうことは仕方ないことだし、許されることです。
でも、その気持ちを子どもに押しつけることは、親も子も不幸になる子育ての在り方です。
あなたのご家庭では気を付けてくださいね。
それでは。
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