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こんばんは。伸学会の菊池です。
前回・前々回と算数力を伸ばす方法のお話をしたので、今回は国語力を伸ばす方法についてお話しようと思います。
国語の成績が上がらなくて悩んでいる子って多いですよね。
親御さんとしても何とかしてあげたいけど、どう教えて良いか分からないという方が多いのではないでしょうか。
かく言う私もかつてはそうでした。
私は元々算数・理科の担当として塾講師のキャリアをスタートしました。
この2つは比較的教えやすい科目です。
指導法を研究して実践した結果、生徒達の成績はぐんぐん上がっていきました。
しかし、国語の成績がネックになり、4教科では合格点に届かず、涙を呑む子が何人も出てきました。
なんとかしようと思い、国語のフォローも始めたのですが、はじめはどうして良いかわかりませんでした。
私は国語がとても得意だったからです。
高校時代には、開成の校内模試で国語は常に成績優秀者に名を連ねていました。
国語が得意ゆえに、自分がどうやって国語を解いているのか自覚していませんでした。
だからそれを生徒に伝えられませんでした。
そこで、国語が苦手な子にヒアリングをしてどこでつまずいているのかを分析したり、国語の指導法の本を読んで勉強したり、またその内容を生徒に伝えて実践の中で改善をしたりしました。
その結果、国語で良い成績を取るには、
「正確に読む力」
「速く読む力」
「覚えながら読む力」
「語彙能力・背景知識」
「言い換える技術」
「理由をたどる技術」
「比べる技術」
といった力が高いバランスで揃っている必要があるんだと気づきました。
どこかが欠けていると、そこがボトルネックになって点数が取れないようでした。
逆に、足りない部分に気付いて補ってあげると、ボトルネックが解消されて一気に成績が伸びたりします。
ですから、大事なことは、その子が苦手な理由をまずは特定してあげることだと思います。
世の中には国語の成績を上げる方法論がたくさんありますが、その子が抱えている問題点と合致しなかったら効果がありません。
もしお子さんの国語の成績でお悩みでしたら、「国語対策○○講座」みたいなものを受講させる前に、まずはお子さんの現状分析から始めてみてください。
なお、算数でも「空間認識能力」が低いと、問題の解き方の知識をどんなに教えても良い成績が取れないのと同じように、国語でも「正確に読む力」「速く読む力」「覚えながら読む力」「語彙能力・背景知識」が低いとどんなに技術を教えても良い成績が取れません。
そして、そうした空間認識能力や読む力や語彙能力などの土台は、作るのに時間がかかります。
ですから、すでに苦手になってしまってから手を打つよりも、低学年や未就学児のうちから早めに取り組んだ方が良いと私は考えています。
お茶の水女子大名誉教授の内田伸子先生の研究によると、幼児期の語彙能力は小学校の国語学力に因果関係を持って影響するそうです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eds/100/0/100_108/_pdf
語彙の豊富さが学力基盤になっているとのこと。
ですから、お子さんの語彙力をしっかりと育ててあげましょう。
伸学会の速読トレーニングは小学生以上が対象なので、もしお子さんが未就学児であれば他の習い事でも良いと思います。
内田先生の研究によると、語彙能力と通塾経験の有無との関連を調べたところ、習い事をしているか否かで語彙力に差が見られたそうです。
しかし、塾のタイプ、すなわち芸術・運動系か、進学塾や英会話塾などの学習系かでは差は無かったそうです。
何をやるかよりも、本人が主体性を持って楽しみながらやれるかどうかが大事とのことでした。
また、語彙能力は習い事の経験だけでなく、家庭の蔵書数の影響も大きかったそうです。
早期教育への投資額にかかわらず、家族が読書好きで、幼児期か読み聞かせを行い、子どもとの会話を楽しみ、家族だんらんを大事にする家庭の雰囲気があると、子どもの語彙は豊かになり、論理力を中心とした考える力も育っていくそうです。
読書と会話は語彙力を育てるために重要ですね。
伸学会では速読トレーニングをおすすめしていますが、それは早く読めるようになることで、読書を好きになってくれる子が多いからです。
多くの方は普段Youtubeなどの動画を見ていると思いますが、普段何倍速で見ていますか?
1.5~2.0倍で見ている方が多いのではないかと思います。
シンプルに、早いスピードで見る方がテンポよく進んで楽しくないですか?
もし0.5倍速で見てくださいって言われたら苦痛じゃありません?
読書が遅い子は、0.5倍速で本を読んでいるようなものなんです。
速読トレーニングで速く読むことができるようになったら、本を読むのが苦痛じゃなくなりそうですよね。
実際に読書が楽しくなったと言う子は多いです。
なお、正直にお伝えすると、速読トレーニングは、これだけやっても国語の成績がアップするとは限りません。
というか、多くの子は成績が上がりません。
速く読めるようになったところで、それだけではテスト時間を持て余すだけです。
普段の読書量アップにつなげてこそ、語彙力アップ→成績アップとつながり、本当の速読の価値が生まれます。
読書の楽しさを伝える働きかけをセットでするようにしていただければと思います。
もちろん、速読に通わせるのではなく、読み聞かせをしたり、子どもが音読するのを聞いてあげたり、他のトレーニングで読む力を育てるのも良いと思いますよ。
ちなみに、読むのが遅くて困っている、時間がたくさんあれば問題を解くことはできる、という子に関しては、速読トレーニングをするだけで国語の成績が上がるかもしれません。
そもそも伸学会が速読トレーニングを導入したきっかけは、ある生徒の国語の成績改善が目的でした。
国語でなかなか点が取れなくて、解き方を教えても改善が見られないので、いったいどうやって問題を解いているのかヒアリングしてみたのです。
その結果、なんと「本文を読まずに問題を解いている」という驚きの回答が返ってきました!
「読むのが遅くて、読んでいたら問題を解く時間が無くなるから、問題を見てその傍線部のそばだけ見て答えっぽいものを探している」とのこと。
本文読まないで問題解いてたら、そりゃ正解できるわけないよー(泣)
ということで、速く読めるようになる方法は無いものかと探してみたところ見つけたのが今伸学会で生徒たちにやらせている速読でした。
6年生の後半から大至急やらせたのですが、短期間でちゃんと効果が出てそれなりに速く読むことができるようになり、時間内に解き終わるようになって点数が上がりました。
そして無事に第一志望に合格することができました。
必要以上に速く読める必要は無いですが、少なくとも時間内に終わるくらいには速く読めるようにしておいた方が良いですね。
以上、国語の成績を上げる方法でした。
結局のところ、最も大事なのは語彙能力なのではないかと私は思っています。
速く正確に読めても、記述の書き方・選択肢の選び方を知っていても、本文の内容が理解できなければ意味が無いからです。
ただ、じゃあ語彙能力を伸ばすにはどうしたら良いのか?と考えたら、やはり読書をすることが最も効果的な方法だと思うのですね。
そして、読書を楽しむためにも、限られた時間でたくさん読むためにも、速く読めることは大事なことなんじゃないかなと思います。
ですから、まずは国語力アップの最初の一歩目として、伸学会では速読トレーニングをおすすめしています。
もし興味がありましたら、無料体験会に参加してみてくださいね。
それでは。
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