子どもの自己肯定感を育てるには? 

こんばんは。伸学会代表の菊池です。

少し前のことですか、新渡戸文化学園主催の「ハピネストーク」に登壇をさせてもらいました。
満員御礼になったそうで、視聴してくださった皆様ありがとうございました。

お申し込みできなかった方たちもいるそうなので、今回の記事ではそのセミナーの中でお話ししたことの一部をシェアしようと思います。

中学受験をするかどうかにかかわらず、全てのご家庭にとって大事な話ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね。


「ハピネストーク」でお伝えしたいくつかの内容の中で、私がかなり時間を割いてお話ししたのは、子どもの自己肯定感を育てようということでした。

自己肯定感というのは、わかりやすく言うと「自分で自分のことが好き」という気持ちです。

自分のことが嫌いな状態ってつらいものです。

自己肯定感が低いと人生の幸福度が下がるのは、科学的な研究結果を持ち出すまでもなく誰もが直感的にわかるのではないでしょうか。

学力が高いこと、学歴が良いこと、収入が多いこと、社会的にステータスがあること、そういったいわゆる「成功」よりも自己肯定感は幸せな人生を送るうえで重要なものです。

もちろん成功の度合いと自己肯定感はある程度相関するものではあります。

ただ、必ずしも自己肯定感が成功に伴うするわけではありません。

私の友人・知人の中にも、とても高学歴だけれども自己肯定感が低いという人はいます。

もし学力・学歴を高めるために自己肯定感が犠牲になったら、子どもに幸せな人生を送ってもらうという目的からすると本末転倒なのですね。

ですから、中学受験をするために親が子供をサポートする上で、自己肯定感を高める関わり方をしていくことが大切なのです。


そのために必要な心構えとして覚えておいてほしいことは、まとめると1つです。

お子さんに無条件の愛を注ぐこと。

シンプルに言うとそういうことです。

勉強を頑張っていたり、テストで良い成績を取ったりすると、子どもに優しくしたくなりますよね。

それは決して悪いことではないのですが、お子さんに「良い子にしているときだけお母さん(お父さん)は自分を大切にしてくれる」と思わせないようには注意しなければいけません。

「自分はどんな時でも大切にされている。厳しいことを言うのもそれはお母さん(お父さん)が自分の事を大切に思っているからだ」と伝わるようにしなければいけないのです。

そして、そのためには、子どもを叱らなければいけない場面において、存在や人格を否定するような叱り方ではなく、行動にフォーカスした叱り方をすることを心がけましょう。

「あなたはどんなときでも素晴らしい子だし、私にとってとても大切な存在だよ。でも、素晴らしい子のする行動はすべて良い行動なわけじゃない。行動には良いものと悪いものがある。悪い行動は良い行動に変えていこう。」

これがきっとあなたがお子さんに伝えたいメッセージなはずです。

「あなたは怠け者だ」
というような叱り方はもちろん、
「どうしてこんな問題も解けないんだ!」
「どうしてちゃんと約束が守れないんだ!」
といった叱り方も、相手からすると自分の能力や人格が否定されたように感じられる場合があります。

「どうしたらこの問題が解けるだろう?」
「どうしたら約束が守れるようになるだろう?」
そんな風に子どもに寄り添って、一緒に解決しようとする姿勢を見せてあげてください。


そして、子どもの良いところを探して、子どもの事を好きな気持ちを再確認するのも良いと思います。

ハピネストークのときにも、参加者の方から「指導者として、子どもに無条件の愛を注ぐときにしていることを教えてください」と質問をされました。

私がしているのもまさにそれで、子どもの良いところを探して、その子のことを好きになるということです。

相手のことを好きになると、自然と表情にも言葉にもその気持ちが表れて、相手に伝わりますよね。

私たち指導者も、宿題をやってこない子や、やっていても手抜きな子を叱らなければいけないことが多々あります。

期待を裏切られ、がっかりすることばかりです。

チェックをすればするほど悪いところが目につきます。

子どもなんて未熟なんですから、そりゃそうなんですよね。

だから、悪いところばかり見てその子のことを嫌いになってしまわないように、意識的に良いところを探して、見るようにしています。

伸学会全体の取り組みとしても、「スーパースター表彰」というのを毎月ニュースレターで行っています。

(※こちらは一般公開用なのでイニシャルですが、塾内に配布するものは実名です)

これって「良い成績が取れた」とか「宿題の取り組みが良い」みたいな、良い行動をしていたから表彰されるというのももちろんあるんですが、「この子を盛り上げたいから何かこの子の良いところを探す」みたいな逆の順番もあるんですね。

スーパースターに選ばれた子は、それが自信になって頑張るようになってくれることが多いです。

そして、実は我々講師の側でも、「この子の良いところを探す」という意識で生徒を見られるという点で、良い効果があるなと思っています。


夫婦とか親子だと、そばにいるからなおさら嫌なところ・悪いところがよく見えてしまいますよね。

意識的に良いところを探すというのはおすすめです。

そして、「我が家のスーパースター」として表彰したりするのは一層おすすめです。

ぜひやってみてくださいね。


最後に、子どもの自己肯定感を育てるのと同じくらい、あなた自身の自己肯定感を育てることも大切にしてください。

中学受験なんてやってると、勉強をめぐって親子ゲンカをしてしまったりすることもありますよね。

保護者セミナーでも、「つい子どもをきつく叱りすぎてしまって、後になって自己嫌悪に陥ります」というお悩みも多いです。

「自分なんかが親でこの子に申し訳ない」
「他のちゃんとした親に育てられたら、この子はもっと良い子になっていたのだろうか」
そんな風に思うことがあると言う方もいました。

自己嫌悪、まさに自己肯定感の真逆の状態です。

そこから脱出していきましょう。

子どもに対して「怒れる」というのは、それだけ子どもが大切だからです。

「怒り」という感情は実は存在しなくて、それは「強い感情」なのですね。

「強い悲しみ」「強い失望感」「強い悔しさ」そういったものを私たちは「怒り」だと感じます。

そして、そうした強い感情を抱くのも、子どもに対しての思い入れがあるから、お子さんの事を愛しているからこそなんです。

だから、子どもに対して怒ってしまったときにも、「自分はこの子のために本気になれている良い親だ」とまずは思うようにしてください。

そして、子どもに対して
「あなたはどんなときでも素晴らしい子だし、私にとってとても大切な存在だよ。でも、素晴らしい子のする行動はすべて良い行動なわけじゃない。行動には良いものと悪いものがある。悪い行動は良い行動に変えていこう。」
と伝えるのと同じように、

「自分はどんなときも素晴らしい親だし、この子にとって必要な存在だ。でも、素晴らしい親がする行動が良い行動なわけじゃない。悪い行動は良い行動に変えていこう」
と行動にフォーカスして改善法を考えるようにしましょう。

改善をするためには勉強することも必要です。

この記事を読んで、子育てのヒントを学ぼうとしているあなたは、きっとそのことをよくご存じだと思います。

ちゃんと勉強すれば、正しいやり方を身につけることができます。

自分の自己肯定感と子どもの自己肯定感、どちらもしっかり育てていきましょう。

そして、親子で幸せになってくださいね。

それでは。

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