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こんばんは。伸学会の菊池です。
先日、中学生の生徒と話をしていて、AIに文章を書かせるという話が出てきました。
現在ChatGPTというサービスが注目されていますが、中学生の子がサラッとそれを使っていてちょっと驚かされました。
使い道はAIにエロ小説を書かせるという、なんとも男子中学生らしい使い方で笑ってしまいましたが、そうやって遊びを通じて最新のツールを使いこなしているところに若い世代の強さを感じました。
大人がセミナーを受講したり研修を受けたりして身に着けるスキルを、彼らは遊びながら身につけてしまうのです。
すごいですよね。
文章を書くだけではありません。
AIは絵を描くのも上手です。
こちらは私がAIに描かせた「ギターを演奏するネコ」です。
続いて、勉強する男の子と女の子の絵。
違ったタッチで2パターン。
こんな絵が無料で、しかも数秒~数分で描けてしまいます。
自分の思った通りに書いてもらうためには、AIに伝わるように指令を出さなければいけないのでそれなりの難しさはあるのですが、自分でこの絵を描けるようになるために練習をするよりははるかに楽そうです。
ちょっとしたイラスト素材はAIで描いてしまえますし、記事を書く仕事もAIがやってくれますし、プログラミングのコードもAIが書いてくれます。
これまでAIに代替されなさそうと言われていたクリエイティブな仕事でも、どんどんAIに奪われる現象が起こっています。
以前から、「AIの成長はどんどん加速していて、いずれ人間の知能を超える」といわれてきました。
AIが人間の知性を大幅に凌駕すれば、それにより社会や生活に劇的な変化がもたらされます。
この転換点は「シンギュラリティ」と呼ばれています。
まだまだ先のことのように考えていましたが、予想よりも近い未来なのかもしれません。
そんな時代を生きる子どもたちに身につけさせたい力とはいったい何なのか?
少なくとも、「つるかめ算やニュートン算が解けます」なんて、なんの意味も無いことは間違いありません。
ですから、現代の教育者は、学校の先生も、塾の先生も、会社で後輩を指導する人も、子育て中の親も、教育とはどうあるべきか、何を身につけさせたいのか、よく考える必要がありそうです。
昔は確固たる正解があって、その正解を導くための自分の技を教えるだけで良かった。
例えば100年前であれば、自分が身につけた米作りの技術なり剣術なりを後進に伝えればそれでOKでした。
30年前であれば、問題集を渡してその解き方を教えれば問題無しです。
しかし、これからの時代はそうではありません。
私たち古い世代ができないことを若い世代に身につけさせていく必要があります。
教える側も正解を持っていない状態で、生徒や部下や我が子を成長させなければいけません。
自分はAIを使ってイラストを描くことができなくても、子どもはAIを使ってイラストが描けるように育てなきゃいけないんです。
これって想像してみるとなかなか大変そうですよね?
こうしたことを考えると、結局私たちが子どもに身につけさせなければいけないのは、失敗前提でチャレンジする姿勢と、失敗から瞬時に立ち直って改善をする姿勢ということなのではないでしょうか。
誰も正解を知らない状態で新たなスキルを身につける方法は、実際にやってみて失敗から学ぶしかないからです。
つまり、認知的能力よりも非認知的能力の重要性がより高まっているということです。
だから、どんなに偏差値が高い成績優秀な子でも、完璧主義に育ってしまっていたら台無しです。
完璧主義とは、完璧でないものを「受け入れられない」心の状態です。
自分の行動に高い基準での成功を求め、ミスをすることへの過剰な心配を持ち、それゆえに自分の行動に対して疑念を抱きがちです。
そして、
自分の力量を超える難しい問題を見るとやる気を無くしたり、
わかったふりをしてごまかしたり、
間違い直しを嫌がったりします。
また、間違いを恐れて、合っている保証が無いと先に進めなかったりもします。
質問をもってきて、「どんなふうに考えたの?」と聞いてみると、ちゃんと考え方がわかっているんです。
「それで合っているから続けてごらん」と後押しをすると、自分で解けてしまうんですね。
こういう子は結構多いです。
これはとてもまずい状態だとお分かりいただけますか?
こうしたマインドは変えていかなければいけません。
私たち古い世代が生きてきた時代では、失敗しないことに価値がありました。
しかし、時代がもうはっきりと変わってきています。
教育の在り方も、失敗しない方法を教えることではなく、失敗をポジティブに捉えて、失敗を糧に成長する方法を教えることにシフトしなければいけなさそうです。
それは塾だけでなく、家庭でも意識していくことが必要だと思います。
これからの時代において、私たち大人が培ってきた能力や価値観にはもうあまり意味が無くて、私たち自身も変わる必要があることを受け入れなければいけないので、なかなか大変ですが、頑張ってみてください。
脱!完璧主義!
失敗はナイスチャレンジ!
教育の最前線からは以上です。
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