根性論の科学的な根拠

先日模試の成績が悪かった生徒が「もう無理だ・・・」と弱音を吐いていました。

 

まぁよくあることですね。

 

あなたのおうちでも、お子様がうじうじメソメソしていることはありませんか?

 

本人の気持ちもよくわかるのですが、

 

しかし伸学会ではその振る舞いはNGとされています。

 

 

壁にも大きく「挫折禁止」を掲示し、弱気を取り締まっています。

 

その生徒にも大きな声で「やればできる!」を10回唱えてもらいました。

 

 

私たちはこれがとても大切なことだと考えています。

 

なぜなら、言葉には力があるからです。

 

それを示す研究にこんなものがあります。

 


エール大学の心理学者ジョン・バーグらは、

コンピューターの魚釣りゲームを用いて、

被験者を「資源ジレンマ」という状況に置きました。

 

自分が勝つためにはできるだけ多くの魚を釣ることが必要です。

 

しかし、池から魚がいなくなるほど獲りすぎてしまうと、

自分を含む全員がそれ以上釣りをすることができなくなってしまいます。

 

そのため、自分の得点が少なくなるのを承知で、

ある程度の魚はリリースしなければなりません。

 

魚を釣り上げるたびに、

自分の利益を優先するために魚をキープするか、

全体のためにリリースするかを選択することになります。

 

 

ゲームを始める前に、

被験者の一部には「協力的」「支援」「公正」「共有」などの語を使って文章を作らせました。

 

その結果、これらの被験者は、

ゲーム中はっきりとした自覚なしに協力的な態度を取りました。

 

これらの語を事前に見せられなかった対照群に比べ、

25%も多くの魚を池に戻したのです。

 

興味深いのは、これらの被験者は、

ゲームを協力的にプレーするようはっきりと指示をされた被験者と

ほぼ同数の魚を池に戻していた点です。

 

 

つまり、無意識の行動は、意識的な行動と同等の結果をもたらし得るのです。

 

バーグらは、学生にアルファベットのカードを使って単語をつくるパズルをさせるという実験も行っています。

 

被験者は、個室に一人で入り、インターホンで指示を与えられます。

 

パズル開始から2分後、被験者にパズルをやめるように指示を出します。

 

このとき、被験者の半分には、事前に別の課題を行わせていました。

 

「勝利」「努力」「習得」「達成」などの単語を探すというものです。

 

事前にこの課題を行った被験者の57%は、

中止の指示を受けた後もそのままパズルを続けました。

 

事前に課題を行わなかった対照群で続けた割合は22%でした。

 

「勝利」「努力」などの言葉が、被験者の意欲を高めたと考えられます。

 

 

(ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける――意志力を使わずに自分を動かす』大和書房、2013年 より引用)

 

言葉の力がよくわかりますね。

 

常に前向きで、力強い言葉を語っていると、

意識も無意識もそれに合わせた行動をしていきます。

 

強がりでもなんでも、ポジティブな言葉を使いましょう。

 

「難しい」ではなく「やりがいがある」
「忙しい」ではなく「充実している」

 

ものは言い様ですね。

 

 

伸学会では「挫折禁止」以外にも、

生徒に早い時期から「合格作文」を書かせるという指導も行っています。

 

自分が受験を終えて目標を達成したときの気持ちをイメージし、

そこから昔(実際には今)を振り返って、

「あのとき大変だったから今がある。頑張って良かった!」と作文に書かせます。

 

 

「勝利」「努力」「習得」「達成」、

そして「合格」を無意識の中に刷り込んでいきます。

 

こうすることで、子供たちの行動が少しずつですが変わっていくのです。

 

古典的ですが、「○○合格!」という目標を掲示するのも効果的ですね。

 

 

私たちがやっているこれらのことは、どれも簡単なことばかりです。

 

そして、理屈も簡単なので、応用の幅も大きいです。

 

ご家庭でもできますので、ぜひ取り入れてみて下さいね。

 

 

文責:伸学会代表 菊池洋匡

 

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参考文献
ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける――意志力を使わずに自分を動かす』大和書房、2013年