子供の自信(自己肯定感)の育て方

こんにちは。伸学会の菊池です。

今日は子供の自信の育て方についてお話ししていこうと思います。

Youtubeの方にアップした内容なんですが、
大事なことなので文章にも書き起こしてメルマガの記事にしました。

ほぼ同じ内容なので、
動画の方が良い方はそちらをご覧ください。

さて、
うち家の子はいつも自信なさげで、
何事にも前向きに取り組もうとできなくて、
どうしたらいいんだろう、とか

いつもおどおどしていて
もっと堂々としてくれたらいいのに、
どうしたらいいんだろう

とお悩みのお父さんお母さんは多いんじゃないかなと思います。


なぜなら日本人の子供って、
他国に比べて自信がない子の割合がすごく多いからです。

これも様々な調査でわかっていることですので、
ちょっと検索してみていただければ
あなたもすぐに確認していただくことができるんじゃないかなと思います。


さらに言うとこれって子供だけの話じゃなくて
大人でも一緒なんですよね。

日本人は自信がない人がほんとうに多いんですよ。


そのまま放っておくと、
あなたのお子さんも自信がないまま中学生高校生と育っていって、
自信がない大人になってしまう可能性が高いわけです。


ですから我々大人は
子供の自信をうまく育ててあげる方法を知っておく必要がありますよね。

自分に自信があれば
何事にも前向きにチャレンジすることができるようになります。

また自分の存在に自信があれば、
「生きていて幸せだ」という実感を持ちながら
日々暮らしていくことができます。


ですからぜひこの記事を最後まで読んで、
お子さんの自信の育て方を覚えておいてくださいね。



まず最初に、
「自信」って言っても2種類あるということをお伝えしておこうと思います。

この2つを混同しないでしっかり分けておくことはとても大事です。

「自信」のうちの1つは「自己肯定感」と呼ばれるものです。

「自分は愛されている」
「自分には素晴らしい価値がある」
といった、自分の存在そのものに対する自信が「自己肯定感」です。


2つ目は「自己効力感」と呼ばれるものです。

これは「やればできる」という自信であり、
自分の能力に対しての自信ですね。


この2つは似ているようで別のものです。

「自分なんて大した価値がないから、
 自分はみんなに愛される資格なんかないから、
 だから勉強くらいできるようにならなきゃ!」

と思って勉強はものすごく頑張っている。

そして実際に勉強ができるようにもなっている。

「やればできる」という感覚はある。
でも自分の存在には自信がない。

そういった状態って決しておかしくないですよね。


逆に、
「自分には素晴らしい価値がある!」
っていう感じで自己肯定感がものすごく高い。

そして
「だから別に勉強なんかしなくたっていいじゃん。
 勉強できるかどうかなんて人間の価値には関係ないでしょ」
っていう感じで勉強しない。

結果として実際に勉強できなくて、
「俺やってもできないよな。
 まぁそんな自分好きだしいっか」
っていう状態。

自己肯定感は高いけど、
自己効力感が低い。

そんな状態だって、
あってもおかしくはないですよね。


もちろん
「やればできる」「だから俺ってすごい」
みたいな感じで、
自己効力感と自己肯定感が両方足並み揃えて育っていく場合もありますが、
2つがバラバラに片方だけ高くて片方が低いということだってあります。

それぞれ育て方が違うので、
まずはここを分けて考えるということをできるようになってください。


今回の記事の中では、
「自己肯定感」の方、

「自分には価値がある」
「自分は素晴らしい存在なんだ」

そういった自信の育て方の方についてお話ししていこうと思います。


なぜなら、子供が「自分は幸せだ」と感じられるためには、
この先「自分は幸せな人生を生きてるな」って感じられるためには、
この自己肯定感の方が重要だからなんですね。


どんなに
「自分はやればできる」
「自分には高い能力がある」
と思っていても、

「自分の存在なんか価値がないんだ」
そんなふうに思っていたら、
それって結構辛い状態ですよね。

「自己肯定感」も「自己効力感」も両方大事ですけど、
どちらかと言えば「自己肯定感」の方が大事だと私は思っていますので、
この記事の中では「自己肯定感」の育て方についてお話ししていきます。

この「自己肯定感」の育ち方なんですが、
愛された経験、
自分が大切な存在として扱われていると実感できた経験によって育っていきます。

ですから我々大人はその子の存在そのものを大切にし、
存在そのもの愛していく、
ってことをしていけばいいんですね。

これだけだと「なんだ当たり前じゃん」と思うかもしれないですけど、
子育てをしていると、
ついつい子供のことを
「成績!成績!」
「勉強!勉強!」
というふうに見てしまい、
視野が狭くなってしまうことがあります。

中学受験の受験戦争に巻き込まれたらなおさらですね。

当たり前のことを
ちゃんと子供に伝えられなくなってしまうことが
起こりがちなんですね。


お子さんがまだ小さい方にはピンとこないかもしれません。

どれくらい成績のことで親の気持ちが振り回されるか、
予測も想像もできないと思います。

想像してもその想像を上回ります。

「えっ!?」
と思うのであれば、
「2月の勝者」っていう漫画かドラマをぜひ見てみてください。

中学受験のリアルなあるあるが詰まっています。

親子ゲンカ絶えません。
見るに堪えません。
やばいです。

あんな状態だったら
子供は自分の存在に自信なくしてしまってもおかしくないよな
ってことがご納得いただけると思います。

教育虐待とか他人事じゃないんですよ。

お子さんを愛しているのに、
お子さんの為を思ってやっているのに、
それが子供に伝わらないって、
お父さんお母さんとしてはすごく辛いことだし
不本意なことだと思うんですね。

ですから子供の自信を育てる、
自己肯定感を育てるために、
「やらなければいけないこと」と
「やってはいけないこと」は
いつも心のどこかに留め置くようにしてください。

そのお子さんの存在は、
そのまま無条件に愛して、
そしてそれを伝える。

これがやらなければいけないことです。

その対極にあるやってはいけないことがどういったものかというと、
「お子さんがよくできたときに愛して、
 そしてダメだったときには否定する。」
ということです。

成績が悪かったときに
「お前なんかダメだ」
「このままじゃろくな中学校に受からないぞ」
あるいは
「ろくな大人になれないぞ」
というふうにお子さんを責めることです。

これはありがちなダメなパターンですね。


一見すると良い事に感じませんか?

ダメだったときにはダメ、
良かったときには良いって伝えることって、
子供の成長のために必要だって思ってらっしゃいませんか?

でもこれをやってしまうと、
お子さんは自分の存在に自信が持てなくなってしまうんです。


勉強ができる自分には価値がある、
勉強を頑張っている自分には価値がある、
でもそれがなくなったら自分なんか価値が無くなってしまうんだ。

ちゃんと勉強しないと、
自分はお父さんお母さんに愛してもらえないんだ。


そんな風に思わせてしまう危険が
常に裏側にあるんですね。

自己肯定感を高めるためには、
条件付きでお子さんを褒めるということではなく、
無条件で褒めること、
どんなときでも褒めること、
「生まれてきてくれてありがとう」
と伝えることが大切です。


中学受験をするとなったら、
当然成績アップを目指していくことになります。

子供と一緒に二人三脚でやっていくうえで、
どうしてもダメだったところを叱らなければいけないっていうときには、
それとは別のところ、勉強以外のところで、
「生まれてきてくれてありがとう」
「あなたのこういうところが好きだよ」
ということを伝えてあげてください。

【こういうところ】というのは
優秀か優秀でないかといった基準ではなく、
性格や見た目といったものの方がむしろ良いです。

小川大介先生の書いた「見守る子育て」で紹介されていたワークで、
子供の素敵なところを50個書くというものがありました。

多くのお父さんお母さんは、
子供の素敵なところと言われると、
「歌が上手い」「かけっこが速い」といった
世間的に通用しそうな「かっこいい部分」を最初は考えると思うんですね。

でも、そういった長所は50個もあったりしません。
すぐにネタが尽きます。

それがこのワークの目的です。

世間的に見て「かっこいい部分」が無くなったその先に出てくるのは、
「とにかくかわいい」
「ご飯を食べると『おいしい!』と言ってくれる」
「親指の爪の形が素敵」
みたいな、
自分だけが知っている子供の素敵なところです。

これって、
お子さんの能力ではなく、
お子さんの存在そのものを愛していますよね。

それをしっかり伝えていくと、
お子さんの自己肯定感が育っていきます。


頑張ったときに愛情をご褒美にしてはいけません。

頑張ったら愛してもらえる。
頑張らなかったら愛してもらえない。

そういう状況で勉強させていくと、
結果として愛してもらうために頑張って成績は伸びるかもしれないですし、
受験に合格もできるかもしれません。

自己効力感:やればできるという自信も育つかもしれません。

でも、それをやってしまうと、
自己肯定感:自分は大切な存在なんだ、
自分は愛されているんだ、
そういう自信を損なってしまう危険性が高いです。

無条件に褒めるということを必ず合わせていくようにしてください。


そして、
叱るときにも存在の否定にならないようにすることが大切です。

あなたは素晴らしい存在だけれど、
あなたの行動には素晴らしいものとダメなものがある。

今回のこの行動はダメな行動だ。

これを明確にわからせる伝え方を
私たちはしていく必要があります。


自分の言葉でお子さんにうまく伝えることが難しそうなら、
「反省会」という形で、
「一緒にダメだったところを考えよう」
というスタンスでやっていくと良いでしょう。

そうして本人が自分で
「こういうところがダメだったな」
と気づけるように仕向けていくのです。


合格するためには
「こうしなければいけない」
「こういうことはしてはいけない」
そういったことはもちろん教える必要があります。

そのための方法として、
「存在や人格が否定された」
と子供に思わせるようなやり方にならないように注意してください。


私たちがそう思っていなくても、
相手にそう思わせてしまうことはあります。

コミュニケーションの難しいところですね。

上手なコミュニケーションのスキルを勉強していきましょう。


長くなってしまったのでまとめると、

①子供に幸せになってもらうためには、
 「自己肯定感」を育てることが必要

②「自己肯定感」が育つには、
 無条件に愛された経験が必要

③受験勉強の中で、
 「勉強を頑張らないと愛してもらえない」
 と思わせないためには、
 親や指導者の側に伝え方の技術が必要

ということでした。


子供のためには、
厳しく叱ってしつけなければいけない
と思っているお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。

子供のために、
自分もつらいけれど、
心を鬼にして叱っていたりしませんか?


やり方を間違えると、
子供のためにすらならず、
ただ親子でお互いにつらいだけになってしまいます。


成績が上がっても自己肯定感を下げたら、
子供は将来生きづらさを抱えて生きることになります。



自己肯定感を下げない叱り方があります。

さらには叱らなくても、
子供の行動を改善する方法があります。


子供に勉強することを求めるのでしたら、
私たち大人も、
そういったスキルを勉強していきましょう。


そうすれば、
ストレスなく子供を伸ばしていくことができるようになりますよ。

頑張りましょうね。

長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは。

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