寝ないで勉強すると成績が下がるぞ

先日オンラインクラスの生徒の保護者の方から、子供が睡眠時間の確保を意識するようになったとメールをいただきました。

これまで寝ることの重要性を教えてきたつもりだったそうですが、子供の心に届いていなかったとのことです。

そんな子が、ホームルームの授業をきっかけに、重要性に気付いて行動が変わったんだそうです。

嬉しいご報告でした。

遅くまでテレビを見ている/ゲームをしている/学校の準備がぐずぐず/宿題が終わらない/お風呂や歯磨きなど寝る準備になかなか着手しない、などなどなど。

子供はなかなか適切な時間には寝てはくれないものです。

中には子供が勉強しすぎてちゃんと寝なくて悩むなんてレアケースな方もいます。

先日も、お子さんが連日朝5時に起きて勉強しているので、朝6時にこっそり変えたなんてお話を聞きました。

なんてうらやましい悩みなの!?と思うかもしれませんが、その子の保護者の立場になってみたら、体を壊さないか心配になってしまうでしょう。

あなたのおうちではどうですか?

ということで今回の記事は、なかなか言うことを聞いてくれなくて手を焼いている方のために、上記のオンライン生にも「ちゃんと寝なきゃ」と思わせた、睡眠と学びの関係について取り上げてみたいと思います。

睡眠は、休息であると同時に学びでもあります。

眠っている間に人間の脳は1日にあったことを整理し定着させているのです。

最近はそういった話もいろいろなところで見かけることがあるので、聞いたことくらいはある方も多いかもしれません。

しかし、その実際の仕組みは、我々が考えるよりもだいぶ複雑です。

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分かれるということは皆さんもご存知ですよね?

ノンレム睡眠は、その中でさらに比較的浅い段階2と、それよりも深い段階3・4に分かれます。

眠ってすぐに訪れるこの段階3・4の深い眠りは、睡眠の中でも特に大切だと「スタンフォード式最高の睡眠」 (西野 精治(著) サンマーク出版 2017)でも散々強調されていました。

成長ホルモンの分泌が特に多いのがこの深い眠りの間だからです。

実はそれに加えて、学習という観点からも、この深い眠りには重要な意義があります。

この時間は、新しく学習した事実、覚えた漢字や英単語、歴史人物名や年号、そして数学や理科の公式などの記憶が行われます。

知識をしっかり覚えようと思うなら、この深い眠りの時間は欠かせません。

しかし不規則な生活をしていたり、寝る直前まで遊んでいたりして脳が興奮していたりすると、この深い眠りにたどり着けないことがあります。

例えば、友達が泊まりに来ていたり夜遅くまでおでかけしていたりすると、子供が興奮してなかなか寝ないことってありますよね?

ときどきなら良いですが、そういったことが頻繁にあったりすると、子供の健康にも学力向上にもとても悪影響です。

眠ってから90~110分くらいが過ぎると、今度は浅い眠り=レム睡眠が訪れます。

この時間ももちろん学力向上にはとても大切です。

レム睡眠の間は、パターン認識や論理的思考が強化されると言われています。

それにより、創造性を必要とする問題解決や、算数/数学の難問の解法に気付くこともあります。

理系科目の成績を伸ばしたいなら、レム睡眠の時間がとても大切になるでしょう。

こうして深い眠りと浅い眠りを2度ほど繰り返すと、深い眠りに落ちなくなり、比較的浅い眠りが続くようになります。

そして、レム睡眠とともに増えてくるのが、段階2の中間的な深さの眠り。

この段階2は運動に関する記憶の強化が進む時間です。

スポーツはもちろん、美術や音楽といった指先の繊細な動きをコントロールする作業、そして機械の操作といったスキルまで、あらゆる種類の運動の学習がこの時間に進むとされています。
(Carlyle Smith “Learning-dependent changes in sleep spindles and Stage 2 sleep” https://www.researchgate.net/publication/6876597_Learning-dependent_changes_in_sleep_spindles_and_Stage_2_sleep)

あらためてグラフを見るとわかるように、レム睡眠と段階2の眠りは目覚める少し前の時間帯に多く現れます。

算数ができるようになりたいと考えている子が、この時間を削って朝の5時から起きて勉強したりするのは、かえって成長が遅くなるとんでもない行動なわけですね。

吹奏楽部に、あるいはテニス部に入っている中高生が、朝の5時に起きて部活の朝錬に行ったりするようなことも同様です。

こういった早起きをしてトレーニングをすることは、早く寝て十分な睡眠時間が確保できて初めて意味のあることです。

「スタンフォード式最高の睡眠」が一時テレビなどでも取り上げられ、最初の90分が黄金の90分で大事にしなければいけないという話が有名になりました。

確かにそれも間違いではありません。

ただしそれは大人のビジネスマンが、忙しくて十分な睡眠がどうしても確保できないときの次善の策です。

子供の肉体的な、そして学力的な成長のためには、質が良いだけでなく、量的にも十分な睡眠が必要です。

そして、最初の方だけでなく、最後の方も(むしろ算数の成績を上げたいならこちらの方が)大事な時間なんだと覚えておいてくださいね。

ではどれくらいの睡眠をとれば良いのでしょうか?

広島県の教育委員会が5年生を対象に行った調査では、8~9時間の睡眠時間の子たちが最も成績が良かったそうです。

また、2011年にバルセロナ自治大学が6~7歳の小学生142人を対象に行った調査では、平均睡眠時間が9~11時間の生徒の成績は、平均睡眠時間が9時間以下の生徒に比べて高いこともわかりました。

低学年の子は10時間程度、高学年の子でも8時間半程度は寝るのが望ましいですね。

上記の表を見ると7時間を下回ると急激に成績が落ちています。

どんなに受験勉強が忙しくなっても、7時間半くらいは寝るようにしたいものです。

でないと、せっかく頑張って勉強したのに、それが成績向上に繋がらなくなってしまいますよ。

ということで、私たちは学習時間だけではなく、睡眠時間も管理・指導しています。

毎週ホームルームの授業で学習時間と一緒に睡眠時間もチェックし、フィードバックを行っています。

私たちの指導上の実感としても、よく学びよく眠る子は成長が速いです。

勉強をたくさんしたときほど、眠ることによる成長が大きくなります。

ですから勉強で夜寝るのが遅くなるのはもちろん、だらだらしていたりテレビやゲームやマンガで寝るのが遅くなるなんてもってのほかです。

子供はどうしても夜更かししがちなんで、しっかりと睡眠のメリットを伝え、保護者の方も手伝って早寝早起きの習慣作りを徹底していくようにしてくださいね。

文責:伸学会代表 菊池 洋匡


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