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先週のホームルームの授業のときに、日曜日にやった過去問のふり返りを生徒と行いました。
その様子を録画していたのですが、その子のふり返りがとても良かったので公開したいと思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。
こちらはKPT法というふり返りの方法がベースとなっています。
Keep:良かったので続けたいこと
Problem:問題があるので改善したいこと
Try:次回トライすること
を整理します。
まずKとPを洗い出し、そこから次のTを決めていくという流れですね。
問題点から次への作戦を考える流れは大事だと理解しやすいと思いますが、良かったことから次の作戦を考えることも実は大切です。
多くの子供、そして親が勘違いしていることに、「できることはずっとできるまま」というのがあります。
これは心理学用語で「流暢性の幻想」と呼ばれます。
そう感じるのが普通のことで、誰もがその幻想によって判断を狂わされることがあります。
それにより復習を怠り、できるようになったはずのことができなくなってしまうのです。
そこで、良かったことを維持するために、必ず「良かったこと・その理由・次に向けて」も考えさせています。
また、他にも大事な点として、自省する能力を育てるために、「改善策をこちらが提示するのではなく本人に言わせるように仕向ける」ということも意識しています。
成績は行動の積み重ねの結果です。
大切なのは結果よりも行動。
これは繰り返しお伝えしている内容ですね。
しかし、その行動すらも実は氷山の一角です。
目に見える行動・結果の下には、目に見えないその子の考え方や性格・能力がドーンと隠れています。
この部分に働きかけて変えていかなければ、結果だけ変えようとしても土台無理な話なのです。
だから、自省することが大切なんだという「考え方」、そして自省する「能力」を育てるために、本人の言葉を引き出すような誘導を心がけています。
子供の成長を加速させるためには、反省点と改善策を考えさせることが大切です。
ですが、子供が自発的に反省点と改善策を考えてくれることなんて、まぁ無いわけです。
それが天然でできる子は10人に1人いるかいないか。
ほとんどの子は行き当たりバッタリな行動をするか、言われた通りの行動をすることしかできません。
だからこそ、これができれば他の子と大きな差を作ることができます。
実際この子は4月から9月にかけて日能研模試の偏差値が12上がりました。
受験者が約1万人いて、その中の3000人ほどを追い抜いた計算になります。
土台をしっかり作れると成長が速いです。
ぜひあなたのご家庭でもKPT法を取り入れてみてくださいね。
最後に注意事項ですが、子供がうまくできなくても焦りは禁物です。
繰り返しになりますが、本人の言葉を待ち、引き出すことを心がけてください。
伸学会でも生徒全員がこれを上手にできるわけではありません。
良かった点・悪かった点・次回への作戦をここまでテキパキとは言えない子も多いです。
考え方や性格や能力は、変えるのには時間がかかるのです。
身長が伸びるのを待つのと同じ時間感覚で臨んでください。
そのときに、このKPT法を使うと、成長を促す良い刺激になるくらいに思っておくのが良いと思います。
模試や過去問のふり返りに限らず、普段からいろいろなことに使える方法ですから、ぜひ低学年のうちから少しずつやってみてくださいね。
文責:伸学会代表 菊池洋匡
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参考文献:ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける――意志力を使わずに自分を動かす』大和書房、2013年
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