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試験の前日に慌てて一夜漬け。
中高時代によくやっていました。
試験が終わるたびに、「次の試験こそもっと前から勉強しておこう。」
でも、そんな反省ものど元過ぎれば忘れるもので。。。
1か月前:まだいいや
1週間前:まぁいいや
3日前:もういいや
そんなことの繰り返し。
あなたは同じような経験はありませんか?
もしかしたら、逆に試験前に慌てて一夜漬けをしている子供に、
「もっと前からやっておきなさいよ!」と叱っている側でしょうか?
全部一気に勉強するより、毎日少しずつ勉強するようにした方が良いんじゃない?
そんな風に母に言われたことは何回もありました。
もちろんわかってはいるんですが、やる気がしないので仕方ありません。
なにしろ一夜漬けでもなんとか点数がとれているのです(赤点ギリギリも多かったですが笑)。
むしろ、覚えたことを忘れないうちに試験を受けられるから、
目先の点を取るにはお得だと思っていました。
しかし、そのツケは高くつくことになります。
実際私は、中1~2の頃は何とかそんな勉強でしのいでいましたが、
中3くらいからはどうにもならなくなりました。
その理由が今はよくわかります。
一気に覚えたことは、一気に忘れやすいのです。
テストが終わって1週間もすれば、記憶からきれいに消えてしまいます。
その結果、英語や数学などの積み重ねが必要な科目がどうにもならない事態に陥ったのです。
まさにツケがどんどんたまってしまいました。
そういった反省を踏まえて、
生徒には同じ時間学習するのであれば、
何回かに分けて間隔を空けた方が記憶が長持ちすると教えています。
では、どれくらい間隔を空ければ良いのでしょうか?
数時間?数日?数週間?
実は、これはテストまでの間隔によって変わります。
2008年、ニコラス・セペダという研究者が1354人もの被験者を対象に実験を行い、その結果をまとめました。
それによると、だいたい試験までの期間の20%程度の時間が経過したときに2回目を学習するのが効果的で、試験までの期間が長いほど割合が減少するそうです。
具体的には
1週間後に試験:1~2日後に2回目を学習
1ヵ月後に試験:1週間後に2回目を学習
半年後に試験:3週間後に2回目を学習
1年後に試験:1ヵ月後に2回目を学習
が最も成績が良かったそうです。
また、これよりもはるかに前の1980年代前半、
ピョートル・ウォズニアックという研究者が、
効率の良い学習サイクルを見つけるための実験を行っています。
彼は自分が英語を効率よく学ぶために、
最適な学習間隔を見つけようとして自分自身を実験台にしました。
学習しなければならないものを3つのグループに分け、
それぞれ間隔を空けてテストをし、
覚えていられる時間をデータとしてまとめたのです。
その結果、1度学習したことは2~3日は覚えていられることに気付きました。
そして、学習した翌日に1度復習すると、覚えていられる時間が1週間に延びました。
1週間後にまた復習をすると、今度は1ヶ月覚えていられるようになりました。
(参考:GARY WOLF, “Want to Remember Everything You’ll Ever Learn? Surrender to This Algorithm,” )
ニコラス・セペダの実験は、
もし1回しか復習しないとしたらいつやるべきかを示しています。
当然1年後の試験までに1回しか復習しなければ、
テストではまともな点数は取れません。
「他のタイミングで復習するよりはマシな結果になる」というだけです。
それに対してウォズニアックの学習サイクルは、
複数回復習することを前提に、
覚えた内容をそのままほぼ覚えていられる期間を調べたものです。
条件設定は違いますが、これらを合わせて考えると、
だいたい1日後・1週間後・1ヵ月後と復習すると良さそうだということが見えてきますね。
もちろん、本当に特に大事なことであれば、
もっと繰り返し繰り返し何度も学習すればより定着します。
しかしそれには学習計画の管理が複雑になるというコストがついてまわります。
それとのバランスを考えれば、
計画的な復習は2~3回くらいで終わらせるというのが妥当なラインではないでしょうか。
どうせ模試などでまた出てきて復習するという機会が必ずありますから。
最後になりますが、実際に子供に複数回に分けて学習させようとすると、
やるのを忘れていたということが多発します。
宿題(2回目の学習)をさせて、
時間を空けて解き直し(3回目)までさせるだけでもどれだけ大変かは、
教師も保護者もよく知るところです。
この「分散学習」は誰にでもできそうなことですが、
ちゃんと子どもにやらせるのはそれなりに難しいことなのです。
そう考えると、自己管理ができる子に育てることが、やはり最も大切なことですね。
文責:伸学会代表 菊池洋匡
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