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〇小枝にしばられたゾウの話
あるサーカスのゾウが、小さな小枝にしばられていました。
そのゾウの体は大きく、逃げようと思えば枝を折って逃げることは簡単です。
でも、ゾウは逃げません。
なぜなら、ゾウは「そんなことはできない」と思い込んでいるからです。
子ゾウのときに、しばられた杭がどれだけやっても抜けず、逃げられないことを学習したゾウは、逃げられる状況になっても逃げようとしないのです。
この話は有名な比喩で、ジェフ・トンプソンという作家が本にもしています。
あなたもどこかで同じような話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
他にも似たような話だと、「箱の中に入れられたノミは、箱のふたの高さ以上に飛ばなくなる」といったものもありますね。
〇小枝に心がしばられる仕組み
これは決して根拠のない比喩ではなく、科学的な実験によっても確認されています。
アメリカの心理学者マーティン・セリグマンは、イヌを3つのグループにわけて、こんな実験を行いました。
1つ目のグループのイヌは、動けないように固定して電気ショックを予告なしに与えます。
しかし、鼻先にあるスイッチを押すと電気ショックを止めることができます。
2つ目のグループのイヌも、動けないように固定して電気ショックを予告なしに与えます。
ただし、こちらのグループは、何をしても電気ショックを止めることができません。
3つ目のグループは、こういった比較用のグループで、こういった電気ショックによる訓練を行いません。
そのあと、セリグマンらは、イヌたちを柵で2つの部屋に分けられた実験箱に入れ、再び電気ショックを与える実験を行いました。
この実験箱の中で、電気ショックが流れるのは一方の部屋だけです。
柵を飛び越えて反対の部屋に行けば、電気ショックから逃れることができます。
このとき、最初の訓練とはちがって、電気ショックの予告を行いました。
電気ショックの前には部屋を暗くするようにして、もうすぐ電気ショックが来るとイヌたちにわかるようにしたのです。
その結果、第一グループと第三グループのイヌたちは、電気ショックの予告があると柵を越えて逃げました。
それに対して、第二グループのイヌたちは、電気ショックの予告があっても、逃げようとせずにじっと電気ショックに耐えていました。
逃げようと思えば逃げられる状況にもかかわらずです
〇あなたも小枝にしばられていませんでしたか?
あなたの子供時代にはどんな苦手科目がありましたか?
その苦手科目に対して、「どうせやってもムダだからあきらめよう」という気持ちになったことはないでしょうか。
例えば「私は数学が苦手だから、数学の勉強はあきらめて文系にしよう」とか。
私たちが生徒を見ていると、この「無力感」のせいで勉強をあきらめていてもったいないなと感じる子がたくさんいます。
目前にテストが迫っていると予告されて、勉強すれば悪い点数を取らなくてすみます。
それなのに、どうせ無理だと思って、悪い点数を取ってお母さんに叱られることにじっと耐えているのです。
あなたのお子さんには、できればこんな「無力感」は持たせないようにしたいものですね。
〇どう頑張っても無理だった経験が無力感を生む
子供たちに無力感を与えないために大事なポイントは、結果は自分の努力とつながっていることを理解させることです。
自分の努力と結果が無関係だと感じると無力感が生まれます。
ですから悪い結果があったときには、努力の量が足りなかったんじゃないか、努力の仕方がわるかったんじゃないか、そういったことを考えて改善できるように誘導していきましょう。
つまり、「原因帰属」の考え方を理解させることです。
そうやって「こうすれば良かった」がわかると、無力感は生まれません。
ただ失敗の経験をさせるだけで放っておくと、失敗は失敗の母になります。
失敗を成功の母にするためには、失敗の正しい受け止め方を教える必要があります。
ぜひお子さんに正しい受け止め方を教えてあげてください。
〇子供の叱り方悪い例
・「どうしてこんなこともできないの?」→子供は「自分の能力が無いからだ」と受け止めがち→能力が無いものはどうしようもない→無力感
・「だからちゃんと勉強しなさいって言ったでしょ?」→ちゃんとの中身が抽象的すぎて子供にはわからない→正しいやり方・正しい勉強量と、実際の自分のやり方・勉強量との比較ができない→どうすれば良かったかがわからない→無力感
良い例は
「「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法」
をお持ちの方は、3章の2項を参考にしてください。
まとめ
多くの子供は「無力感」のせいで、やればできることもやらずにあきらめがち。
そんな「無力感」を子供に与えないように、失敗したときには改善策がわかるように導きましょう。
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