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試験の前日に慌てて一夜漬け。
あなたはそんな勉強のやり方をしたことはありませんか?
漢字テストの前に、試験範囲の漢字を慌てて見るといった勉強はどうでしょうか?
正直に言えば、私はそういった勉強法を繰り返していたタイプの人間です。
試験が終わるたびに、「次の試験こそもっと前から勉強しておこう。」と思いました。
でも、そんな反省ものど元過ぎれば忘れるもので。。。
全部一気に勉強するより、毎日少しずつ勉強するようにした方が良いんじゃない?
そんな風に母に言われたことは何回もありました。
その母の助言は正しいものでした。
ですが、当時の私は覚えたことを忘れないうちに試験を受けられるから、テストで点を取るにはお得だと思っていました。
しかし、そのツケは高くつくことになります。
中1~2の頃は何とかそんな勉強でしのげていましたが、中3くらいからはどうにもならなくなりました。
その理由が今はよくわかります。
目次
一気に覚えたら一気に忘れる
このことは科学的に実証されています。
短期集中的な学習は、テストが終わって1ヶ月もすれば、記憶からきれいに消えてしまうのです。
そのことを示す実験にこんなものがあります。
サウスフロリダ大学のダグ・ローラーとケリー・テイラーが、大学生を被験者にして実験を行いました。
学生たちに世界の各国の都市の国と都市名の組み合わせを覚えさせます。
例えばそれはタララ:ペルーといったものです。
元々知っていたということを避けるために、事前の調査での正答率が平均1.4%だった、マイナーな都市ばかりが選ばれています。
このときに、学生たちはグループごとに分かれ、それぞれ5回または20回の答え合わせ付きのテストを行いました。
たくさん勉強させてもらえたグループは、4倍も勉強するチャンスがあったというわけです。
そして、勉強が完了した後、学生たちはさらに3つのグループに分かれ、1週間後、3週間後、または9週間後に確認テストを受けました。
その結果、テストが1週間後だった場合には4倍も勉強した成果は確かに見られましたが、
3週間たつと差はぐっと縮まり、
9週間たつとさらに差は小さくなっていました。

DOUG ROHRER, KELLI TAYLOR, HAROLD PASHLER, JOHN T. WIXTED and NICHOLAS J. CEPEDA “The Effect of Overlearning on Long-Term Retention” Appl. Cognit. Psychol.19: 361–374 (2005)より
4倍もの手間と時間をかけた甲斐があるとはとても言えません。
目先のテストを切り抜けることだけが目的というわけでなく、
覚えた内容を長期的に記憶していたいのであれば、
集中学習は得策ではないとわかりますね。
このような結果は、この実験のような単純な知識の暗記だけでなく数学のような考える問題でも同様だそうです。
私の場合にも、英語や数学などの積み重ねが必要な科目が、どうにもならない事態に陥りました。
まさに手抜きな短期集中学習のツケがどんどんたまってしまいました。
記憶に定着させるには分散学習を!
結局のところ勉強をした内容を定着させるためには、復習が不可欠です。
何度も繰り返すことで、学習したことが身についていきます。
ただし、その復習は、一気に何度もやってはいけません。
そのような集中学習は効果が薄いことがわかっていただけたと思います。
復習をするときには何回かに分けて、時間を分散させて勉強するようにしましょう。
このようなもったいない「集中学習」は、
宿題を提出直前にやる子(昔の私のように男の子に多め)だけでなく、
出された宿題はすぐにすべて片づけてしまう真面目な子(おんなのこに多め)でもありがちなことです。
真面目なことがかえってあだになってしまうのは、
本当にもったいないことですね。
ぜひ「分散」させてやると効果的ということを教えてあげてくださいね。
こちらのコラムは、現在執筆中の出版第二弾の原稿をコラム用に一部書き換えたものです。
こういった内容をまとめて本にしますので、内容に興味を持たれた方は出版を楽しみにしていてくださいね。
また、前著『「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法』は、丸ごと1冊子供を勉強好きにさせるための方法について詳述した書です。
勉強を楽しくしてあげたい方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。