それって約束?押しつけ?

こんばんは、
実はお酒が好きな菊池です。

先週末の土曜日、
実家に用事があったので、
ついでに地元の居酒屋さんに飲みに行ってきました。

以前は毎日のように地元で飲み歩いていたのですが、
結婚した&仕事がますます忙しくなったことで、
顔を出す頻度もだいぶ減ってきてしまいました。

そんな中で、
以前はよく顔を合わせていた仲良しな常連さんと
久しぶりに会って話をしました。

先日私がYoutubeにアップした
「子どもが約束を守らないのはなんで?」


という動画が今我が家の課題だ…と言っていました。

おお!見てくれてるんだ!(笑)

昔からの知り合いが見ているというのは、
嬉しくもあり、こそばゆくもありますね。


約束を守らないとか、
決めたことを実行しないとか、
これって多くの子どもにありがちですよね。

例えば、
「ママが返ってくるまでにこの勉強終わらせといてね」
「うん!わかった!」
 ↓
「なんでやってないの!」
とか。

この動画は
メルマガ読者の方からの
お悩み相談に回答するために作ったものでしたが、
同じようなお悩みを抱えている方が多いんじゃないでしょうか。

あなたのご家庭ではどうですか?


約束を守れる子になってほしい。
決めたことを実行できる子になってほしい。

そう願わない親はいないでしょう。

じゃあ、どうすれば約束を守れる子に育てることができるのでしょうか?

いったい何につまずいて、約束を破ってしまっているのでしょうか?

「約束は守りなさい!」
と怒るだけなら、
それはしつけではなくただの押しつけです。

子どもが約束を守れない理由を考え、
一緒に乗り越えていける親や指導者でありたいものですね。


子どもが約束を守れない理由は、
大きく分けて2つあると私は考えています。

1つは能力の問題。
やりたいと思ってもできないというパターン。

もう1つが意欲の問題。
本音ではやりたいと思っていないパターンです。

おそらくほとんどの親御さんは、
能力的に不可能なことを押し付けることはないでしょう。

仮に本人が計画力の低さ・見積もりの甘さのせいで
不可能な計画を立ててしまったとしても、
それが実行できなくて悩むということは無いはずですね。
(悩むとしたら実行できないことではなく計画力の低さの方)

ですから、親御さんが悩むのは、
できるはずなのにやらないというパターンでしょう。

約束をしたのにそれは口ばっかりで、
本当はやりたいと思っていなかった。

だから約束を破ることを繰り返す。

それにお悩みなわけですよね。


じゃあどうして子どもは口先だけの約束をするのでしょうか?

その原因は、
実は子どもではなく私たち大人の側にある場合が多いです。

親や指導者が子どもに一方的に要求を押し付けているだけで、
子どもは嫌々「うん」と言わされている。

そのことに気づいておらず、
「約束をした」
と思っているとしたら、むしろそのことの方が問題です。

例えばこんな状況を想像してみてください。

あなたの家に強盗が押し入ってきて、
あなたにナイフを突き付けてお金を要求してきました。

あなたは恐ろしくなり、
素直にお金を差し出します。

強盗は続けて
「絶対に警察には言うなよ!警察に言うなら今お前を殺す」
と言いました。

「わかりました!警察には言いません!」

あなたは強盗とのこの約束を、義理堅く守るでしょうか?

無理やりさせられた約束は、
約束ではなくただの押しつけです。


強盗に押しつけられた約束と同列にするなと思うでしょうか?

ですが、親子の間には、それくらいの力の差があることは自覚しておくべきです。

子どもは親に生殺与奪の権利を握られています。
これは決して比喩ではありません。

つい先日も、
子どもを虐待して殺してしまった親がニュースになっていましたね。


あなたもそういったニュースを頻繁に見かけることでしょう。

子どもが親を恐れて嫌々約束させられている状況は、
どこの家庭でもあり得ることです。


また、親を恐れてではなく、
親の顔色をうかがって約束をしているけど、
本当はやりたいと思っていないから実行できないという場合もあります。

顔色をうかがうというのは決して悪い意味ではありません。

お母さん(お父さん)はきっとこういうことを期待しているだろうと察して、
それに応えたいとは思っている。

いじらしい気持ちですね。

でも本当に自分のやりたいことではないから、
そこに矛盾が生まれ葛藤している。

親を恐れているからではなく、
親が好きだから親のためにと思っての約束なわけです。

でもやはり本心からやりたいことでなければ、
その通りに行動できないことだってありますよね。


これは私たち大人でも同じじゃありませんか?

顧客のためとか、家族のためとか、
自分にとって大切な人のためにしている仕事でも、
自分がやりたいことと違ったら
そこに悩みが生まれることはありますよね。


結局のところ、
本人が本心からやりたいと思っていない場合には、
約束は大きな効果を生みません。

むしろ、
約束を守れなかったことに対して自己嫌悪になったりして自己評価が下がり、
かえって悪い行動に走ってしまう危険があります。

「厳しく叱ると逆効果」という話をこちらの動画でお話ししたのをご覧になりましたか?

・子供のやる気を引き出す心理学:どうにでもなれ効果とは?

https://youtu.be/8GJ9TlOE1zQ


気分が落ち込むと意志力が低下してしまうというのは、
こういった場面でも同じなわけですね。


約束は、
うまく使えば大きな力を子どもに与えてくれます。

やりたいという意欲に、
やらなければという使命感や、
約束を果たしたときの達成感が加わると、
頑張る原動力が大きくなります。

子どもが約束を守らないことに悩んでいるとしたら、
子どもの責任感の問題ではなく、
私たちの「約束」の使い方やその前提に問題が無いかを考えてみてください。

まずは子供自身にやりたいと思わせることが大前提です。

その前提を作ったうえで、
約束の力で後押ししてあげてくださいね。

それでは。


やりたいという気持ちの育て方
こちらの動画でも解説しています。

あわせてどうぞ。

・東京大学の市川伸一教授が考案した勉強に対してのやる気の分類法をご紹介

https://youtu.be/0TRhDkx_Xmg

  
・ドーパミンを利用して勉強に夢中になる方法

https://youtu.be/fXtJN9UTJVM