僕がバカだから怒るんでしょ 

こんばんは。伸学会の菊池です。

ちょっと前のことなんですけど、
ある生徒を叱ったら、
その子が泣き出してしまいました。

「僕がバカだから僕だけ怒るんでしょ」

そう言ってボロボロ泣くんですね。

あなたのお子さんも
「同じことをしているのになんで僕だけ怒られるんだ」
といった不満を言ったりすることはありませんか?


家の中の兄弟間でのことで、
叱っているのがあなた自身であれば、
そこには確かに違いがあることがわかります。

「同じこと」ではないから、
その子だけ特に叱ったのでしょう。


しかし、学校でのことで
「同じことをしているのに僕だけ怒られる」
といったことをお子さんが言っていたら、
「もしかしてひいきのようなものがあるんじゃないか?」
と不安になりますよね。

もちろんそんなことは普通は無いわけですが。


「同じこと」をしていても、
程度や頻度が違えば、
注意される回数や叱られる度合いが違うのは当然です。

でも問題はそこではありません。
そのことは子供だってわかっています。

問題は、
客観的に見ると程度や頻度に違いがあるのに、
子供の主観的な感覚だと程度や頻度も同じだと感じていることなのです。

子供はまだ脳が未発達で、
メタ認知と呼ばれる客観的な視点や論理的な思考力が未熟です。

大人だって、
自分が人にしたことはすぐに忘れるけど、
人からされたことはいつまでも覚えていて根に持つ人はいますよね。

まして子供であれば、
自分がしたことや周囲の状況を客観視することなどできなくて当然なのです。


この状況を「はいはい」といった感じで放置すると、
もっと良くない大きな問題が起こります。

それは、子どもが不満をため込むことではありません。

怒られる原因が、
「自分のした行動」
ではなく、
「自分の人格や能力」
のせいだと誤解することです。

冒頭の泣いていた子は正にそうですよね。

「僕がバカだから怒られるんだ」

と思い込んでいるわけです。
彼の頭の中の世界では、
理由がそれしかないのです。


このような誤解をするとどうなるか?

「自分は何をしてもダメだ」
というあきらめの気持ちが生まれ、
行動を改善しようという意欲が持てなくなります。

また、自己評価・自己肯定感の低下にもつながります。

これってとても怖いことですよね。


私たちが子どもに伝えたいのは
「あなたはどんなときも素晴らしい存在である。
 でも、あなたの行動には、素晴らしい行動とダメな行動がある」
というメッセージではありませんか?

それを正確に子どもに伝えるためには、
伝えるべき内容や順序があります。

たとえば、子どもは客観視する力が低いですから、
まずは「客観的事実」を言語化したり数値化したりして伝えてあげること。

この事実の共有を先にしておかないと、
子どもはなぜ何に対して叱られているのかわからなくなってしまいます。


テストで良い点を取ったり悪い点を取ったりすることも、
先生やお母さんに褒められたり叱られたりすることも、
全て自分の「行動」に原因がある。

そのことをしっかり理解させてあげたいものですね。

そのために、
私たち大人が正しい褒め方・叱り方を実践していきましょう。


ちなみに伸学会では、
日ごろの褒め方・叱り方だけでなく、
ホームルームの授業の中で生徒たちにこの考え方を教え込んでいます。

https://abfll.biz/brd/archives/qoduqb.html
こちらはオンラインホームルームの教材として配布したデータです。

よろしければご活用ください(^^)

それでは。

■学びを楽しくする伸学会の勉強法
 メルマガで無料で配信しています。

→登録はこちらから←