子どもを潰す叱り方8選

こんばんは。伸学会の菊池です。

いつも伸学会のブログやメルマガを読んでいただきありがとうございます。

今この記事を読んでいただいているあなたと同じように、
私もいろいろなブログやメルマガを読んで学びにつなげているのですが、

その中のある記事に
「こういう怒り方をする上司になってはいけない」
という8つの例が挙げられていました。

挙げられている8つを見れば、
確かに自分が部下だったら、
こんな上司にはついていきたくないなと思わされるものでした。

あなたはこれまで嫌な怒り方をする上司に当たったことはありますか?
今の上司に嫌な怒り方をされたことは無いでしょうか?

ちょっと振り返って考えてみてください。




・  

でですね、なぜ今この話をしているかというと、
その8つというのが、
指導者や親が子供を叱るときにしてはいけないやり方と
ほぼ同じだなと思ったからなんですね。

嫌な上司の嫌な怒り方を想像したときに思い浮かぶものは、
だいたい子供相手にやれば子供に嫌われて、
子供は言うことを聞かなくなるものです。

  
愛情があればどんな叱り方をしても大丈夫?

それは大きな誤解であり甘えです。
  
愛情が親から子への片思いで、
子供に嫌われている親は世の中にたくさんいます。

私の教え子の中にも、
決して多数派ではないですが、
お父さんまたはお母さん(場合によっては両方)が嫌いと言う子はいました。

あなたも友人関係をあたってみれば、
きっと何人かは親と仲良くないという人が見つかるでしょう。

   

たとえ親子だろうと、
不適切な扱いをすれば
人間関係は壊れます。

  

これからご紹介する8つの「やってはいけない怒り方」をふまえ、
そういった怒り方をしないように気を付けてくださいね。

あなたが想像した「上司の嫌な怒り方」がそのどれにも当てはまらなければ、
それを9つ目として
我が子にやらないようにお気を付けください。

   

NG1.大げさに騒ぐ

「はー?何それ?信じられない!

怒りの感情とともに頭に血が上り、
言いたいことを思いついた順にぶちまける。

こういったヒステリックに騒ぎ立てるやり方は当然NGな行為です。

多少自分の気持ちの発散にはなるかもしれないけれど、
やられた側はドン引き間違いなしですね。

NG2.否定から入る

「ちゃんと考えろ!頭使ってんのか!」

相手の言い分を全く聞かずに、
いきなり否定から入れば、
相手だって反撃したくなるもの。

重要なのは次に生かす教訓を導くことで、
相手を攻撃することが目的ではありません。

子供が教訓を受け止める準備を整えるためには、
最初に持ってくるべきなのは否定ではなく
相手に共感する言葉です。

NG3.気分で怒る

「今疲れてるんだから手間をとらせないでよ!」

今日は何だか虫の居所が悪い、気分が冴えない。

そんなイライラが原因で子供に八つ当たりしてしまったら、
子供の信頼を損なうだけです。

仕事で疲れていたり嫌なことがあったりして、
自分の側のコンディションが悪いときには
怒らない方が賢明です。

  

NG4.人格攻撃

「もう怒った!このバカ野郎!」

「この、ハゲーッ!違うだろーっ!」
と秘書を罵倒して炎上した国会議員がいましたが、
「バカ」とか「ハゲ」とか
相手の人格や身体的特徴を攻撃する言葉はもちろん禁句。

自分が言われたことを想像してみるといいでしょう。

ケンカになるのはマシなほうで、
関係がそこで終わってしまうこともあります。
たとえ親子関係であろうとも。

  

NG5.皮肉を言う

「テスト前なのにあんまり勉強してないけど、今回はずいぶんと自信があるのねー」

慇懃無礼に皮肉を込めたひと言を放つこと。
 
たとえあなたが冷静に言ったとしても、
子供はイラっとするに違いありません。
 
良くない状況を相手に教える「フィードバック」は重要なものですが、
そこに嫌味を足してはいけません。

  

NG6.昔の問題を引っ張り出す

「前回のあの時もそうだったじゃん!」

今起こった出来事を注意していたはずが、
怒りとともに過去の記憶が蘇り、
「そういえばあのときだって…」
と昔の別の問題を引っ張り出す。

仮にあなたが正しかったとしても、
言われた側は「それは今は関係ないでしょ!」と反撃したくなるものです。

子供にとって、
昔の話を何度も持ち出されても
「お母さんは意地悪だ」
と思うだけで何の教訓にもなりません。

  

NG7.決めつける

「お前はいつだってこうなんだ!」

相手の言い分を聴く前に、
自分の思い込みから決めつけてかかってはいけません。

仮に過去がそうだったとしても、
今回は違うかもしれません。

子供の言い分を聞く余裕が必要です。

NG8.脅す

「次やったらゲーム捨てるからな!もう決めたから!」

あなたは子供に操り人形になってほしいのでしょうか?

それとも、適切な価値判断に基づき、
自分の意志で行動する子になってほしいのでしょうか?

もし後者だとすれば、
子供を脅すことはその手段として適切でしょうか?

仮にそれで一時的に子供の行動が改善されたとしても、
長期的に見ればうまくいくやり方ではありません。




さて、いかがでしょうか。

私も今こうして偉そうに話していますが、
過去に似たようなことをやらかしているので、
なんだか古傷が痛むような思いです。

今も完ぺきとは言えませんが、
昔は未熟だったなと強く思います。

あなたもこれまでの子供の叱り方で、
1つくらいは思い当たるフシがあったんじゃないでしょうか。

上手に叱れている自信、ありますか?

ちなみに、怒りの感情が湧くこと自体は自然なことで、
これは悪いことではありません。

怒りは「闘争・逃走反応」とも言われ、
肉体的・精神的な侵害に対する警告反応です

迫ってくる危険に対応するために必要な、
なくてはいけない感情です。


ただ、怒りの感情は取扱いが難しいもの。

ちょっとした間違いによって、
子供との信頼関係を一気に崩壊させてしまう危険性も秘めています。

私たち伸学会の主催する保護者セミナー
「親ゼミ」の参加者の皆さんに
「上手に叱れている自信がありますか?」とうかがったところ、
5人に4人は自信がないと回答していました。
(だからこそ参加しているわけで、バイアスがかかってはいますけど)

カッとなって怒ってしまい、後で申し訳なくなる…という方も多いです。

それだけ子供を叱ることって難しいし、
叱り方を学ぶ機会も少ないのかもしれません。

「君らしくない」というニュアンス

そこで、1つ上手な叱り方のコツがあるので、
今日はそれを紹介しようと思います。

私が生徒を叱る時に気をつけているのは
「子供の自尊心を傷付けない叱り方」
です。

そのために簡単なのが、
「君らしくない」
というニュアンスで話をすることです。

こういった言い方をすると、
相手の存在や人格や能力をまず認めたうえで、
「ただ、その行動は良くない」
と、行動だけにフォーカスして伝えることができます。

先日も、自習に来たはずなのにうるさかった子たちに対して、
「その行動は、わざわざ自習にくるような、
 熱心な○○君らしい行動ではないね。」
と言って叱った時には、素直に自分の非を受け止めて、
そのあとの行動が改善しました。

そんな経験は何度もあります。

子供の自尊心を傷付けない叱り方を

対人関係のエキスパートであるレス・ギブリン氏は、
「人は大抵の場合、自分の自尊心を満たすために行動する」
と言っています。

「得意な科目は頑張るけど、苦手な科目からは逃げる」
という子が多いことからもよくわかりますよね。

つまり、我々は子供の「自尊心」を満たすことができて初めて、
望むように動いてもらうことができます。


「怒り」の感情に振り回され、
子供の自尊心を傷つけてしまったら、
子供はますますふてくされて、
テコでも動かなくなるでしょう。

私たちの目的は、
子供に気持ちよく動いてもらうことであるはずです。

人に動いてもらいたい、
言うことを聞いてもらいたいと思うのなら、
そのために必要な技術を身に付けなければいけませんね。

  

「君らしくない」というニュアンス。
ぜひ活用してみてくださいね。

今回の記事の内容を動画で見たい方はこちら(約5分)

  

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