科学的に正しい褒め方5つのルール

うちの子は褒められて伸びるタイプなんです。

面談の席で保護者の方からそういうことをよく伺います。(特に新規面談で)

そんなとき私は心の中で心配になるのです。

「同じ子でも褒め方次第で伸びることもダメになることもあることを、このお母さんは知っているのかな?」

 

褒められることは、自信や決断力を高めます。

褒められると喜びを感じ、目標達成に向けて積極的に取り組むようになります。

しかし、褒められることで、守りに入ってしまい、チャレンジに対して消極的になってしまい、自発的な感覚が損なわれることもあります。

上手に褒めて「次も頑張ろう」を思わせるにはただ褒めれば良いわけではなく、実は繊細な部分があるのです。

そこで、「褒めるときに守るべき5つのルール」をご紹介しようと思います。

これは2002年に、心理学者のジェニファー・ヘンダーロングが、賞賛の効果についての多数の研究をレビューし、良い成果に対するフィードバックにプラスの効果を持たせるためのルールとして定義したものです。

 

ルール1:褒め言葉は「心からのもの」であること

本心は子供に伝わります。「うまく乗せようとしているな」と感じたら、子供は私たちの言葉を受け止めなくなります。オーバーな表現や言葉には気をつけましょう。

些細なことを大げさに褒めたりすると、子供は皮肉を言われている・バカにされていると受け止める場合もあります。

また、褒める対象は具体的にしましょう。

悪い例:テスト前はよく勉強していたね。感心したよ。

良い例:テスト前の1週間の計画的な勉強はとても良かったね。自分の苦手な「速さと比」と「てこ」を克服するために、テキストの以前のところに戻って毎日少しずつ問題を解き直したのはすばらしかった。この勉強を続けていけば必ず成績は伸びていくだろうと感心したよ。

 

ルール2:相手がコントロールできる「行動」をほめる

テストで良い成績を取った子供に「あなたは賢い子ね」と褒めると、次のテストで悪い点を取ったときに子供は自分が賢くないと感じてしまいます。
そして、悪い点を取らないようにするために、難しい問題にチャレンジすることを避けるようになります。
結果として能力が伸びなくなってしまいます。
このことはこれまでにも度々コラムやブログで書いてきましたね。(参考:[性格診断]あなたの子は伸びる性格か?)

努力や我慢強さ、効果的な勉強法、心構えなどを褒めることで、それらが重要であるという考えが強まり、困難な課題にぶつかっても簡単にはあきらめなくなります。

能力を褒めてはいけないということではありません。大切なのは能力だけを褒めないことです。

能力を生かすための努力や勉強法を同時に褒めるようにしましょう。

 

悪い例:とても良い成績だったね。とても賢い子だ。

良い例:とても良い成績だったね。試験勉強を頑張ったからだね。間違えた問題をもう一度解くようにしたのが良かったんだね。

 

ルール3:人と比較しない

他の人と比べられると、私たちはそれを生まれ持った能力と関連付けて考えてしまいがちです。
すると、努力や勉強法など、自分でコントロールできる要因を軽視してしまいがちです。
結果は自分で変えられるということを教えたいですよね?
でしたら、褒めるときは子供の成長した点に注意を向けましょう。

 

悪い例:お前は兄弟の中でいちばんできる子だね。

良い例:お前は塾に通いだしてからとても成長した。勉強に対しての姿勢が大きく変わったし、その結果解ける問題がどんどん増えて、成績も伸びているね。

 

ルール4:自律性の感覚を損ねない

結果に対してごほうびを設定したり、プレッシャーをかけたりすると、管理されているという感覚が生じ、行動そのものから得られる楽しみが損なわれます。(多くの場合、勉強にごほうびを設定したりプレッシャーをかけたりするのは、本人がなかなかやらないからやむなく…というケースなので、損なわれるような楽しみは元々無いと思いますが)

褒めるときは褒める対象そのものに着目し、相手の好みや選択を認め、自発的な行動をうながすような褒め方をしましょう。

 

悪い例:次回も算数で偏差値60を取れたらごほうびをあげよう

良い例:よく頑張った。君が算数ができるようになっていくのを楽しんでくれていて嬉しいよ。

 

ルール5:達成可能な目標と期待を伝える

良い結果を褒めることは、子供のモチベーションを高め、続けて良い成果を引き出すためにとても効果的ですが、つい褒めすぎてしまう場合もあります。

そして、相手が自分の子供である場合には特に、相手に実力以上のものを期待してしまうこともあります。

勉強がよくできる子供に、「将来は開成合格間違いなしだ!」と思ったりするのは無邪気な親バカっぷりで微笑ましくもあります。(私は甥っ子に対してそんな感じです。伯父バカ笑。温かい目で見てください!)

しかし、そういう言葉を子供に繰り返し聞かせると、相手は「自分にはそうなるしか道が無い」と考えてしまうことがあります。

ハードルを高く設定するのは大切ですが、現実的であることも重要です。効果的な目標とは「難しいが可能」なものなのです。子供にとって適度な目標を与えられるようにしましょう。

 
悪い例:いつもこのくらいの成績が取れれば将来は東大に入れるぞ!

良い例:今回の成績はとても良かったね。次の模試でもっと良い成績を取るためには、どういう勉強をすればいいか考えてみよう。

 

以上、科学的に正しい褒め方5つのルールでした。

褒め方によって、子供は伸びることもダメになることもあります。

だから、子供を褒めるときには伝える言葉には十分な配慮をするべきです。

言葉は私たちが考えている以上に動機付けに影響を与えます。

親や指導者が、その言葉の力の活かし方を理解して使いこなせば、子供は「褒められて伸びる」ようになっていきます。

そのための、今日ご紹介した5つのルール、覚えておいてくださいね。

文責:伸学会代表 菊池洋匡

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参考文献:ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける――意志力を使わずに自分を動かす』大和書房、2013年

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