[性格診断]あなたの子は伸びる性格か?

以下の質問に正直に答えてください。
「まったくそうは思わない」は0、「その通りだ」は5として、その度合いで数字を選んでください。

 

1 人間の知能の程度には個人差があり、大きくは変えられない (0・1・2・3・4・5)
2 いくら努力をしても、知能は大して高められない      (0・1・2・3・4・5)
3 頭の良さは、生まれつき決まっている           (0・1・2・3・4・5)

 

選んだら、点数を合計してください。
計算できましたか?
さて、この点数はいったい何を表すのでしょうか?

 

それをお話しする前に、人の能力は何によって決まるのかについて話をさせて下さい。

 

様々な研究により、知能も含めて人の能力は生まれつきの才能によって決まるものではないということがはっきりとわかってきています。
もちろん遺伝的な要素が全く関係していないわけではありません。
しかし、人の脳には我々の想像以上の適応力があるそうで、訓練によって能力は信じられないほど伸びるのです。
努力による成長に比べれば、才能などは小さな差に過ぎないそうです。
つまり、人の能力は、努力によって決まります。
知能もまた同じです。

 

ところが、生まれついた性格や周囲の環境によって、子供は「知能は努力をしても変わらない」という認識を持ってしまうことがあります。
これは無意識であったとしても、子供の行動に影響を与えます。
知能が努力しても変えられないものと考えると、彼らにとって勉強やテストは「知能を高めるため」ではなく「知能の高さを証明するため」のものになります。
だから、できそうにない難しい課題にチャレンジすることを避けようとする傾向が生まれます。
その結果、努力が不足することになり、「知能は変わらない」ということが本人の認識通り実現されることになります。

 

逆に、「知能は高められる」という認識を持つ子供は、苦手な科目を積極的に受講する傾向があるということがわかっています。
そうやって自分にとって難しい課題にチャレンジし、努力によって実際に知能を高めていくのです。

 

このことは、現スタンフォード大学教授の心理学者Carol S. Dweckの研究でも明らかになっています。
Dweckはニューヨークの公立学校の7年生(中1相当)を対象に、週に30分、8週間かけて、脳の生理学的な機能とその発達の仕組みを教えました。
その際、一方のグループAには「経験と努力によって知能は高められる」ということを強調しました。
それに対し、もう一方のグループBには、脳の機能については教えますが、知能は高められるという点については触れません。
その結果、グループBの数学の成績が1年を通じて徐々に低下したのに対し、グループAの数学の成績は向上しました。
この研究は、努力によって知能は高められると信じることで、実際に知能が高まっていくことを私たちに教えてくれます。

 

話を最初の質問に戻します。
もうおわかりですよね?
この質問は、「知能は変わらない」と考えている「決定論者」か、「知能は高められる」と考えている「成長論者」かを測るためのものでした。
点数が7点以上の人は決定論者、6点以下の人は成長論者です。
あなたは、そしてあなたのお子さんはどちらだったでしょうか?
もしお子さんが決定論者であったら、成長論者へとマインドを切り替えてあげた方が良さそうです。
頑張ってくださいね。

 

と、話がここで終わってしまっては、お子さんが決定論者だった方たちに「あなたの子供はもうダメだ」という烙印を押しておしまいというろくでもない記事になってしまいます。
さすがにそれではひどいですね。
そこで、大切なのはここから。
マインドを切り替えるためのヒントになるDweckのもう一つの研究をご紹介します。

 

Dweckはコロンビア大学時代、Claudia M. Mueller博士と共に400人の子供(10歳から12歳)を対象に実験を行いました。
まず、言語を用いない比較的やさしい図形パズルを課題として与え、実際の点数は知らせず全員に「80%以上の正解率だった」と伝えました。
そして子供たちを3つのグループに分け、それぞれ以下のように対応しました。
グループA:「君は頭がいいね!」「えらいね!」と能力や才能をほめる
グループB:「よく頑張ったね!」「一生懸命やったね!」と努力をほめる
グループC:成績を伝えただけで何もほめない

 

次は、子供たちにまた別のテストを2種類与え、本人にどちらか好きなほうを選ばせることにしました。
ひとつは最初のものと同様の簡単なパズル、もうひとつは最初のものより難しいパズルです。
難しい方のパズルは、解けないかもしれないけれどやればとても勉強になると説明しました。
すると、グループAの能力や才能をほめられた子供たちは、65%が簡単な方のパズルを選びました。
それに対し、グループBの努力をほめられた子供たちは、簡単な方を選んだのはたったの10%だけで、90%近くが難しいほうのパズルを選択しました。
グループCで簡単な方を選んだのは45%程で、ほぼ半数でした。

 

さらに、2回目のパズルの後、3回目には全員に難易度の高いパズルをさせました。
当然みんな良い点数は取れません。
そして、その点数をみんなの前で発表させました。
すると、グループC(ほめられなかった子供)では10%がウソをつき、実際の点数よりも高い点数を言いました。
それに対し、グループA(能力や才能をほめられた子供達)ではなんと40%もの子供がウソをついたのです。

 

最後に、最初のものと同じくらいの難しさのパズルが全てのグループの子供たちに与えられました。
その結果、Bの努力をほめられた子供たちは、点数が平均30%伸びました。
それに対し、Aの能力や才能をほめられた子供たちの点数は、最初のときから20%以上も低下しました。

 

この実験結果をふまえて、Dweckたちはさらに追跡調査も行っています。
その結果、生まれつきの知能に自信を持っている子どもたちは、総じて努力を軽視し、チャレンジを避ける傾向があったそうです。
逆に、努力をほめられた子供たちは、良くない成績を取ると自分の努力がまだ足りないからだと解釈し、困難にもチャレンジする傾向があったようです。
さらに後の実験では、もっと年齢の低い幼児や、逆に年齢の高い子供たちにも、同じような結果が得られたという事です。

 

学校や塾のテストで好い成績を取ったときに、「頭がいい」とか「賢い」などとほめると、「頭のよさや賢さといった能力は、生まれつき持っているかいないかのどちらかだ」という考えを暗に伝えてしまいます。
そのため、決定論に導いてしまうことになるのです。
逆に、努力をほめれば、成長論に導いていくこともできます。

 

私たち教師や親は、子供が自身の能力に対する認識を形成する上で大きな影響を与えています。
子供が伸びるマインドを持つように導くことが、算数や国語やその他の学習内容をわかりやすく教えるよりもずっと大切なことなのです。
塾と家庭が足並みをそろえて、良いマインドを作っていきましょうね。

 

ところで、私たち伸学会の講座の中に、パズル道場というものがあります。
「わからなくても 考えた分だけ かしこくなる!」
を合言葉に、みんなで難しいパズルにチャレンジしています。

教室の壁にも掲示して、いつでも見えるようにしています。
パズル道場では、徹底して努力にフォーカスしています。
わからない問題に取り組む、その姿勢が素晴らしいんだ!!ということを繰り返し強調しています。
そうやって「なかなかできない問題」に取り組めば、頭が鍛えられて算数のセンスが身につくということも毎回説明しています。
算数のセンスなんていう能力だって、変わらないものじゃない、伸ばせるものなんだ。
そんな成長論のマインドを徹底的に心の奥底まで刷り込んでいるのです。
これにより、実際に算数の力が伸びるだけでなく、チャレンジする姿勢と成長力も身につけさせています。
だから伸学会のパズル道場に通っている子達は、算数以外の伸びも速いのです。

 

もしあなたがお子さんに対して、成長論のマインドを身につけさせたいとお考えなら。
小学校・中学校・高校・大学、さらには社会に出てもどんどん成長していく性格にしたいなら。
ぜひ私たちにお任せ下さい。
体験授業のお申込みお待ちしています。

 

お伝えするのを忘れていましたが、宣伝です。

 

文責:伸学会代表 菊池洋匡

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参考文献
Claudia M. Mueller and Carol S. Dweck “Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performanceJ Pers Soc Psychol. 1998
ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける――意志力を使わずに自分を動かす』大和書房、2013年
アンダース・エリクソン,ロバート・プール 『超一流になるのは才能か努力か?』文藝春秋、 2016年