成績を決定する隠れた力とは?


最近、担当している小5の変化に驚いてばかりの目黒校の高橋です。
先日の記事でもHRでの勉強法の実験の結果から、生徒たちが勉強態度を変化させたことに驚いたばかりですが、
今週もまた同じような変化に驚いたので、記事にさせてください。

成績を決定する要素には、大まかに分けて認知的スキルと非認知的スキルがあります。

認知的スキルとは要するに学力です。
例えば、計算力であったり、語彙力であったり、理社の知識であったり、イメージしやすいものだと思います。
普通の学習塾ではこちらの力を目いっぱい伸ばそうと躍起になっていますね。

それでは、非認知的スキルとは一体何でしょうか?

伸学会のブログをたくさん読んでくれている方はもうご存知です。
そう、自分を客観視する力や、意志力、協調性といったものです。
こちらは表面的には見えにくい隠れた力ですが、実は成績をあげていくための土台となるもので、長期的な視点で見るとむしろ重要になるものです。

伸学会ではこちらの力も目いっぱい伸ばすための指導を行っています。

例えばそのための取り組みの1つとして、伸学会のHRでは、どの学年も1週間の睡眠時間の合計と学習時間の合計をホワイトボードに書き出します。
私の担当している生徒たちのゴールデンウィークの学習時間は以下の通りでした。
Aさん 7:00
Bさん 19:20
Cさん 4:05
Dさん 5:40
Eさん 32:00
Fさん 5:25

そして、GW明けのテストの結果は以下のようになりました
Aさん 20点台前半
Bさん 50点台前半
Cさん 10点台前半
Dさん 30点台前半
Eさん 60点台前半
Fさん 20点台前半

学習時間と結果が見事に相関しています。
前回同様、私たち大人からしたら、「そりゃそうだよ」という結果です。

学習時間を報告するときも、テストの点数を発表するときも、
何の気なしに発言していた生徒たちですが、
この比較表を見た瞬間にまた、それぞれの表情が一変しました。

ある女の子は、もう今にも泣きそうな表情にかわりました。
ある男の子は、誇らしげな表情に、またある男の子は悔しそうな表情に。

彼らはテストの点数だけで一喜一憂しているわけではありません。
それならば点数発表の時に同じ表情になるはずです。

自分の勉強時間と自分のテストの点数の因果関係をすぐに理解して、
“因果応報”という言葉の意味を身に染みて一層感じているのだと思います。

「勉強時間が少ないから、点数が低い」
「勉強時間を多くしたら、点数が上がる」

この当たり前の論理を、生徒たちはご両親や学校の先生、塾の講師といった周りの大人たちから散々聞いています。
でも、本当の意味でわかっている子は少ないです。
こうやって自分の記録の数字を実際に見ることで、大人たちが散々言ってきたことの意味を本当に知ることができるのです。

ある子は、GWでの自分の行動を反省し、今後は同じことはしないと誓い、
ある子は、GWでの自分の行動を誇らしく思い、今後も同じことを続けようと誓う。
全員、心に誓ったことは同じでしょう。
「今の学習時間をより増やす!」

このように記録をつけることで、自分を客観視できるようになるんですね。

もちろん個人で記録をつけても客観視する力を伸ばす効果は見込めます。
たださらに集団授業で、自分と同い年で自分と同じくらいの学力を持っている子の勉強時間と比較することで、自分に何が足りないかという自覚を促すことができます。
これがホームルームならではのメリットですね。

このように「前向きに」「自分から」勉強時間を増やそうとする仕掛けを伸学会では意図的に行っています。
さらにこの記録を毎週繰り返すことで、このインパクトを薄れさせないようにします。

「君はあの失敗を繰り返したい?」
「あなたはあの成功を繰り返したくない?」

この声かけだけで、あの感情を思い出して、自分を奮い立たせてくれます。
そして、こうした取り組みは6年生になってからよりも、5年生のうちにやった方が効果は大きいだろうということも感じました。
時期が後になるほど、それまでに長期的に積み重ねてきたものが成績を左右するようになり、直前の時期の勉強の量による差は小さくなるからです。
今まだ5年生になりたてのこの時期だからこそ、彼らのマインドを変えるのに大きな効果があっただろうと思います。
そして、4年生であればさらに大きな効果があるでしょう。
これからもどんどん子供たちの成長の土台となる非認知的スキル力を伸ばしていこうと思う高橋でした。

学習時間と成績の推移を比べるだけで、それほど難しいことではありませんので、この記事を読んでいるあなたもぜひお子さんと記録を書くことに取り組んでみてくださいね。
必ず成長につながりますよ。


今後のイベント情報
・6/10(日)理科見学ツアー:国立科学博物館:対象小学1~6年生
・6/17(日)ホームルーム体験会:対象小4・5
・6/18~30オンライン指導無料体験(説明会もオンラインで実施@6/16(土))
告知までしばらくお待ちください