賢い親がやっている、子どもを伸ばす褒め方5選

こんばんは。伸学会の菊池です。

先日、子育てサミット2026という大きなイベントで、講演の機会をいただきました。
パソコンの画面越しではありましたが、なんと1600人以上という過去最高にたくさんの方に、話を聞いていただいて、大変やりがいがある講演となりました。
大役を果たせてホッとしております。

私自身も内田伸子先生・滑川周平先生のお話を拝聴して、多くの学び・気づきがありました。
そして、無事に終わったあとパソコンを閉じて、ふっと椅子の背にもたれた瞬間、私の頭に浮かんだのは、自分が子どもだった頃のことでした。

サミットでは、内田伸子先生が「3つのH」というお話をされていました。

褒める、励ます、(視野を)広げる。

この3つを大切にする家庭の子どもは、伸びる。
長年の追跡研究から見えてきた、確かな知見です。
私自身も、深く頷きながら聞いていました。

でも、その一方で、
「褒める」って、本当に難しい言葉だな、とも思うんです。

というのも、私は、子どもの頃のことをよく覚えているタイプなのですが、
褒められているのか、おだてられているのかは、子ども心に、はっきり分かっていました。

「本当にすごいと思って言ってくれている言葉」と、
「私を動かしたいから言っている言葉」は、
まったく違うものとして届いていたんです。

おだてられていると感じた時、子どもは、褒めた大人を軽く見るようになります。

「ああ、この人は、私を動かすためにこう言っているんだな」と。
そして、その相手の言葉全体が、少しずつ信じられなくなっていきます。

だから、今回の講演を受けて、表面的に「子どもを褒める」という部分だけなぞってしまうと、失敗してしまうご家庭もあるだろうと思います。

そこで、今回の内田先生の講演をより活かすものにするための方法を、この記事で追加でお伝えしようと思いました。

あなたに、まず一つお伝えしたいのは、
「褒める」を、子どもをコントロールする手段として使うのは、やめたほうがいい、ということです。

これは私自身の記憶から、確信に近い実感です。

じゃあ「本物の褒め方」とはどんなものでしょうか?
25年以上、教室で子どもたちを指導してきた経験から、5つに絞ってお伝えします。
参考にしてみて下さい。

① 他人ではなく、「過去の本人」と比べる
「〇〇ちゃんより速いね」ではなく、「先週より速くなったね」。
他人と比べる褒め方は、勝った瞬間は嬉しい。
でも、負けた時に自信を失います。
過去の自分と比べる褒め方なら、比較の相手はいつも「昨日の自分」だけ。
足元が揺れません。
開成中・高の元校長、柳沢幸雄先生も、「水平比較ではなく垂直比較で褒めましょう」と、よく著書で書かれていました。
お子さんのビフォーアフターを、よく見てあげてください。

② 「ありがとう」で伝える
「褒める」より、実は強いのが「感謝」です。

たとえば受験の結果、残念な形になってしまった時。
「頑張ってきてえらかったね」
こう言われても、子どもは素直に受け止められません。
不合格というネガティブな結果を、「えらいね」とプラスに評価される違和感を、敏感に感じ取るからです。
でも、
「チャレンジしているあなたの姿に、感動したよ。ありがとう」
こう伝えると、届き方がまったく違います。
自分の気持ちを、そのまま渡しているからです。

日常でも同じです。
お手伝いを失敗して、かえって手間が増えた時、
「失敗しちゃったけど、えらかったね」ではなく、
「手伝おうとしてくれた気持ちが、嬉しいよ。ありがとう」
これだけで、子どもの受け取り方が変わります。

③ 一緒に喜ぶ
「えらいね」「よくできたね」は、どうしても上から下への評価になります。
それより、対等な立場で、一緒に喜ぶのがおすすめです。
私は今でも、確認テストで合格した生徒とハイタッチして、「イエイ!」と一緒に喜んでいます。

子どもは、明らかにテンションが上がります。
親子であれば、ハイタッチだけでなく、ハグや、頭や背中を撫でるスキンシップも効きます。
褒めることは、言葉のテクニックというより、感情を共有する行為なんだと思います。

④ 結果ではなく、プロセスを一緒に振り返る
「結果だけを褒める」は、実は危険な褒め方です。
結果ばかり褒められた子は、「結果を出さないといけない」というプレッシャーで、難しいチャレンジを避けたり、結果をごまかそうとするようになってしまったりします。

だからといって結果を褒めてはいけない、ということではありません。
いい結果が出た時は、素直に「すごいね」と喜んでOKです。
大事なのは、結果を褒めた上で、そこに至るまでの道のりも、一緒に振り返ること。
「あの時のこういう頑張りが、良かったね」
「こういう工夫をしたから、上手くいったんだね」
こうやってプロセスを言葉にしてあげると、次にどう行動すればいいかが、子どもの中に残ります。

⑤ 「×の中の〇」を探す
最後は、私が指導者として、いちばん大事にしている考え方です。
たとえば、お子さんが漢字の練習をしていて、間違えたとします。
点が足りない。
線が一本多い。
はねが抜けている。
そんな時、あなたは、どんな声をかけていますか?
「また間違えてる」
「なんでちゃんと書けないの」
こう言いたくなる気持ちも、分かります。
でも、私は、こう声をかけています。
「惜しいね! ほぼあってるよ! あとちょっと!」
私はこれを、「×の中の〇を探す」と呼んでいます。

漢字を書くという行為の中には、実は、たくさんの「できていること」が詰まっています。
その漢字の大まかな形を思い出せた。
形を、ほぼ正しく書けた。
それらしい線の配置ができた。
そこまで来て、「点が一つ足りない」だけなんです。
なのに、大人はつい、たった一つの「×」だけを見て、たくさんの「〇」を見落とします。

「また計算ミスしてる」も、そう。
計算ミスというのは、考え方は合っている、ということが前提です。
考え方が合っているって、素晴らしいことじゃないですか。
そこに注目して、「考え方は合ってるね! 惜しかったね!」と伝えると、
子どもは、「やった、考え方は合ってたんだ。もっとできるようになりたい」と、前を向けます。

この「×の中の〇を探す」目は、勉強だけでなく、性格を見る時にも使えます。

「やることが遅い」→ 「慎重に考えられる」
「飽きっぽい」→ 「いろいろなことに興味を持てる」
「よく考えずに動く」→ 「決断力がある」

同じ特徴が、どちら側から見るかで、まったく違う価値になる。
子どもの中の「×」ばかりが目についてしまう時こそ、あなたの中にある「〇を探す目」の出番です。
親が「〇として見る目」を持てば、子どもは「自分にはこういう良いところがある」と、自分を捉え直せるようになりますよ。

① 他人ではなく、過去の本人と比べる
② 「ありがとう」で伝える
③ 対等な立場で、一緒に喜ぶ
④ 結果を褒めた上で、プロセスを振り返る
⑤ 「×の中の〇」を探す

この5つをぜひ試してみて下さい。

すべてを一度にやる必要はありません。
まずは1つ、あなたの家庭に合いそうなものから、試してみてください。

そして、冒頭の話に戻ります。
大事なのは、テクニックとして褒めることではありません。
「本当にすごいと思っているから、言う」
「本当に嬉しいから、ありがとうと伝える」
「本当に感心したから、一緒に喜ぶ」
子どもは、そこを見ています。
コントロールしたくて出てくる言葉と、心から出てくる言葉。
その違いを見抜く目を、私たちが子どもの頃に持っていたように、今の子どもたちも、ちゃんと持っています。
「褒める」は、テクニックではなく、こちら側の「あり方」が大事なんです。

内田先生の「3つのH」の最初、褒める。
その中身を、あなたも、家庭で少しずつ深めてみてくださいね。

それでは。



■勉強が楽しくなる秘訣をメルマガで無料で配信しています!

→登録はこちらから←

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 28325fcfbc3f00df6a5cfe4588eaff03-400x300.jpg です

LINE公式アカウントでも記事を配信中!