あなたのお子さんに受けさせたい!子供の能力を高める最高の授業


あなたは「授業」と言われたら、いったいどんな風景をイメージしますか?

子供たちがワイワイガヤガヤおしゃべりしていて、先生たちは抑えるのに必死。
あ!勝手に立ち歩いている子が!

学級崩壊なども問題になっている昨今、「授業」は子供にとって能力アップの場になっていないことも多いのが現実です。

 

そんな授業とは対極にある、静謐な空気。
誰一人おしゃべりなどすることはなく、物音も立てず、ただただ問題を解くことに集中している。
想像してみてください。
それはまるで囲碁や将棋の対局シーンのようです。
あなたのお子さんが、真剣に問題と向き合っています。
そんな空間を作ることができたら、あなたのお子さんの力は、間違いなく伸びていくと思いませんか?

 

え?まだ幼い小学生にはそんなことは無理ですって?
いいえ、そんなことはありません。
彼らはちゃんと「できる」のです。
私たちは、そんな最高の授業を子供たちに受けさせてきました。
それが、11月26日(日) に行われたパズル道場全国大会(以下、全国大会)です。

 

パズル道場は中学受験の問題を解くうえで子供に必要とされる「能力」を鍛える授業です。
まずは大会で出題された問題の中から3つほどピックアップして、どういった能力を鍛えるかをお伝えしようと思います。
制限時間内に解けるか、お子さんと一緒にチャレンジしてみてください。
答えは、この記事の最後に書いてあります。
そして、それが入試問題の攻略にどうつながるかも見てみてくださいね。

【さいころコロコロ】制限時間:15 秒
黒いマスまで滑らずに転がったとき、上の面の数字を
答えてください。

これは立体が動く前後の様子を頭の中だけで想像する「イメージ化能力」を試す問題です。
ちなみに、小学校や受験指導ではこの解き方を一から教えてくれることはありません。
だから、「イメージ化能力」が鍛えられている子はものの数秒で正解できるのに対し、「イメージ化能力」が鍛えられ
ていない子はいつまで経っても正解できません。
そんな「イメージ化能力」は、中学入試でも問われます。
その一例が、平成25 年度の麻布中学校の問題です。


平成25年度の麻布中学校の入試では、大問が6つの中で、この[6] が問題用紙3枚中1枚をまるまる使っていました。
分量から配点60点中約20点を占めているだろうと考えられます。
合否を分ける大問であったことは確かでしょう。

八面体は中学受験のテキストに出てくることはほとんどありません。
だから子供たちは「知識」でこの問題を解くことはできません。
学校が生徒に求める力は「知識」よりも「能力」であることが、入試問題に如実に現れていますね。

 

【穴あけ】制限時間:15 秒
図の立体に向かい側までつき抜ける穴を黒丸の位置からあけることにします。このとき,小さい立方体のうち、穴の開いていない立方体の個数を答えてください。

上から1 面ずつ穴の開いていない立方体を数えて、最後に各面の個数を合計しても良いですが、「制限時間15 秒」
に気をつけてください!
全国大会では、後ろに設けられた見学席で生徒たちが解いている問題を見ることができるので、私も解いていました。
実は、お恥ずかしい話ですが、私は当日この【穴あけ】で、正解数よりも不正解数の方が圧倒的に多かったです。
上から1 面ずつ数えて、気づいたらタイムオーバー、がほとんどでした。
この穴あけで必要な、「見えない部分をイメージする能力」も入試問題でよく試されます。
平成27 年度の豊島岡女子学園中学校第1 回の問題を見てみましょう。

女の子は特に図形的な感覚があまりない子が多く、そういう子たちにとってこのタイプの問題は「頑張ってもどうにもならない難問」になってしまいます。
しかし低学年のうちから時間をかけて育てれば、こういった「能力」を育てることがかなりの割合でできるのです。

 

続いて推理算です。
【推理算】制限時間:10 秒

中学入試では、「条件整理」「論理と推理」と呼ばれる種類の問題です。
こういった問題では、条件を丁寧に整理する力と同等に、粘り強さが求められます。
現在の本科の小学6年生が取り組んでいる過去問演習でも、「あと1つ式を書いていれば答えまでたどり着けたのに、、、」「条件を表に整理すれば答えが見つかったのに、、、」といった反省がちらほら聞こえてくるようになりました。
公式を知っていても、表の書き方を知っていても、制限時間内に粘り強く解き続ける力が無ければ、合格点を取ることはできないのです。
この粘り強さも中学入試では求められています。
例えば、こちらは平成26年度の女子学院の問題です。

そして、こちらは平成26年度の聖光学院中学校の問題です。

どちらも、この問題はこう解く!という公式はありません。
書き出して推理して、また、書き出して推理するというのを繰り返すのみです。
量感やイメージ化能力だけではなく、粘り強さも中学入試に求められるのです。

 

いかがでしょうか。
このように、パズル道場は中学受験の問題を解くうえで子供に必要とされる「能力」を、様々な種類のパズルにチャレンジさせることでいろいろな角度から鍛えています。
そしてその最高峰の授業が、今回参戦してきた全国大会でした。

今年で7回目となる全国大会は、北は北海道、南は九州・沖縄より小3~中3までの164名の生徒が東京に集結して実施されました。
伸学会は昨年に続いて2回目の参戦です。
今年与えられた伸学会の出場枠は3名のみ。
塾内で過去問を使用して予選を行った結果選ばれた、栄えある伸学会の代表がこちらの3名です。

当日は、私、後藤が引率して行ったのですが、会場に着くや否や思ったことが、
「中学入試の受験会場!?」
でした。
塾の旗を持った応援の方が、生徒にねぎらいの言葉をかけるシーンや、保護者の方々が最後までお子さんに寄り添っている姿が、まるで2月1日の入試当日のようにいたるところで見られました。
それくらい緊張感のある雰囲気です。

 

そしてその雰囲気は、パズル道場開発者の山下善徳先生による「特別授業」によっていっそう引き締まったものとなりました。
「特別授業」では、普段のパズル道場で行っている理論訓示に加え、全国大会の厳正なルールが発表されました。

 

山下先生がおっしゃったルールの中で、印象的だったものが2つあります。
1つ目が、「声を出したり、物音を立ててはいけない」というルール。
この徹底ぶりが並大抵のものではありません。

大会開始直前の、緊張感はありつつもある種にぎやかだった様子とはうってかわって、大会中は空気が張り詰めていたのを覚えています。
聞こえる音は、スタッフが解答用紙を配るときの紙のペラっという音、生徒たちが用紙に答えを書き込むときの鉛筆の音、タイマーの音のみです。
最初にお伝えしたように、全国大会が実現を目指している雰囲気は、将棋の対局だそうです。
勝負を邪魔する雑音を許さない環境を作ることで、頭をフル回転させ、タフな精神力を身につけさせることが目的です。
慣れない子にとっては、いるだけで精神力がそがれる場であるため、過去には、全国大会中に泣き出したり体調不良になってしまうお子さんもいたそうです。
このお話が印象的でしたので、早速伸学会で行っている理論訓示でも将棋の対局の動画を見せてみました。

講師がどんなに良いこと言っていても、テキストにどんなに良い問題が載っていても、子供がそれを吸収できなければ能力は伸びません。
授業の時には集中できる子に育てること。授業のときには集中しなければいけない雰囲気を作り上げること。
それにより子供が学びを吸収できるようにすることが大切なのだと改めて実感しました。
思い返してみれば、パズル道場を低学年からやっていた子たちは、やってない子に比べて授業態度が良い子が多いです。
今後より徹底していこうと思います。

 

2つ目が、「ミスをしたら失点」というルール。
足し算ミス、数字の見間違い、書き間違いはゼロではありません。
間違えたらその配点分だけマイナスされます。
パズル道場はミスを決して許してはくれません。
だから、時間の許す限り見直しをして、失点を防ぐために本気で取り組まなければなりません。

さらに、対戦型である立体四目にもこの「ミスをしたら失点」ルールが適用されました。
具体的には、
・入れ損ねたら(棒と棒の間に入れたら)イエローカード
・玉を落としたらアウト
・3秒経っても玉を入れなければ負け
の3つのルールを守るようにと指示がありました。
厳しい、、、(>_<)
特に、3 秒ルールは事前に練習をしておかないと、思い通りに打てずにいつの間にか負け、なんてことになってしまいます。

 

ミスが起こることを防ぎながら勝ちに行く(得点を取りにいく)。
ミスをしないことは勝つための最低条件である。
まるで入試そのものです。

 

あなたもお子さんができるはずの問題でミスをして、大して懲りずにヘラヘラしているのにイラッとしたことはありませんか?
私は生徒に「失敗からちゃんと学びなさい!」と言いたくなったことは数知れません。
あるいは、カンで適当に書いた答えが当たって喜んでいるのを見て苦々しく思ったことはありませんか?
「それはお前の力じゃないだろ!」と叱ったことが多々あります。
そういった芽を早いうちに摘むために、「ミスをしたら失点」というのは効果的なのです。
(※リスクを恐れてチャレンジから逃げる子にならないようにするための指導も合わせて必要です)

 

この「特別授業」が終わった後で、先ほどご紹介した【さいころコロコロ】【穴あけ】【推理算】などの問題を解いて、得点を競いました。
その競技時間は2時間25分!
大学入試の試験時間よりも長い。。。
ちなみに、伸学会を代表して参戦した3名は、全国大会が終わって帰路につくころには今にも寝てしまうのではないかというほど、疲れきっていました。
参加したお子さんのお母様から、大会後にこんな声をいただきました。
―――
当日は、やはり疲れた様子でした。「難しかった~」と言っていたので、自分なりに実力不足を感じたのだと思います。
それでも、嫌になったということでもなく、来年は頑張ると言っていたので、良い経験になったのではないかと思います。
また、優秀なお兄さんたちを見られたのも良い刺激になったと思います。
これからも、引き続きよろしくお願いいたします。
(小3保護者様)
―――
全国大会内では最も低い学年でしたが、2時間25分頑張っていましたね!
山下先生のお話で、「頭を徹底的に疲れさせる」というお話がありました。
これも小学校や受験指導では、あまり時間をかけてはもらえない部分です。
声や音を出してはいけない、頭の中だけで考えないといけないという環境の中でしかできないことです。
その過酷な環境の中で、3人は頭を徹底的に疲れさせることができていたと思います。
この経験を経て、能力がグッと伸びたのは間違いありません!

 

将棋や囲碁の大会、野球やサッカーの試合、ピアノやバレエの発表会、そして入試。
子供が緊迫感のある雰囲気の中で、自分の限界にチャレンジする場をどれだけ作れるか。
そして、普段の練習から、いかに本番に近い雰囲気を作れるか。
それが子供の成長にとって大切なことだと感じました!
伸学会ではこれからもいっそう子供が成長する場を作っていきます!

 

問題の答え
【さいころコロコロ】 ③
【穴あけ】 ⑨
【推理算】 ②