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受験も近くなり、6年生たちが浮き足立ってきました。
毎年のことですが、
この時期勉強しなければいけないのに手につかないという子があらわれます。
その一番の原因は、やるべき事がわかっていないことです。
こういうときに何をすべきかを「知らない」と言っても良いかもしれません。
知らないことはできません。
たとえ成績が優秀な子でも、そういう子はいます。
地頭の良さという基礎的な能力のみで押し切ってきて、
自分と向き合い自分を磨くという必要に迫られなかった子は、
最後にそうなることが多いです。
世間一般では、恐らくそういう子の方が多いのだと思います。
だから、塾の直前対策講座等に出て、
当たり障りの無い授業を受け、
必要なことも必要じゃないことも全てとりあえず言われた通りにやる。
これは自分には必要ないんじゃないかという疑問を抱えてモヤモヤしながら。
でも、じゃあ何が必要なのかと言われてもわからないので。
自己分析ができていて、
自分に必要なことをピンポイントで勉強している子は、
そうやって足踏みをしている子を一気に追い抜きます。
模試の成績が足りない子が逆転合格をしてくることはよくありますが、
この時期の過ごし方を見ていると、
だいたい予想はできるものです。
じゃあもし自分の生徒が、
「手につかない」状態になってしまったらどうするか?
私は開き直ります。
ここからグッと伸ばしていくことは断念して、
今の力を100%出し切ることができるようなコンディション調整に力を注ぎます。
どうせここからグッと伸びる子の方が少数派なのですから、
それが出来なくても特段不利にはなりません。
でも、体力的に、あるいはメンタル的にボロボロになって、
今ある力すら出し切れなかったら不合格に直結します。
だから割り切って、ベストの力を出し切れるように、
過度のプレッシャーはかけないように心がけます。
おそらくお父さんお母さんの中には、
「受験直前の受験生とはかくあるべき」という理想像があると思います。
それは先述のような、最後にグッと伸びる勉強の仕方をする子。
そしてそれは恐らく、自身の1番最近の受験経験、
多くは大学受験のときのイメージを重ねていると思います。
その理想像から離れた行動を取る息子・娘を見ていると、
イライラしたり不安になったりして
自分がまいってしまうという方は多いのではないでしょうか。
ですが、大学受験をする高校生と中学受験をする小学生では、
正に精神年齢が大きく違います。
体の大きさと違って目に見えないものなので気付きにくいですが、
心の状態も脳力もまるで違うのです。
自分を客観視することも、先を見据えて行動することも、
訓練されなければ自分で気づく子などほとんどいないですし、
訓練をしたとしても、
脳の発育次第ではできない子はどうしてもできないのです。
客観視する方法など知らない、先を見据えて行動する方法など習っていない。
そういう子に対して、怒っても萎縮させるだけで逆効果です。
子供とはそういうものなのだと理解して、冷静に淡々と見守りましょう。
何をしたら良いか考えて決めることができないのであれば、
とりあえず過去問を2周・3周と回させましょう。
それだけでコンディション調整としては十分ですし、
余計なことはさせない方が合格に近づけます。
そうやって開き直って子供を見守るほうが、
お父さんお母さんとしても気持ち的に楽になれます。
そして親がそうやって落ち着いた雰囲気を出していると、
子供もリラックスして残りの日々を過ごせますし、当日力を出し切れますよ。
安心してください。
「うちの子だけ」じゃないですから。