伸学会の研修はこんな感じです↓

こんにちは、秦です。

研修を担当するようになって一年が経ちました。

研修の形式も試行錯誤を続けてきました。
ワーク多めの大学の講義(教育学部式?)から、親ゼミ同様のスライドショーによるプレゼン形式も挟みつつ、一年経ってようやく正解らしきものが見えてきました。

今日は(典型的な)研修一回の流れをご紹介します。

 

内容①「くすトーク」…10分間×2
一対一で、聞き手と話し手に分かれてその日や一週間の振り返りを行います。
聞き手は白紙に情報をまとめながら、質問だけで話し手の思考の整理を手伝いつつ、話し手が意識していない視点を提供します。

これは昨年度最大の発明(?)で、効果は絶大でした。

効果❶…振り返りの習慣
あらゆる場面の振り返りに有効で、対生徒、対保護者でも導入していますし、職場全体にこれを用いた振り返りの習慣が生まれてきています。

効果❷…信頼が高まる
聞き手は質問だけで、「こうすれば良いのに」などと遮ったり否定したりしません。
自分の話を聞いてもらえる10分間は、講師間でも講師-生徒間でも信頼の形成にとても有効であることがわかりました。

効果❸…情報を整理する力が高まった
スタッフにはメモ用に白紙しか渡していません。書き方のフレームワークとして「Good/Bad/Next」を伝えただけです。
毎週トークを行いながら、徐々に慣れてきたのか、最近は白紙に整理することへの心理的ハードルが無くなっていることを感じました。

効果❹…他の人への好奇心が湧く
「生徒への好奇心」が一番重要な素質なのではないか、と思うようになってきました。宿題をやってこない生徒について、「ダメなやつ」で終わるか、そこで好奇心を持って「どこにハードルがあったのだろう」という問いを立てられるかに大きな差があります。
日々、聞き手として質問を考える機会を持つことが、「質問力」全般を高め、好奇心にもつながっているのではないかと思いました。

 

内容②「PDCAシート」
講師のスキルアップ、創意工夫の誘発、指導法や悩みの共有のために導入しました。
1学期につき生徒1人(またはクラス1つ)を選び、継続的に指導の工夫や困っている課題を書いていきます。
研修の場では他の講師と状況を共有し、互いにアドバイスを行います。

↑このシートは昨年使っていた先代のもので、この4月からスタートするものは3代目になります。
毎回進化を重ねており、最新バージョンでは私が作ったフレームワークを取り払い、より白紙に近いレイアウトになりました。
というかほぼ白紙にタイトルを印刷しただけです。

これでPDCAを回せるようになったことにも驚きです。
振り返りのフレームワークを共有し、毎回くすトークで白紙に整理してきた故の成長でもあるのだろうと思っています。

 

内容③「レクチャー」
「研修」っぽいのはここだけです。
私が、教育心理学、認知心理学、人材開発、組織開発、ビジネス書、自己啓発本から有用な情報を共有しています。

ここは、問題を発見するための「概念のメガネ」を提供する機会だと考えています。

「やる気がない」という評価も、「ARCSモデル」という概念を知っていれば、

A「面白そうだと思っているか」
R「自分にとっての意義を感じているか」
C「自分に出来そうだと思っているか」
S「やってよかったという体験をしているか」

の4面から見ることができ、Rの意義づけからアプローチして説得法を考えるか、Cの自信からアプローチしてスモールステップにするか、Sの満足から「ご褒美作戦」に打って出るかなどと、多くの手段を取ることが出来るようになります。

このような「メガネ」を提供しながら、
「実際の伸学会の教育実践にどう活かしているか/どう活かせるか」も含めて伝えていっています。

時に、実践問題を出して復習することもあります。
問題の例としては、「宿題をやってこれない生徒に対してどう関与するか。ARCSモデルを踏まえて4方向から関与を考えよ。」などというものです。
大学の授業っぽさもありますね。

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以上、「研修」の大まかな流れを紹介しました。

もはや「研修」というより「ミーティング」と「ゼミ」を足したもの、というイメージの方がよいと思っています。研修という名前もどこか「お堅い」感じがするので、名称募集中です(笑)。