お母さんにおすすめ!お手軽算数教育その1

算数講師歴18年目の菊池です。

実は私、普段の算数の授業のときに毎年とても困ることがあります。

そこで、塾生のお母さん方に面談の席でそっとお願いしていることがあるんです。

あなたは単位換算は得意でしたか?

LをdLに直したり、kmをmに直したりするあれです。

4.2km=4200m みたいなやつです。

多くの小学生はこいつらが苦手です。

成績の良い子たちでも平気で間違えます。

きっとあなたのお子さんも。

でも、あなたが普段からちょっとしたことを心がけるだけで、あなたのお子さんはみんなが苦手なこの「単位換算」が得意になると言ったら、興味がわきますか?

その方法こそが、私が塾生のお母さん方にお願いしていることなんです。

それをお教えする前に、ちょっと考えてみてください。

世の中の多くの子たちが単位換算が苦手な1番の理由は何だと思いますか?



理由は思い浮かびましたか?

答えは実に単純です。

「なじみが無いから」です。

mとcmとmmの単位換算を間違える子はあまりいません。

みんな定規を持っていて、cmとmmはしょっちゅう目にしますからね。

また、自分の身長をイメージできるので、mとcmもだいたいいけます。

kgとgも間違える子もあまりいません。

自分の体重でイメージできるからでしょうか。

しかし、gとmgはけっこう間違えます。

mとmmがいけるのになぜ??

kmとmもけっこう間違えます。

kgとgがいけるのにどうして??

 

教える側からすると不思議でしょうがなかったのですが、結局のところ、k(キロ)とかm(ミリ)とかのルールがわかっているわけではなく、馴染みがあるかどうかの問題なのだといつの頃からか気付きました。

 

そこで、この記事を読んでいるあなたにもおすすめしたいのが、ご家庭で簡単にできる仕込みです。

これをやっておくと、あなたのお子さんは単位換算が得意になり、テストのときに点数が安定して取れるようになります。

「電車の通過算のやり方はわかっているのに、秒速と時速の計算でミスした(T_T)」なんていう悲しい思いは、あなたのお子さんとは無縁です!

ご安心ください。難しい話ではありません。

“普段から身の回りにある単位を会話の中で取り上げる”

たったこれだけで大丈夫です。

保護者の側が「覚えさせよう」「教えよう」という雰囲気出すと、だいたい子供は身構えます。

だからさりげなくアナウンスするか、ゲーム感覚でクイズのように聞くくらいでちょうど良いです。

 

例えば私は以前こんな記事を書いています。

「旅のおともに地図帳を♪」

https://ameblo.jp/kikuchihirotada/entry-12021251616.html

「旅のおともに地図帳を2♪」

https://ameblo.jp/kikuchihirotada/entry-12108874522.html

この記事の中で、こんな画像を入れてあります。

googleマップですね。

旅行に行くときにこういうのを見せることを繰り返せば、「130kmってこれくらいの距離か」って感覚がわかりますよね。

先日のテストで秒速25mを時速に換算する問題があったのですが、時速9000kmと答えた子がいました。

秒速25mというと、だいたい高速道路を走る車くらいのスピードです。(あなたはその感覚ちゃんとありますか?)

単位換算したら時速9000km=1時間で地球の約4分の1を移動、になるわけないでしょ!
という感覚がその子には無いのです(T_T)

旅行に行くときに地図を見ながら、ここからここまでで○kmくらいだねーという話をしておけば、そんなことにはなりませんよね?

また、飛行機に乗ったら、「今時速900kmくらいで飛んでるよ」とか、新幹線に乗ったら「今時速300kmくらいだね」って話もぜひしてください。

車で旅行に行くことがあるなら、高速道路は格好の学びの場です。

高速道路にはこういう車間距離を確認するための掲示がありますよね?

車のメーターを見せながら、「今時速90kmで走ってるけど、100mを走るのに4秒くらいだったねー」とか。

あるいは渋滞をしていたら、「歩くのと同じくらいのろのろだね。今時速何キロくらいかわかる?」とか。

ネタはたくさんあります。

 

そういえば先日、私がジョギングに行こうとしたときに、甥っ子(5歳)とでくわしました。

これから走りに行くと伝えたところ、「オレ走るの得意!保育園で30m競走したら1番だった!」と話してくれました。

キタコレ!チャンス!と思ったので、「伯父さんはこれから3km走りに行くよ!3kmは3000mだよ。3kmは30mの何倍かわかる?」とクイズにしました。

もちろん5歳児にはわかりません。

繰り返しますが、そのときにそこで覚えさせる必要はないのです。

だから教えこむ必要もないのです。

とにかくそういうことにたくさん触れるだけで十分。

何度もやってればいつか勝手に覚えます。

他にはどんなときに単位に触れる機会を作れるでしょうか?

ぜひぜひあなたも工夫してみてください。

 

人間というのは本能的に、知らないものには恐怖や嫌悪感を、知っているものには安心感や好感を持つように出来ています。

生き残るための大事なシステムです。

勉強にもそれがしっかり働くので、先にいろいろな知識を仕込んでおくのは、苦手意識を持たせず、前向きな気持ちで勉強に取り組むために有効です。

勉強でも仕事でも事前の準備(予習)がとても大切なのです。

ただし、子供は正しい準備(予習)のやり方を知らない子がほとんどです。

子供に「予習をして来い」と言うと、全く悪気無く答えの数字を丸暗記してきたりしますからね。

そんな予習だったらしない方がマシです。

ですから多くの塾では予習はしないようにと言われることが多いです。

私たちは正しい予習のやり方を教えますが、それにはけっこう手間ひまかかっています。

忙しいお父さんお母さんがそれをするのは難しいことが多いですよね。

ですから、結果的に正しい予習になっているように、知識の種蒔きをしてあげるくらいがお手軽で良いのです。

今回の種蒔きポイント「単位になじませる」もやってみてくださいね。


4月22日に親ゼミを開催します。

今回のテーマは『効率的な学習法:実践編』です。

詳細の告知は4月初旬を予定しています。