国語はセンス?読書量?…いいえ、観察力です!

4月も上旬が終わり、すっかりあたたかくなってきました。
あっという間に桜が満開!って時期も終わって、今年の春は短そうですね(>_<)
こんにちは、目黒校の尾本です。

さて、3月中はいろいろな大手塾さんが入試報告会を開催していました。
皆さんは足を運ばれましたか?
今年も私はいくつか参加しました。
それぞれの大手塾さんが個性を出していて大変参考になりました。
(いくつかツッコミを入れたい点もありましたが…)

その中の「今年の入試問題分析」でどの大手塾も取り上げていた問題がこちらです。
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特産品を販売する会社の販売部長と社長の会話です。
部長の報告は以下の通りです。
「大西社員は、販売用に500個のカニ弁当を発注し、小池社員は、450個のカニ弁当を発注しました。最終的に、新宿支店(大西社員)では、見事に完売にとなりました。池袋支店(小池社員)では、20個の売れ残りが生じてしまいました。二人の社員の評価について、社長はいかがお考えになりますか。」
これに対して社長は、
「部長の報告は客観性に欠ける。君はすでに大西社員を高く評価しようとしているではないか。」
と伝えたうえで、
「私は、小池社員の方を高く評価する。」
と答えます。

問1
社長は、部長の報告のどの表現に、客観性に欠けたものを感じたのでしょうか。二つ探し出し、なるべく短い字数で書き抜きなさい。
(2018年度 開成中)

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問題にはカニ弁当の売れ行き推移を表すグラフもあります。
一見して都立中高一貫校の適性検査?それとも科目を間違えてる?と思った受験生もいたでしょう。
2021年からの大学入試改革を先取りした問題ということでしょうか。

私の経験では同じ御三家でも国語の感性を必要とする麻布に対して、情報処理力が必要なのが開成の国語だと思っています。
文章量は多いですが題材が似ていたり、記述は多いですが設問パターンが共通している印象です。
この問題は文字数こそ少ないですが、会話やグラフの細かいところまで読み取る観察力が必要になる興味深い問題だと思います。
(正解は「見事に」「しまいました」です。)

生徒には常に言葉に注意するように伝えています。
例えば、学習記録を書く時にも
A:「今週の学習時間が30時間」

B:「テストの偏差値が50」
という2つの事実をつなげるときに使う言葉は生徒によって違います。

まず、A-1「普段の学習時間が10時間の生徒」とA-2「普段の学習時間が50時間の生徒」では同じ30時間でも達成感が違いますね。
また、B-1「普段の成績が偏差値40の生徒」とB-2「普段の成績が偏差値60の生徒」では同じテスト結果でも満足度が違います。

A-1・B-1の生徒であれば、
「今週は学習時間が30時間」まで頑張ったから「テストの偏差値が50」に上がった!やったー!!!
となり、納得の結果ですね(^^)
A-2・B-1の生徒であれば、
「今週は学習時間が30時間」だったのに「テストの偏差値が50」に上がってしまった、なんで???
となり、不満や不安が残りますが結果オーライですかね。
A-1・B-2の生徒であれば、
「今週は学習時間が30時間」まで頑張ったのに「テストの偏差値が50」に下がった…
となり、納得できません。
一番かわいそうなパターンです(T_T)
至急、勉強方法や生活リズムの見直しが必要でしょう。
A-2・B-2の生徒であれば、
「今週は学習時間が30時間」までサボったから「テストの偏差値が50」に下がった。
となり、これはしょうがないなと納得できると思います。

このように同じ事実であっても発言者によって伝わり方が大きく変わります。
また、結果に対する今後の対応も変わってきます。

学習記録を見ていると、単語ばかりだった生徒が文章で書くようになり、
文章に書き慣れてきたら、言葉選びにも気を使って文章の質が上がります。
自分で文章を書くときの注意力が上がれば、文章を読むときの注意力も上がります。
毎日の学習記録も国語の採点のように(入試問題を解くように)チェックしないといけませんね(笑)
講習中は毎日学習記録のチェックがありました。
そんなに自分の首を絞めなくてもいいのでは…とは思っているのですが(笑)

大変だった講習も終わり、また通常授業がスタートしました。
新学期も頑張るぞー!!


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