16万人の脳画像を見てきた脳医学者の瀧教授と話して感じた、人が勉強する意義

こんばんは。伸学会の菊池です。

先週のことですが、
私が参加している経営者が集まる勉強会の仲間の紹介で、
東北大学加齢医学研究所の瀧教授とお会いして食事会をしてきました。

瀧教授は子どもの教育に関する本を何冊も書いてらっしゃって、
私はこちらの本↓を読んでファンになりました。

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経営者の勉強会ということで、
教育に携わっている人が他にいなかったものですから、
あまり子どもの教育について掘り下げてお話しすることはできませんでした。

ですが、お話をする中で私なりに得られた大きな気づきがあったので、
今日はそのことについてお話ししたいと思います。

動画でも話していますので、音声で聞きたい方はこちらをご覧ください。


瀧教授は音楽が好きで、毎日ピアノを弾くそうです。

また、芸術もとてもお好きなんだそうです。

勉強会のメンバーの中に画廊を経営している方がいて、
その方と芸術の話で盛り上がっていました。

そのときに瀧教授がおっしゃっていたことなのですが、
私たち人間の脳には、
何かを美しいと感じたときに反応する部分があるそうです。

興味深いことに、どんなタイプの美しいものを見たときにも、
その同じ部分が反応するそうなのですね。

これってちょっと不思議だと思いませんか?

例えば、
夕陽のような自然の景色を見たときにも、
サグラダファミリアのような人工的な建造物を見たときにも、
それらを美しいと感じるときには同じ部分が反応するそうなのです。

視覚的情報だけではありません。
  
美しい音楽を聴いたときもそうですし、
美しい小説を読んだ時もそうですし、
美しい数学の証明に感動したときにも同じ反応をするそうです。
  
そういう反応することはわかっていても、
なぜそういう反応をするのかは解明されていないそうです。
  
これらのものを美しいと感じる能力を持つことが、
進化的にどういう意味があったのか。
  
大自然の生存競争の中で勝ち抜き、
人類が反映することにどう役立ってきたのか、
それはわからないそうなんですね。
  
人間の脳はまだまだわからない、
興味深いことだらけです。
  
  
この話を聞いたとき、
私は賢い頭を作るとか成績アップとかとは別の、
「人はなぜ勉強するべきなのか」
について思いが巡りました。
  
美しい自然を見たときには、
どんな人でも感動することができるかもしれません。
  
ですが、美しい数学の証明を見たときに感動できるのは、
数学を学んだ人だけです。
  
数学を学んでいなければ、
その証明の美しさは理解できないからです。
  
絵画などでも同様に、
教養があるからこそ理解できる良さ・美しさがありますよね。
  
かくいう私は、
美術方向はからっきしなので、
正直絵画の美しさに感動する能力がありません。
  
興味はあるので国立西洋美術館とか東京国立博物館とかに足を運ぶことはあるのですが、
絵のそばに書いてある説明を読まないと、
その絵にどういった意味があるのか、どこがすごいのか、わからないんですね。

絵の美しさに感動するというよりも、
情報を見て興味深く思うというのが適切な表現です。

これは私が美術に取り組んだことがないためです。

わかる人がうらやましいと思うところです。


学んだことがあるからこそ、
練習してみたことがあるからこそ、
わかるすごさがあります。

そのすごさに感動して、
人は「美しさ」を感じます。

だから、何かに真剣に取り組んだ経験が多ければ多いほど、
人は「美しさ」に感動する機会が増えると思うんですね。
  
それはつまり、
人生が豊かになるということではないでしょうか。
  
  
現代社会は物質的には満たされています。
  
少なくともこの記事を読んでいるあなたやあなたのお子さんは、
明日食べるものの心配をする必要はないでしょう。
  
今以上に幸せな人生をお子さんに与えるために必要なのは、
衣食住のような物質的な豊かさではなく、
精神的な豊かさだろうと思います。
  
その子自身が幸せだと感じながら生きられるようにすることです。
  
そう考えたときに、
勉強することによって手に入るもので大切なのは、
将来の仕事や収入といったものよりも、
「美しさ」を感じられるようになるための「教養」なんじゃないか。

瀧先生のお話を聞いていてそう感じました。
  
まぁこんな話を生徒たちにしても、
子どもにとっては「何言ってんの???」みたいな話だと思いますが(笑)
  
きっとご家庭でお父さんお母さんが子どもに話しても同じですよね。

私たち大人が心の中でそっと、
子どもたちの将来の幸せの種をまこうというつもりで勉強に取り組ませていきましょう。

私はまずは物語文もまともに読めない読解力のない子どもたちに、
読書の楽しさを教えるところから頑張ろうと思います(笑)

それでは!

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