国語の勉強法:受験国語の成績を伸ばすために必要な力とは?

国語はセンスで決まる科目という誤解

国語の勉強がわからない—-そんな悩みを抱えていませんか? 私はこれまで多くの保護者さんから、何を勉強させればいいかわからないと相談をされてきました。その保護者さん自身は国語ができない場合もあれば、できる場合もありました。

 「私もできなかったから…」

 「私は特に何もしなくてもできたから…」

 どちらのケースもありますが、共通するのは国語を意識的・戦略的に勉強した結果、できるようになった経験を持たないということです。だから勉強法をお子さんに教えることができないのです。

 場合によっては、「特に何もしなくてもできた」人が、自分は国語ができるからといって国語の先生になっていたりします。意識的に指導法を学べば別ですが、そうでない限りそういった先生たちも国語を指導することができません。

 これは実際にあった例ですが、個別指導で教えていた生徒が、メインの塾の国語の先生から「日本人なんだからわかれよ!」と言われ、「そんなこと言われてもわからんし!」とぷりぷり怒っていました。こういった状況の中で、国語は勉強法がない科目、センスでできるかできないかが決まる科目、そんな誤解が広まっています。

受験国語の成績を伸ばすために必要な力とは?

 では、はたして国語には勉強法がないのかと言えば、もちろんそんなことはありません。確かに何となく問題を解き、これが答えだと言われて「ああそうか」と思っているだけでは成績が伸びないのは間違いありません。

 しかし、国語の問題を解くために必要な力が何かを分解し、それぞれに対して必要な練習・学習をしていけば、国語の成績もちゃんと伸ばすことができます。そのための第一歩が、国語の問題を解くために必要な力が何かを知ることです。

 ここでも前節の算数(http://www.singakukai.com/column/12302.html)と同じように、私たちは「能力」と「知識」に大きく分けて考えています。「能力」としては、「正確に読む力」「速く読む力」「覚えながら読む力」があり、「知識」としては「語彙・背景知識」「言い換える技術」「理由をたどる技術」「比べる技術」といったものがあります。

塾では指導できないものをどうするか?

 塾の国語の授業で指導できるかできないかと考えたときに、算数の場合と同様に「能力」の三つは指導できません。「ちゃんと正確に読みなさい」「急いで速く読みなさい」「しっかり読んだ内容を覚えなさい」といったところで、子どもはできるようにはなりませんよね。

 加えて、「語彙・背景知識」は指導しきれないというのが正直なところです。語彙というと、ことわざ・慣用句・四字熟語などを想像するかと思います。これらも語彙として重要です。こういったものは塾の語句のテキストには載っていて、一応は塾で指導されます。 

 しかし生きた言葉として理解できるようになるには、文脈の中で使われているのを見て体感していかなければいけません。テキストで学習する以上のトレーニングが必要です。さらにそれだけでなく、「常識」と言ってもいいような「語彙」の重要性も忘れてはいけません。

 例えば、私たちが国語で物語文を指導しているときに生徒が知らなくて困ったのが、「レール」「雪合戦」「おおみそか」「ピッチャー」といった言葉です。このレベルの言葉まですべて網羅したら、それはもう語句のテキストではなく辞書です。塾では指導しきれないというのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

 「背景知識」はもう少し複雑な知識の集合のことを指します。例えば、論説文で環境汚染や地球温暖化がテーマになっていたときに、社会科の授業でこれらを学習して理解できているかどうかで、本文を読んだときに内容が理解できるか、イメージできるかが大きく変わります。物語文でも、野球のルールを知らない子と知っている子では、あさのあつこの『バッテリー』を読んだときに理解度に大きな差が出ることは想像できるかと思います。

 結局のところ算数と同じく、書いてあることをイメージとしてとらえることができるかどうかが成績につながります。イメージとしてとらえるためには、語彙・背景知識が必要なのです。

 これらの「三つの能力」および「語彙・背景知識」を身につけさせるのに、最も効果的だと私が考えるのは読書です。子どもは読む経験を積み重ねることで、速く・正確に・覚えながら読む能力を体得し、あわせて語彙・背景知識を吸収していきます。

 また、伸学会では、能力アップの方法として、国語の授業とは別に「速読トレーニング」も実施しています。速く読むだけでなく、正確に読むトレーニング・記憶するトレーニングもセットになっていて、受講している子たちの読書速度は顕著に上がります。

 一般的な大人の読書速度は1分間に500文字前後と言われていますが、1年以上受講している小学生たちはだいたい1分間に1000文字以上の速さで読めるようになります。速く読めるようになれば、同じ時間で読める本の量が増えるので、間接的に語彙・背景知識を増やすことにも繋がりますね。

国語の勉強の代わりに読書させてはいけない

 ここまでの話の流れで、もし「うちの子は語彙力が足りないから読書から始めなきゃ!」と思ったとしても、気をつけてほしいことがあります。それは、読書の効果が出るのには時間がかかるという点です。また、先ほど書いた国語の解き方の三つの技術を勉強しなければ、それはそれで問題は解けません。

 ですから、技術の勉強を減らした代わりに読書をさせても、成績の向上は見込めません。技術の勉強に加えて、読書をするように仕向けなければいけないのです。テレビの代わりに読書、ゲームの代わりに読書となるように仕向ける。それはつまり、読書好きにさせるということです。

 読書好きにさせるための方法は、前著の『勉強にハマる方法』で書いたことがそのまま使えます。きっかけとしては、「親も子どもと一緒に読書をする」「図書館で自分で本を選ばせる」といったことがすぐにできてよいのでしょう。そして、読んだ冊数を記録して、「スコアの伸び方を親子で競う」と継続的に楽しめていいですね。読書が嫌いな子であれば、はじめのうちは「ご褒美を設定」することで、読書を続けられるようにサポートしてあげてください。

 こういった働きかけを通じて「能力」と「語彙・背景知識」を身につけておけば、あとは解き方の技術を覚えれば問題が解けるようになります。できれば高学年になってから慌てるのではなく、低学年のうちから準備しておきたいですね。

 もし、「うちの子は読書好きで、いろいろなことをよく知っているのに国語ができないな」という場合には、技術を知らないせいで問いに答えられていないということです。これについては次節で大まかに説明します。細かく書くとこれだけで本が1冊書けてしまうので、この本では概要しか説明しませんが、どういった練習が必要なのかというイメージをつかんでもらえればと思います。

まとめ
「能力」や「語彙・背景知識」は授業では習えない。読書を通じて身につけさせよう。

—(ここまで)—

こちらの内容は、4月15日に出版された
『「記憶」を科学的に分析してわかった小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』
の原稿の1部を抜粋しました。

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